黒峰 〜 トンギリ山


2010年(平成22年)5月11日   晴れ   弱風


今回は天主山の 『山シャクヤク & ヒゴイカリソウ』 を目当てに出掛ける事にしたが、今回は今迄に歩いた事の無いルートで天主山に登る事にした。

そのルートの所要時間は、私達の足では11時間位は掛かる予想だったので、翌日の早朝より登る計画を立てた。

それで今日はその登山口への途中にあり、私達がまだ登った事の無い山に登る事にした。



その山の予想所要時間は2時間位だったので、アルキメデスの原理、ピタゴラスの定理、オームの法則、アボガドロの法則等を応用した複雑な計算を暗算で行い、

自宅を出発しなければいけない時刻を逆算した。

その結果、算出された出発時刻は10時10分だったので、その定刻に自宅を出発した。(笑)

例によって途中の道の駅ではイチゴやキュウリ等の農産物を購入したり昼食休憩をしながらゆっくりと走行し、黒峰登山口のある駐車場に着いたのは14時10分で、

自宅から137kmの走行にちょうど4時間を要していた。(暗算で行った計算通りだった!・・・笑)









 写真は登山口にあった案内板である。


 ここを出発した時刻は14時15分だった。












この 『黒峰〜トンギリ山』 の詳細を説明すると今回の山行記が大変長くなりそうなので、今日の分は山頂写真の紹介だけに留める。


黒峰山頂
黒峰山頂から南方向に見えたトンギリ山
トンギリ山の後方が明日登る予定の向坂山で、その左は小川岳




 写真がトンギリ山の山頂で、上写真の黒峰からはグングン下ってから急坂を登り返した。



 山頂標識には1214mの文字が見えるが、実際は1250mのようである。



 尚、後方に見える山が先程登った 『黒峰』 の山頂である。



 トンギリ山からの下山中には 『山シャクヤク』 と 『ハシリドコロ』 の花を少しだけ見掛けた。








『黒峰〜トンギリ山』 の山歩きをまとめると、

             駐車場(14:15)〜黒峰(15:05)〜トンギリ山(15:30/15:40)〜駐車場(16:05)で、万歩計は8174だった。



下山後は明朝の出発地である、『五ヶ瀬ハイランドスキー場』 に移動した。

まず明日の早朝にスタート予定のリフト最上部に、登山口の確認に行った。

下・左写真がリフト最上部で、標高は1610mあるとの事である。

『向坂山』 への登山口はそのゲレンデを登った所にあった。

リフト最上部には誰もいなかったが、ゲレンデでは5頭の子鹿が遊んでいて?、私が近付くと右写真のように慌てて逃げて行った。

リフト最上部
ゲレンデで遊んでいた子鹿





 リフト最上部の建物は施錠されていてトイレが使用出来ないので、

 登山口を確認後は写真の下駐車場に移動した。



 この駐車場はスキー場が閉鎖後も登山者の為に?、トイレが解放されている。



 この駐車場にも誰もいなかった。











 写真が当夜の宴会料理だが、全てオバさんが自宅で準備して来た物ばかりである。

 簡単に説明すると

      左列の上は、   サンマの蒲焼きとタマネギ

           下は、   キャベツ(私の大好物です!)

      中列の上容器は、枝豆と鶏胸肉のバター焼き

           下容器は、牛タンの燻製とウドの味噌漬け

      右列の上容器は、タケノコと豚肉の煮物

           下は、   するめ、

      飲み物はビールを1缶ずつの他は私は焼酎、オバさんは梅酒である。





宴会は19時頃から20時15分頃まで続き、シュラフに潜り込んだのは20時半頃だった?と思う。

寝る前にトイレに行った時、夜空を見上げると満天の星空だったが、夜半に風が凄く強くなり、その風の音で何度か目覚めた。


(向坂山〜三方山〜天主山〜高岳〜三方山〜向坂山)縦走周回


2010年(平成22年)5月12日   快晴   弱風


コース概念図


 翌朝は4時半頃に起床した。


 お湯を沸かし、『コーヒー、パン、ゆで卵、バナナ、リンゴ』 で朝食にした。


 その後、昨夕に登山口を確認したリフト最上部に移動したが、そこは写真のような濃霧状態だった。


 ここを出発した時刻はちょうど5時半だった。










 写真は向坂山へ登る途中の風景だが、階段部分が多い登山道にはバイケイソウが多く、

 登山道の左側には写真のような鹿防止ネットが張り巡らされていた。

















 写真が登り始めて15分弱で着いた、『向坂山=むこうさかやま=1684m』 の山頂である。


















 向坂山山頂から暫らくの間は下り一辺倒で、その急坂をグングン下りながら

 『今から11時間位経った帰路の疲れている時に、この急坂を登り返すのは辛いだろうな〜?!』 等と

 オバさんと話しながらこの急坂を下りていた。













 スタートして45分位すると霧が晴れ、写真のような青空と朝日を浴びた稜線が見え始めた。


















 そして登山道脇では写真のように満開の 『ミツバツツジ』 を結構多く見掛けた。



















 写真はスタートして1時間20分程した所(距離にして4km強)で写したものだが、

 この付近は写真のような尾根道で、周りはブナの樹が多かった。








そんな尾根道には下写真のように幹の真ん中に穴が空いた樹があった。

幹の真ん中に穴が空いた樹
穴の反対側から写した、スマートなオバさん(笑)







