天主山


2007年5月4日(木曜日)  曇り後雨  弱風


                                                    コース概念図
                                               
      

今朝も二人とも気合いが入っていたので、予定通りに4時半に起きた。

しかし私は昨夜はあまり熟睡出来ず、夜中に何度も目覚めた。

その理由は車が少し右側に傾いている為に、眠っている間に身体が少しずつずり下がるからだった。

オバさんも熟睡出来なかった!と言っていた。

しかし駐車した場所の右側が少し低い為に、どうしようもなかったのである。

もっと早く気付いていれば何とかしたのだが、駐車する時や車内で飲んでいる時は、そんな傾斜には気付かなかったのである。

その傾斜には寝てから初めて気付いたのだが、その程度の傾斜が睡眠にこんなに影響するとは思わなかった。

しかしそんな睡眠の事等は二人とも気合で吹き飛ばし、朝の身支度をしてからお湯を沸かし、コーヒーとパンとで朝食を済ませた。

昨夜の天気予報では午後からは雨が降る確率が高い!と言っていたので、私達は夜明けと共に登山を開始しようと思っていたのである。



 私達が駐車場を歩き始めた時刻は5時25分で、写真のように空が明るく成り掛けていた。

 その明るさは、ヘッドランプを点けなくても何とか肉眼で道等が分かる程度だった。

 私達が歩き始める時に20〜30m離れた所に駐車してあったもう1台の御夫婦の方達は、

 ちょうど朝食の準備をしてあるところだった。

 私はその御夫婦に一声掛けてから出発した。








 薄暗い林道をほんの少し歩くと、左側に登山口の標識があった。

 その標識部分も写真に撮ったのだが、私の安物デジカメは性能が悪い為にブレて写っており、

 とてもここに掲載出来るまでには至らなかった。(それは決して私の腕が悪い訳ではない!・・・念の為)

 その標識からの登り口は崖のような傾斜地を、写真のようなロープを握って登って行った。






山道に入ってからも急坂の連続が続き、そこにもずっとロープが張られていた。

そんな所を10分も歩くと私は汗が出て来たので、ブラウスを脱いで半袖1枚になり、喉を潤した。

駐車場付近の標高は700m弱らしく、天主山まで約800mの標高差を約3kmで登る為に、この山はこのような急坂部分が多いようである。

その急坂部分の景色も写真に撮ったのだが山中はまだ暗く、私のデジカメでは前述の理由でボケて写っており、それら写真も掲載までに至らなかった。(涙)

