黒 岳
(じろそキャンプ場〜前岳〜高塚山〜天狗岩〜風穴〜雨堤〜じろそキャンプ場)

 


2006年10月29日(日曜)  晴れ  微風


今日は九重連山の一角にあり、私の好きな 『黒岳』 に行く事にした。

先週(22日)も行こうかな?と思ったのだが、その時のウェブサイト情報では 『まだ早い!』 との事だったので違う山(扇ヶ鼻〜星生山)に行った。

しかし、その数日後のウェブサイト情報では 『 黒岳山頂部の紅葉はもうピークを過ぎた!』 との情報に変わった。 私はそれを読んだ時に 『ムッ!』 と来た。

それで色々なURLを見ていると、『ここ数日はまだ大丈夫!』 とか 『黒岳の紅葉はここ数年では最高で、今年見ないと後悔する!』 等の刺激的な情報もあり、

黒岳に行く事にしたのである。



私達は黒岳には何度も登っている。 しかし、何時も 『男池=おいけ』 からだったので、今回は違ったルートで登ろうと思っていた。

九州・山口の山を専門に紹介する雑誌で 『Green Walk』 と云う季刊誌がある。 私は毎号それを購読している。

その秋の最新刊(20号)で 『黒岳と大船山』 の紅葉特集が載った。

それを見ると私達がまだ登っていない 『前岳』 を経て 『高塚山』 に登るルートが紹介されており、大変魅力的だった。








 この地図はその紹介記事に付記されていたものである。


 紹介記事では赤い矢印の方向への周回だが、私達はこれとは逆に歩いた。


 この地図上の地名と、この山行紀での掲載写真の関係を示すと


   (地図上の地名)    (掲載写真)

      黒嶽荘    ・・・  分岐1

      白水分れ   ・・・  分岐2

      天狗分れ   ・・・  分岐3

      風穴      ・・・  分岐4

      米窪分岐   ・・・  分岐5

      分岐      ・・・  分岐6

      かわらもと  ・・・  分岐7 (尚、”かわらもと” は ”カツラノモト” だと思う)










その紹介記事を読むと、そのコースはかなりハード(標高差=約870m、全行程の所要時間=6時間40分)だった。

しかし、その記事を書いた人は

                   1.私達より体力の有る若い男性で健脚の方の所要時間であろうし、

                   2.休憩時間や昼食時間は入っていないのでは?と思えたし、

                   3.私達はその紹介ルートには無い 『天狗岩』 へも登る積もりだったし、

                   4.私達は初めてのコースなのでルート確認等の時間も必要である。

そう考慮して、少しの余裕時間を加味し、『私達の総所要時間=9時間』 と算出した。



そして、その総所要時間を基に時間の逆算を始めた。

                   1.現在の日没時間を考えると、遅くとも夕方5時までには下山したい。

                   2.そうなると朝8時には登山開始しなくてはいけない。

                   3.自宅から登山口までの所要時間は、今までの記録を見ると平均で約2時間半ほど掛かっている。

                   4.それならば自宅は遅くとも5時半には出発しなくてはいけないので、5時には起床したい。

                   5.私は最低でも7時間の睡眠時間が無いと辛いので、前夜は遅くとも10時には寝なければならない。

そんな事を最近は大分錆び付き掛かっている脳ミソをフル回転し、ソロバンや電卓等も駆使して考えたので、私は最後の方では少し頭が痛くなり目まいもして来た。(笑)



しかし何とか頑張ってその複雑な計算を成し遂げたので、前夜は晩酌の量も少なくして9時半に寝た。

睡眠時間が少なくて良いオバさんは11時頃に寝たらしい。(私が運転している横で居眠りしている事も多いので、最終的には結構寝ているのでは?と思うけどネ!)

一応、5時に目覚まし時計をセットしていたのだが、私は4時半に目覚めた。

歳を取ると自然に早く目覚めると聞く。 しかし、私は平常はそんな事は全く無い。

私が知っている ○○○さん達 (特に名を秘す・・・決して、Cさんとか、Hさんとか、Sさん達の事ではない・・・爆) は、歳の為に自然と早く目覚めるらしいが、

今朝私が早く目覚めたのは上記の○○○さん達のように歳の勢では決して無く、気合いが入っていたので早起きしたのである。(念の為)



