阿蘇の光化学スモッグを見て    2009年5月16日

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          烏帽子岳山頂






 先日の5月10日に、阿蘇の烏帽子岳に登った。(その時の様子は既報









 登る途中で写した西方向(長陽村方面)の景色

 登る途中や山頂で、阿蘇カルデラの上空に発生した写真のような 『光化学スモッグ』 を見た。

 その前日に阿蘇坊中温泉に入浴後、休憩室のテレビで夕方7時前の地方ニュースを見ていたら、

 当日は九州各地で光化学スモッグが発生し、この阿蘇地方でも 『光化学スモッグ注意報』 が発令されたとの放送があった。

 私はそのニュースを見て驚いた。

 北九州のような工業地帯なら別に驚かないのだが、私はこの阿蘇地方は大自然の代表格と思っていたからである。

 その阿蘇のど真ん中に、今日も連続して光化学スモッグが発生していた。




山頂から見ると光化学スモッグの発生は写真のようにかなり広範囲で、その下では数万人の人達が暮らしている筈である

その人達は否応なしに、光化学スモッグが混じっている為に、あのように空気の色がハッキリと異なる汚染された空気を吸わざるを得ないのである。

それが身体に色々な悪影響を及ぼさない筈はない!


   山頂から北方向(阿蘇町方面)の景色

 こんな大自然にも光化学スモッグが発生するのは、地球規模で大気が汚染されているからだと思う。

 今、環境問題が世界中で叫ばれているが、もうタイムリミットぎりぎりでは?と思っている。

 阿蘇は大自然が一杯の中にあるのに、私はそこで連日発生した光化学スモッグを見て、

 私はこの地球の病状はもう既にかなり進行しているのでは?と思った。

 現在は本当に一人一人が真剣に考えて環境問題に対処しないと、もう間に合わないのでは?と思う。

 『自分にはあまり関係無いのでは?』 と思っていても、地球規模で汚染される訳だから、

 必ずこの地球に住むあらゆる生物に影響するのである。




      山頂から北西方向の景色
 以前から山に良く登っている人ならば、その中の多くの人が気付いていると思うが、最近は山頂からの遠望が利かなくなった。

 数年前までは、降雨後や降雪後で晴天の日は遠くの景色まで良く見渡せた。

 それが最近はどんなに良く晴れた日でも遠望が利かないのである。

 これは雨や雪や風等では大気中の塵を清掃出来なくなったからだと思う。

 大気中の塵の量が雨や雪等では払い落とせないほど大幅に増えたか?、

 或いは雨や雪や風等では清掃できないような塵が混じっているのでは?と思う。


 とにかく、地球の大気は非常に汚れているのである。


1961年に人類初の宇宙飛行を成し遂げたソビエト連邦の故ガガーリン少佐は、宇宙から地球を見て 『地球は青かった!』 との有名な言葉を残した。

今も当時のような青に見えるのだろうか?

現状のまま進めば近い将来、『地球はドブネズミ色だった!』 に成り兼ねないと思う。


   山頂から西方向(長陽村方面)の景色

 地球環境が変われば繁殖する生物と、絶滅する生物が生じるのは自然界の原理原則である。

 この原理原則は、この地球上でも太古から幾度となく繰り返されている事は周知の事実である。

 近年、人間が大きく変えた地球環境により、現在繁殖している生物と死滅している生物がいる筈である。

 そして繁殖する生物は徐々に変化しながら(又は進化しながら、或いは強力になりながら)繁殖していると思う。

 私は現在世界中で大騒ぎしている 『豚インフルエンザ』 にしろ、もっと毒性が強くて恐ろしいと言われている

 『鳥インフルエンザ』 にしろ、(それら以外にも、まだ人類が気付いていない凶暴なウイルス等がある?と思う)

 人間が変えた地球環境によって、それらを変化させたり進化させたのでは?と思っている。


過去を振り返ると、中世以降だけで 『コレラ・ペスト・スペイン風邪』 等の感染性ウイルスにより、合計1億人前後?が犠牲になっているようである。

現在はその当時と比べると人口は爆発的に増えているし、また人の移動は当時とは比べ物にならないほど活発でかつ短時間化されている。

今回の 『豚インフルエンザ』 の流行を見ても分かるように、現在の感染スピードはほぼ地球同時発生に近い。

今まで地球を痛め続けるばかりで効果的な対策を講じて来なかった人類は、これまでの代償を今後、数億人の犠牲者で償う事になるのでは?と私は危惧している。



私は現在の人類の知恵や技術はこの環境問題を改善する迄には発達しておらず、せいぜい近年の汚染スピードを少し鈍らせる位だろう!と思っている。

もしそうならば、環境問題を改善させる知恵や技術が発達する迄は、経済発展優先の考えを改めたが良いのでは?と思うのである。

『今の生活が少しぐらい昔に戻っても良い!』 との覚悟が、地球上の人間一人一人に必要ではないのだろうか?



どんなに便利や裕福になっても、病気になったり死んだりしたら何にもならないのだから ・ ・ ・ ・ ・。

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