ようやく周りが明るくなって来たのは6時10分頃で、その後の登山道の様子が下の写真である。

しかし、それまでに私の性能の悪いデジカメは自動的に無駄な発光ばかりしていたので(そのくせに綺麗に写っていないのである!・・・怒)、

この付近でバッテリーが無くなり、予備のバッテリーに交換した。

その後暫らく歩いていると、それまでのような急傾斜は徐々に少なくなっていった。

そしてその付近では朝のヒンヤリとした空気の中を、写真のような新緑を眺めながら歩いていたので、凄く気持ちが良かった。

そして又、この付近では早起きな小鳥達の鳴き声が響いていたので、とても爽やか気分でもあった。



 上写真のような山道を20ほど歩くと、左写真のように 『天主の舞台』 と書かれた標識がある場所に着いた。

 ここに到着した時間は6時35分で、歩き始めて50分が過ぎていた。

 地図(コース概念図)を見ると、この 『天主の舞台=1194m地点』 は全行程のちょうど半分位に当たるようである。

 又その地図では、この 『天主の舞台』 は1つの山頂のようである。

 しかしそこは山頂とは思えないような平らな場所だった。

 尚、後方の樹間に薄く見えている山が目指す 『天主山』 のようである。









 『天主の舞台』 に出る時は割りとなだらかだったので、そこが1つの山頂であるとは気付かなかったのだが、

 『天主の舞台』 を過ぎると、直ぐ写真のように山道はかなり下って行くので、そこは確かに山頂である事が分かった。










 『天主の舞台』 から少し下りると開けた所に出たが、そこからは前方に写真のような山が見えていた。

 私は奥の方に見える山が目指す 『天主山』 だと勘違いして、あと1つ小さな山を越せば良いのだな〜!と思った。

 その勘違いはその後に直ぐ分かったのだが、奥に見える山は 『天主山』 ではなく、途中のピークだった。

 『天主山』 はその奥の山に隠れていて、そこからは見えて無かったのである。

 その後 『天主山』 に着くまでには、大小5つ(だったと思う?)のピークを越さなくてはいけなかった。





その後は大小のアップダウンが続いたが、途中には下・左写真のように倒木が多い所もあった。

尚、天主山までの登山道には下写真のように案内標識が沢山設置されているので、道を迷うな事はないと思う。


その後の登山道では下写真のように、ヒメシャラ、ブナ、モミ等の巨木が多かった。

尚、下・中写真のように今の時期はブナ等の新緑が大変綺麗だが、その新緑は紅葉とは逆に、麓から山頂に向かって徐々に進行して行く。

昔の人達はその新緑の移ろいを 『ブナの峰渡り』 と呼んでいたそうである。

『ブナの峰渡り』 ・・・ 日本語ならではの何とも情緒豊かな表現で、とても美しくて素晴らしい言葉だ!と思いませんか!?

ヒメシャラの巨木
ブナ等
モミの木の巨木


又、途中には下写真のように、新緑の中に、ピンク色のミツバツツジ、白色のムシカリがあり、絶妙のコントラストだった。

ミツバツツジ
ムシカリの花








 『天主の舞台』 を過ぎて、4つ?のピークを越した辺りから前方の樹間には 『天主山』 の山頂が見えて来た。

















 又、その付近の立ち枯れの樹には、写真のように 『サルノコシカケ』 が沢山付いていた。


















 上の写真から少し歩くと、登山道には小さな岩が多くなり、また周りには白い石灰岩も目立つようになって来た。









上写真のピークを越して下った所の鞍部からは、下写真のように立ち入り禁止のロープが張られていた。

それらのロープは山頂まで続いていて、時間にして15分程の距離に張られていた。 尚、登山道は途中から右写真のように階段状になった。

この付近で私達は写真を撮りながらゆっくり歩いていると、後ろの方で声が聞こえたので振り返ると、駐車場に泊まってあった御夫婦だった。

私達が駐車場を歩き始めた時はまだ朝食の準備中だったので、相当の早足で登って来られたのだと思う。(驚!)




 立ち入り禁止ロープの中にはヤマシャクヤクが多かった。

 しかし、そのヤマシャクヤクは開花しているものは1個も無く、みんな蕾だった。

 その蕾も写真のようにまだ青くて固く閉じており、膨らみ掛けて白くなった蕾は1つも見掛ける事は無かった。

 昨日は 『上福根山』 でマシャクヤクを見たが、そこに比べると

 この天主山のヤマシャクヤクの開花は1〜2週間位?遅れそうである。











 ロープ内ではヤマシャクヤク以外には、写真のようなバイケイソウを多く見掛けた。









 この写真が 『天主山=てんしゅざん=1494m』 の山頂である。 そこには先程私達を追い越して行かれた御夫婦が

 休んであった。私はその方のデジカメで記念写真を撮ってあげたが、その御夫婦は少し休憩された後に下山された。

 私達はこの山頂部でも花を探した。 この山には熊本県のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されている

 『ヒゴイカリソウ』 が咲く事を知っていたので、その花を探していたのである。

 私達はその 『ヒゴイカリソウ』 と出合う事も、今回この天主山に登る一つの大きな楽しみだった。

 奥の方にも道があり山頂部はかなり広そうだった。 その方向に少し進んでみたが、そこで小さな雨が一粒

 顔に当たったので、それ以上奥に行くのを止めて引き返して来た。



山頂には二等三角点もあったが、 写真のように樹木が大きくなっていて展望は殆んど無かった。

今日の天気予報では午後から雨が降るとの事だったので、私達も下山する事にした。

下山時にもロープ部分で 『ヒゴイカリソウ』 を探したが、とうとう見付ける事は出来なかった。 時期的に少し遅かったのだろうか?、大変残念だった。(涙)

下の花達はロープ部分を登下山する時に撮った写真である。

スミレ
スミレ
ワダソウ?