隣を見るとオバさんはまだグッスリ寝ていた。 それで枕を蹴飛ばして起こしてあげた。

そう云う事で予定より15分も早い、5時15分に自宅を出発する事が出来た。



 自宅を出発した時はまだ真っ暗だったが、玖珠町付近で6時半になり夜が明け始めた。

 写真の山は玖珠町にある 『伐株山=きりかぶやま=690m』 で、

 実際に見ると大きな木を切った後の切り株にソックリで、その山にまつわる伝説もある。

 尚、この山頂にはハングライダーとパラグライダーの発進基地があり、

 日中にこの付近を通ると、、それらが飛んでいるのを良く見掛ける。






 この写真は 『じろそキャンプ場』 の横にある駐車場である。

 ここへの到着時間は7時25分で、自宅から約110kmを2時間10分掛かっていた。

 ここに到着する少し前に 『男池=おいけ』 登山口の駐車場横を通ったが、もう空きスペースは少なかった。

 ここの駐車場にも十数台が既に駐車していた。

 この先にある 『黒嶽荘』 の横にも駐車場はある事は知っていたが

 この駐車場がこのような状態ならばそこは既に満車だろうと思い、この場所に駐車した。




そして急いで身支度をして10分後にはそこを出発した。

しかし、5分ほど歩いたところで防虫スプレーを忘れている事に気付き、車に引き返す事にした。

先週の登山(扇ヶ鼻〜星生山)で二人とも足をダニ?から喰われて、私達は前日まで痒かった。

それで今回は念の為にスパッツを着けていたのだが、防虫スプレーも大変効き目が有るとの事だったのでそれも準備していた。

しかしそれを車の中に忘れている事を思い出し、まだ5分位しか歩いていなかったので、それを取りに帰ったのである。

取りに帰る途中で、登って来る大勢の登山者に出会った。 その方達からは 『もう下山してきたのですか?、早いですねー!』 と、何人からも尋ねられた。

その都度、『違います!、違います!、忘れ物を取りに帰っている処です!』 と笑いながら返事すると、向こうもワハハーと笑ってあった。

そう云う事で10分ほど時間をロスし、2度目に車を出発した時刻は7時45分だった。





 この写真は車から10分弱歩いた所にある 『黒嶽荘』 の入り口である。

 その 『黒嶽荘』 の前や横にも駐車場があり、既に20台近い車が駐車していたがまだ少し空きスペースがあり、

 それを見て私は少しガックリ!来た。







              分岐1
  『黒嶽荘』 の前を少し進むと写真のように道が2つに分かれている。 写真で左側に 『雨堤』 の白い看板がある。

 そちらが 『雨堤』 を通り、『風穴』 を経由して 『高塚山』 に登る道である。

 右側にゲートが少し見えているが、その下を通る道が 『前岳』 を経由して 『高塚山』 に登る道である。

 後から 『高塚山』 の近くで出会った人は 『前岳』 経由で登ろうと思っていたが、この最初の登山口で間違って

 『雨堤』 の方に進み、途中で引き返したので30分ほど時間をロスしましたー!と言ってあった。

 私達はどちらのルートで登ろうかなーと前日に話し合っていたが、元気で気合いの入っている朝の内に

 急激なアップダウンの多い 『前岳ルート』 の方を登る事にしていた。







 この写真は上のゲートを歩き始めて5分足らずの所にある道標だが、『前岳へ1600m』 と書いてある。

 ゲートから少しの間は植林を見掛けたが、この付近からは 『黒岳』 の素晴らしい原生林ばかりになる。














 上掲写真から10分ほど歩くと今度は写真のように 『前岳へ1400m』 の道標があった。

 どうやら今後もこのような道標があるようなので、これからも道標を見掛けたら写真に撮ろうと思った。








              分岐2





 上掲写真から約15分ほど歩くと今度は写真のような分岐標識が現われた。

 『白泉荘』 からの道とここで合流するようである。













 次に見掛けた標識は距離標識ではなく、標高を表す標識だった。

 この地点の標高がが950mならば、前岳まであと400m近い高さを登らなくてはいけない事が分かった。








この付近では下写真のような花や実を所々で見掛けた。

白色のヤマシロギク
薄紫色のヤマシロギク?
綺麗だったミヤマシキミの実






 その付近では木々の間から写真のような山が直ぐ右横に見えていたが、地図で見ると

 『立石山=1070m』、『ながみぞ山=1310m』、『ふきくさ山=1309m』 等のような気がするが、自信は無い。








その後しばらくの間は道標を見掛け無かったが、次に現われたのは写真のように 『前岳へ900m』 と 『800m』 の標識だった。

前岳へ900m
前岳へ800m




 上掲写真付近も今まで同様に大小の岩と樹の根ばかりだった。