 その後もブナの樹の多い尾根道を歩いていると、前方の木々の間からは写真のような三方山の山頂が見えて来た。
















 写真が 『三方山=さんぽうざん=1577m』 の山頂である。



 時刻は7時45分で、向坂山から5.6kmの距離にちょうど2時間を要していた。















 三方山から5分弱下りると写真のような分岐地点に出た。



 ここでは 『天主山・遠見山』 方向に右折したが、その後 『天主山〜高岳』 と周回後に

 この分岐標識の椎矢峠方面から又この分岐地点に戻って来る予定である。







 上写真の分岐標識から天主山方面へ5分強進むと、

 写真のように広い 『三方山林道』 に出た。(ここはコース概念図で三方山北登山口に当たる)



 ここにも分岐標識があり、右方向が天主山方面で、左方向が椎矢峠方面である。



 私達は天主山に登った後は又この地点まで引き返し、その後は椎矢峠方面に向かう予定である。









 上写真のように広い三方山林道を5分ほど進むと、左側に開けた所があり、

 そこからは写真のように天主山の山頂を望む事が出来た。










 更に5分ほど進むと林道が2つに別れ、その角に道標があった。



 この場所は 『切剥(きりはぎ? or きりはげ?)』 と呼ばれている分岐地点である。



 尚、右道は 『遠見山』 に行く道(那須往還)で、目指す 『天主山』 は左の林道である。










 『天主山』 への林道は現在は使用されないようで、

 写真のように崩壊した所や、落石や朽ち果てた倒木が大変多かった。












 2つ前の写真(遠見山への分岐地点)から15分弱進んだ所が、写真のような林道の終点だった。



 私達はここの倒木に腰掛けて 『行動食・リンゴ・イチゴ』 を食べながら喉を潤し、5分ほど休憩した。













 その後の登山道は、写真のように斜面上を歩く小径でかなり歩き難かった。









しかしそんな小径を10分ほど進むと小径の上斜面や下斜面に、下写真のような 『ヤマシャクヤク』 の群生地が現われた。

下写真の群生地は特に群生している所を写したもので、途中には少ししかない所もあった。

しかしそのような景色がその後 『天主山』 の山頂に着くまで1時間以上も続いた。

ヤマシャクヤクの群生地−1
ヤマシャクヤクの群生地−2

ヤマシャクヤクの群生地−3
ヤマシャクヤクの群生地−4

登山道の上下斜面には上写真のようなヤマシャクヤクの大小群生地があったが、12日の開花状況は(私の独断と偏見では)下写真のように感じた。

2割位がまだ硬い蕾だった
4割位が少し膨らみかけた蕾だった

3割位が開花中だった
1割位は花弁が落ちていた

そんなヤマシャクヤクの群生地では下写真のような花々も見る事が出来た。

ニリンソウ
ナットウダイ

ヒトリシズカ
フタリシズカ

フウロケマン?
ジロボウエンゴサク or ヤマエンゴサク

ラショウモンカズラ
ツルキンバイ?

マルバコンロンソウ or トウゴクサバノオ
 
シコクハタザオ



 この花はオバさんが偶然に発見した 『ヒゴイカリソウ』 である。


 その後は二人してその近くや色々な場所を探したのだが、

 他の場所では一輪も見付ける事は出来なかった。


 前回、同じ時期にこの天主山に登った時はとうとう一輪の花も見付ける事が出来なかった。


 それで今回の山行ではこの 『ヒゴイカリソウ』 を発見する事が一つの目的だっただけに、

 たった1輪だけの発見であったが凄く嬉しかった。











 写真が林道の終点から1時間20程で着いた 『天主山=てんしゅざん=1494m』 の

 山頂で、時刻は9時40分だった。



 山頂には誰もいなかった。



 私達はこの山頂に腰掛け、『行動食、バナナ、キュウリ』 を食べながら喉を潤し、

 5分ほど休憩してから来た道を引き返し始めた。








下山中にも花を探しながら歩いていたが、『ヒゴイカリソウ』 は他の場所では遂に見付ける事は出来なかった。

しかし下写真のように今まで見た事の無いほど大きなサルノコシカケや、船底に付着するフジツボみたいに倒木に群生したサルノコシカケ等を見掛けた。

直径が約50cmもあった、大きなサルノコシカケ
倒木に群生していたサルノコシカケ





 その後はコース概念図で 『三方山北登山口』 まで戻り、今度は 『椎矢峠』 方面への三方山林道を歩いて行った。



 その三方山林道の右側の開けた所では、写真のように先程登った天主山やそこに至る稜線等が見えていた。










 『三方山北登山口』 から15分ほど進むと、写真のような分岐標識のある広場に出た。



 この広場がコース概念図で 『三方山南登山口』 に当たり、私達はこの後 『高岳』 に登ってから、

 この地点まで引き返し 『三方山』 に登り返す予定である。












 『三方山南登山口』 を過ぎると、写真のように前方の木々の間から 『高岳』 の山容が見え始めた。









『三方山南登山口』 から5分ほど進むと下写真の 『椎矢峠』 に出た。

この 『椎矢峠』 は宮崎県側からは車でも来れるようだが、熊本県側は下・左写真のように全面通行止になっていた。

尚、この 『椎矢峠』 の標高は1460mあり、九州で車の通る峠の標高ではベスト5以内に入るのでは?と思う。(ちなみに椎葉越峠=1530m山犬切峠=1510m)