コバイモの仲間?
ナットウダイ?
ヒトリシズカの蕾










 この花は 『ヤマウツボ』 だと思うが、この花はロープの中ではなく、山頂近くの階段部分にあった。

 花の色が土や枯葉等の色に少し似ていてあまり目立たないので、恐らく誰かに踏み潰される運命にあるのでは?と思った。










先程、山頂部で小さな雨が一粒落ちて来たと述べたが、その後も時々ポツリ!ポツリ!と降る雨粒を腕等で感じていた。

二人とも雨具はザックの中に入れていたが、雨具を着るのは面倒臭いので、本格的な雨になる前に下山してしまおう!と云う事になった。

それで、ロープ場を過ぎた所からは二人ともかなりの早足で下り始めた。






 この写真は登る時にも紹介した 『天主の舞台』 である。

 登る時の写真と見比べて貰うと直ぐ分かると思うが、左の樹の枝先に椿の花がある。








 その後の登山道にも写真のように、枯れ枝等に椿の花が突き刺してあった。 登る時には無かったので、

 先程の御夫婦が刺されたのだと思う。  私はこのような 『遊び心』 は大好きなので、

 先程の御夫婦は中々ユーモアセンスの有る方達だな〜!と思いながら下りていた。

 そんな下山中にはフクロウかミミズク?の低い鳴き声や、キツツキかクマゲラ?が樹を叩く音も聞こえて来た。

 それらの鳥の声は他の山ではあまり聞かないので、やはりこの辺りは山深いのだろうな〜!と思った。

 その後、雨は少しずつ強くなっていたが、その雨は頭上の葉っぱに遮られて、私達にまで届く事はなかった。

 登山口に近い所で、登ってみえる私達より少し年配の御夫婦と、中年の男性二人組みに擦れ違った。








 この写真の場所は登る時には暗くて良く写らなかった、林道からの登山口である。

 下りているのはオバさんだが、写真のように最初からロープを握って登るような急登である。













 この写真は駐車場から上掲の登山口に向かう林道である。

 駐車場からは200m前後?の距離である。








 駐車場に着いた時刻は9時15分だった。

 いつもはこれより遅い時刻から登山を開始する事が多いので、

 こんなに早い時刻に下山して来たのは私達は初めてだった。

 山頂を7時55分に出発したので、何と!、1時間20分で下山していた。

 駐車場には新しく2台の車が駐車していた。

 先程、下山する時に擦れ違った方達だと思うが、福岡と北九州ナンバーだった。

 結局、今日この天主山に登ったのは全員、福岡県在住の人達(8人)のようだった。




今日の山歩きをまとめると、

         登りが、  駐車場(5:25)〜5分〜林道登山口(5:30)〜1時間5分〜天主の舞台(6:35)〜1時間10分〜山頂(7:45)で、合計2時間20分

         下りが、  山頂(7:55)〜40分〜天主の舞台(8:35)〜35分〜林道登山口(9:10)〜5分〜駐車場(9:15)       で、合計1時間20分

         万歩計は14489だった。





今回の私達の遠征登山は、これで予定通りに全て終了したので、1時間近く掛けて荷物を整理し車内を清掃した。

それらの作業が終わり、帰り始める頃には雨の強さは間欠ワイパーを使う程になっていた。

私達のその後の予定は自宅に帰るだけであり、時間がたっぷり余っているので、その後は色々な所に立ち寄って帰った。

下の写真は昨日の山行紀(上福根山)でも紹介した、『鮎の瀬大橋』 である。

そこを通る時に下の方を見ると、右写真のように樹木等から水蒸気が立ち昇り、墨絵のように綺麗だったので写真に撮った。


その後は、今迄に通った事の無い道を通ってみよう!と思い、道路標識を見ながら適当に走って行った。

そして泗水町の道の駅に寄って買い物をし、そこに隣接する孔子公園を見学した。



その後は、行き掛けにも寄った道の駅・メロンドームの食堂で昼食を食べ、食後のデザートとして直ぐ横のメロン販売所で、また試食品を食べた。

そのメロンドームでは往路にも試食品を食べていたので、少し悪いと思い1個だけメロンを買った。

結構良い値段だったが、行きと帰りに2回試食していたので、それを合計すると二人でメロン半分近く食べていたのではないか?思う。

それで、その分を入れるとメロンの単価はかなり安くなっているだろう。(笑)



メロンドームを出て暫らくするとオバさんは、お腹が一杯になったのと昨夜熟睡していないせいなのか?、助手席でコックリ!コックリ!し始めた。

それを見ると私も眠くなって来た。

それで、これはイカン!と思い、今度は道の駅・鹿北に寄り、二人とも車内で1時間近く寝た。

目覚めてからはその道の駅で、今晩食べる私の好きなゴーヤと筍と八朔を買った。



自宅に帰り着いたのは18時位だったと思う。 走行距離を見ると3日間で約400kmだった。

帰ると私は直ぐ 『上福根山』 の下山時に採ったネマガリタケ(左写真)を剥いた。(中写真)

ネマガリタケは酢味噌で食べると美味しく、酒の肴にもなる。




当夜は上の右写真のように茹でたネマガリタケを酒の肴にして、オバさんと乾杯した事は言うまでもないだろう!

inserted by FC2 system