 『800m』 から2分ほど歩いたら、展望の良い大きな露岩(これが”仙人岩”と呼ばれる岩だろうか?)に出た。

 写真で近くにある山が、先程見えていた 『立石山』、『ながみぞ山』、『ふきくさ山』 辺りで

 遠くに見える山が 『花牟礼=はなむれやま=1170m』 ではないか?と思ったが、自信は無い。






次に現われた道標は、写真のように 『前岳へ700m』 と 『500m』 だった。

尚、『500m』 付近の登山道脇では写真のように 『ツクシシャクナゲ』 の樹を多く見掛けた。

この 『前岳』 は 『ツクシシャクナゲ』 の名所でも知られており、毎年4月29日の 『黒岳山開き=しゃくなげ祭り』 の頃はシャクナゲが満開である。

前岳へ700m
前岳へ500m

その次に現われた標識は 『400m』 と 『300m』 だった。

前岳へ400m
前岳へ300m






 『300m』 標識から5分ほど歩くと、前方には 『荒神森』 と呼ばれる森が見えて来たが、

 目の前には写真のように綺麗な色の紅葉があった。














 上掲写真から数十m歩いた所に、写真のような 『200m』 の標識があった。














 これまでの登山道も大小の岩ばかりの急登が多く、4本の手足を総動員して登っていたが、

 上掲写真から少し進んだ所には写真のようにロープ場があった。

 それから、私はこの付近で着地した時に運悪く浮石を踏み、それがグラリとした拍子に左足首を少し捻挫した。

 オバさんも今日は膝の調子が少し悪いらしい。













 この標識は写真のように割れていたが 『前岳へ100m』 の標識である。

 尚、この地点の標高は1300mで、前岳の山頂まではあと34mの高さである事が分った。








下の左写真が 『前岳=1334m』 の山頂標識で、ここに着いたのは9時45分だった。 登り始めてからこの 『前岳』 の山頂まで、ちょうど2時間掛かっていた。

この山頂には10人近い登山者が休んだり、風景写真を撮っていた。

下の右写真は山頂から撮った風景写真だが、ちょうどガスが掛かり始めたので少し霞んで写っている。

前岳の山頂標識
前岳山頂からの景色

この山頂では上の写真を2枚撮っただけで、先程少し痛めた左足首にエアーサロンパスを吹き掛けて手当てをした。 少し痛みが和らいだ。

そんな事で、この前岳山頂で私達は初めて15分ほど休憩した。







 前岳山頂からは、岩だらけの急激な下りになった。

 山頂から5分弱下りた所には写真のように 『高塚へ1800m』 との道標があった。

 今度は 『高塚山』 までの残距離の道標が現われるようである。












 上掲写真から15分弱歩くと、写真のような標識のある鞍部に着いた。 これから先はまた急激な登りになる。

 尚、10年ほど前に発行された本の地図によると、この付近から? 『高塚山』 に登らずに 『雨堤』 に抜ける

 エスケープルートが有るようになっていたので、注意して見ていたのだが、そんな分岐標識等には気付かなかった。

 今はそのルートは使われていないのだろうか?






次に現われた道標は下写真のような 『高塚へ1400m』 と 『1200m』 だった。

高塚へ1400m
高塚へ1200m








 この写真はその後に出て来た急登を下から写したものだが、

 ロープ等は無かったので、写真のようにかなりの急登を四つん這いのような状態で樹の根や枝を掴んで登って行った。














 この写真は上掲の急登を上り切った所で後ろを見たら、

 先程通って来た 『前岳』 が見えていたので写したものである。

 尚、その後方の山は先程紹介した 『立石山』 等だろう。







その後もかなりの急登を経て、『前岳』 から4回のアップダウンを繰り返すと、割りと平坦な岩場のピークに出た。

そこが 『上台=うわだい』 と呼ばれる場所らしく、展望が良かった。 そこで風景写真を撮っていると反対方向からも登山者が来た。

その方達に聞くとこの 『上台』 が1番展望が良く、このような展望と紅葉の場所はこの先にはもうありませんよ!と言われる。

その言葉を聞いて、私はそれならば!と、その付近の岩の上からパチリ!パチリ!と色々な方向の風景写真を撮ったが、後で見るとあまり良く撮れていなかった。

それは光線の具合(雲の影等)により、色彩が鮮明に写っていなかっただけで、別に私の腕やデジカメが悪い訳では無いと思う。(念の為)

西方向の平治岳、奥は三俣山
南方向で、尖った山は 『天狗岩』 との事だった

次に現われた道標は下写真のような 『高塚へ700m』 、『600m』 、『500m』 だった。

『上台』 以降も小さなアップダウンは数回あったが、この間に急激な登りがあったのかどうか?・・・、あれから数日経ってからこの文を書いている今ではアルツハイマーの影響で?