熊本県側の林道には全面通行止の看板があった
宮崎県側に50m位下りた所にはトイレがあった

上写真の 『椎矢峠』 の標識から宮崎県側に200mほど下りた所には、下・右写真のような案内図があり、その20m位先に 『高岳』 への登山口標識があった。

林道の曲がり角・右側に登山口標識が見える .
左写真に写っている案内図のUP






 『高岳 』への登山道は写真のようにまだ踏み跡がハッキリしない小径で、

 急坂部分が多かったが赤テープ等の目印があり、迷う事は無かった。












 上写真のような登山道を20分強登ると、写真のような 『高岳=1563m』 の山頂に着いた。



 周りの景色は写真のように、木々の間から少し見えるだけだった。



 私達は山頂の岩に腰掛け、『行動食・イチゴ・ミカン』 と飲み物で

 10分ほど休憩してから下山に掛かった。















 下山中の左側には、写真のようにこれから向かう 『三方山』 の山頂が見える所があった。














 『高岳』 から下山後はコース概念図で 『三方山南登山口』 まで戻り、写真の標識から 『三方山』 へ登り始めた。
















 その登山道脇には写真のようなブナ等の自然林が多かったが、10分ほど登った所でふと左下を見ると。

 直ぐ下には先程通った三方山林道が見えていた。











 『三方山南登山口』 から20分ほど登ると、往路時に通った 『天主山』 と 『椎矢峠』 との分岐地点に出た。



 これから以降は往路時に歩いた登山道を戻る事になる。













 上の分岐標識から5分ほど登ると、『三方山』 の山頂に着いた。













 その後も往路時に歩いた登山道をゆっくりと歩いて行った。



 復路時には往路時とはまた違った風景が目に入るので、それらを写しながら歩いて行った。



 写真もそんな風景の1つだが、『三つ葉ツツジのピンク』 と 『ムシカリの白』 のコントラストが

 とても綺麗だった。









下写真は登山道脇にあった或る展望岩に登り、そこで 『行動食・バナナ・キュウリ』 と飲み物でゆっり休憩しながら、そこから見えていた景色を写したものである。

東方向の景色で、向坂山や小川岳等
左写真の右側(南東方向)の景色で、白岩山や霧立越等

南方向の景色で、遠くに市房山や石堂山等
左写真の右側(南西方向)の景色で、国見岳や五勇山等






 その後も往路時に歩いた登山道をゆっくりと戻って行ったが、

 『三方山〜向坂山』 間(5.6km)には結構アップダウンがあり疲れた。



 そして写真の向坂山へ500mの道標からは急坂の連続だったので、

 疲れた身体や脚には特に堪えた。


















 そんな登山道脇には、写真のように立枯れしたブナの大木が多かった。



















 2つ前の写真から始まる500mの距離の急坂に15分を要して、やっと写真の 『向坂山』 の山頂に辿り着いた。



 往路時に予想した通り、復路時のこの急坂の登り返しでは本当に疲れた。











 『向坂山』 の山頂からは10分強で、今朝スタートした写真のリフト最上部に着いた。



 今日の山歩き中には遂に最後まで人を見掛ける事は無かった。







今日の山歩きをまとめると、

        リフト最上部(5:30)〜向坂山(5:45)〜三方山(7:45)〜三方山・椎矢峠分岐(7:50)〜三方山北登山口(8:00)〜三方山・遠見山分岐(8:10)

                     〜林道終点(8:20)〜天主山(9:40/9:45)〜林道終点(11:20)〜三方山・遠見山分岐(11:30)〜三方山北登山口(11:40)

                     〜三方山南登山口(11:55)〜椎矢峠(12:05)〜高岳登山口(12:15)〜高岳(12:35/12:45)

                     〜三方山南登山口(13:15/13:20)〜三方山・椎矢峠分岐(13:40)〜三方山(13:45)〜展望岩(14:50/15:05)

                     〜向坂山(16:25)〜リフト最上部(16:35)、総所要時間は11時間5分で、万歩計は48434だった。



今日は一日中快晴で風は殆んど無く、気温は寒くも暑くも無い絶好の登山日和だった。

そんな日にこの山域を私達だけで独占し、また 『ヤマシャクヤク』 を始めとする色々な花に出会え、また目的の一つであった 『ヒゴイカリソウ』 にも逢う事ができ、

今回は大変満足の行く山行であった。

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