良く思い出せない。(笑)

高塚へ700m
高塚へ600m
高塚へ500m

次に現われた道標は下写真のような 『高塚へ400m』 と 『300m』 だった。

高塚へ400m
高塚へ300m







 次に現われたのは距離標識では無く、お馴染み、『福岡かんだ猿』 の 『ガンバレ!!、山頂まで10分』 だった。









            高塚へ100m






 次の標識は写真のように台風で?粉々に壊れていて数字部分が無かったが、多分 『100m』 の標識だと思う。









下の左写真は 『高塚山』 の山頂標識である。 ここへの到着時刻は12時5分で、車を出発してから4時間20分掛かっていた。 

ちょうどお昼に到着したので山頂部は大変な事になっていた。 狭い山頂部やその少し下の傾斜部にも沢山の登山者が座って昼食中だった。

恐らくこの時はこの山頂部には百数十人の登山者が居たのではなかろうか?

そして登山者はまだ次々とこの山頂に登って来て、この山頂標識と記念撮影をするので、この標識は一時順番待ちの状態になった。

尚、下写真で中と右はこの山頂部から写した景色である。

この山頂に登る途中で出会った方達から 『高塚山頂部の紅葉はもう終わっています!』 と、数人から聞いていたので落胆はしなかったのだが、

写真のように紅葉のピークは既に過ぎていた。

高塚山の山頂標識
西方向で左から北大船山、三俣山、平治岳
南東方向の天狗岩

              分岐3


 前述のように 『高塚山』 の山頂部は凄い事になっていたので、私達は 『天狗岩』 に行く事にした。

 それで 『高塚山』 の山頂部には5分ほど居ただけで 『天狗岩』 に向かった。

 しかし、『天狗岩』 にもかなりの登山者が居る事は 『高塚山』 の山頂部からも見えていた。

 この写真は 『天狗別れ』 と呼ばれている場所だが、『高塚山』 の山頂から約10分掛かっていた。

 この標識の前にちょとした広場があるが、その場所にも50人前後?の登山者が食事中だった。





私達は 『天狗岩』 に登ったらまた引き返して来て、この付近のどこかで昼食の予定にしていたので、ザックとストックを途中の岩陰にデポして空身で登る事にした。

『天狗岩』 には去年も登っているので状況は分かっていたが、登山道は大きな岩ばかりで対向者と擦れ違えるような場所は少ない。

『天狗岩』 から下りて来る人も結構多かったので 『天狗別れ』 から 『天狗岩』 までは20分強も掛かった。




 この写真が 『天狗岩』 の山頂である。

 直ぐ後方の山が 『高塚山』 で、その左後方の山は 『平治岳』 である。

 この岩ばかりの狭い山頂部にも50人前後?の登山者がいて昼食中の人や、

 この岩の上に乗って記念撮影する人も多かった。






下の3枚の写真はこの山頂部から写したものだが、どの方向の紅葉も私は綺麗とは思わなかった。

左は 『大船山』 の南西斜面だが、麓の方の紅葉も写真のようにあまり綺麗ではなかった。

今年の九州北部〜中部は9月中旬から1ヶ月以上の期間、ほとんど雨が降らなかった。

その影響かどうか?知らないが、どの色にも鮮明さが無かった。 どの色も少しくすんでいて、特に赤色には少し黒色が混じったような感じだった。

少雨の影響で葉に水分が足りないのだろうか? それとも今年はそんな少雨の関係で紅葉をせずにもう枯れ掛かっているのだろうか?

南西方向の大船山
南東方向で彼方に薄く祖母山・傾山
北東方向で彼方に由布岳・鶴見岳、下方は荒神森

『天狗岩』 では山頂部で景色を眺め、上掲のような風景写真を数枚撮ったら私達は下りる事にした。

しかし、下りる時は登る時よりも大変な事になっていた。 登って来る人達が多いのである。

前述のように 『天狗岩』 へ登る道は大きな岩が多く、擦れ違いが出来る場所は少ないので、数ヶ所で混雑していた。

その様子は、迷子までは出ていなかったが、警官が出て交通整理をするか、下りた人数分しか登れないような登頂制限をしても良い程だった。(笑)

岩陰にデポしていたザック等を回収して私達は昼食を食べる場所を探した。 ここでデポの事で思い出した事があるので、少し書いてみたい。


 これは久住山で実際に目撃した事である。

 少し前の事だが、久住山に家族で登った時に山頂部は登山者が多かったので、昼食を食べる場所を探している時に見た事である。

 単独の中年男性だったが、ブツブツ言いながら風で付近に散乱した物をザックに回収しているところに私達が通り掛かった。

 何だか様子がおかしいので、どうしたのですか?と尋ねてみた。

 そうしたら、その方は久住山に登った後にザック等を岩陰に隠し、空身でその付近を散策して来たそうである。

 1時間程してザックに戻ったらザックが荒らされ、中に分散して仕舞っていたお金等が無くなっている!との事だった。

 その方は関東の方で日本百名山の完登を目指している事だったが、このように日本百名に入るような人気山には

 全国から登山者が来るので、それを狙っている不届き者がいるようである。 ですから、皆様方も十分注意されて下さい。





 それからこれも少し前の事だが、実際に私達が体験した事である。

 5〜6年前に人気の 『霧立越』 を山小屋で1泊しながら家族で往復した事があった。

 その時にその 『霧立越』 から少し入った所にある 『白岩山』 を往復して来ようと思った。

 その時、その分岐点で4〜5人の男性が昼食中だった

 それでそこにザックを置いて空身で行こうと思い、『ここにザックを置いていきますので、よろしくお願いします!』 と

 その方達に声を掛けた。




そうしたらその方達は、『山に登る人に悪人はいないから大丈夫ですよ!』 と笑いながら答えてくれたので 安心して登りに行った。

それで、20分程?で往復して戻って来たらその人達はいなかった。 しかし、ザックは無事にあった。

その後歩いていたらその人達が登山道から少し入った所にいた。 そしてカセットテープをスピーカーに接続して、そこから大きな音で小鳥の鳴き声を出していた。

そのグループはオオルリのメスの鳴き声をスピーカーから流してオスをおびき寄せて捕まえると云う、法律で禁止されている密猟をしていたのである。

先程は 『山に登る人に悪人はいないから・・・』 等と言いながら、実際はその人達は悪い人達だったのである。

以前は 『山好きな人に悪人はいない!』 と云う言葉があった。 しかし昨今のようにこれだけ山に登る人が多くなると、『街中と同じ!』 と考えなくてはいけないようで、

『山好きな人に悪人はいない!』 の言葉は既に死語になったようである。 まったく世知辛い世の中になったものである。(悲)



それからザック等をデポする場合は、人間以外にも動物等の事も考慮に入れた方が良いと思います。

ザックの中に食べ物があると、その匂いから動物等に荒らされる恐れがあるので、人目に付かずに動物が届かないような高さの樹の枝等にブラ提げた方が良いと思う。

それ以外にも、ずる賢いカラスはくちばしでザックのファスナーを開け、中身を漁って持って行くとの事ですので、カラス対策も考慮に入れなくてはいけないようです。



 おっと!脱線したので、話を当日に戻す。

 私達は昼食を食べる場所を探して歩いていたが、先程の 『天狗分かれ』 はまだ満員だったので

 その先の樹の下に小さな平地を見付け、そこに傘シートを敷いて弁当を食べる事にした。

 時刻を見ると13時15分になっていた。 今日は帰路もかなり時間が掛かる予想だったので、

 予定では遅くとも13時半には下山を開始しなければいけない!と思っていた。

 時間は15分しか無かったのでお湯を沸かす時間も無く、麦茶を飲みながら弁当を食べた。

 弁当を食べた所からは写真のように 『高塚山』 の山頂が見えていた。



それから弁当を食べている時に何処からか笛の音が聞こえて来た。

曲目は 『モミジ』、『赤トンボ』、『知床旅情』 等だった。 私は音楽好きなので、それらの曲を弁当を食べながら楽しんで聴いていた。

しかし、このような自然の中で人工音を聞かされるのを嫌がる人もいるので、音楽の演奏は賛否両論に分かれるところだろう。





 今日は食後のコーヒーも飲まずに15分で慌ただしく昼食を済まし、何とか予定の下限である13時半には下山を開始した。

 『風穴』 に下りる登山道も下山者が多かった。

 写真は風穴に下りる途中で、誰もが嫌がるガレ場である。

 前回ここを下山中に私は何度もコケた事を思い出し、今回は慎重に下りたので1度もコケなかった。

 しかし私の前を行く女性は何度もコケて、尻餅を着く度に嬌声を上げていた。(笑)












 この写真は 『風穴』 に下りる途中で見掛けた綺麗な紅葉と 『大船山』 である。

 このような場所は下りる途中に数ヶ所あり、そこには三脚を構えたカメラマンもいた。








              分岐4


 『風穴』 に着く少し前からザワ付いた音が聞こえていた。

 そのザワ付いた音は夕暮れに街路樹に大集団を成して集まるスズメたちのザワツキに良く似ていた。

 何の音だろう?と思っていたが、それは 『風穴』 で休憩している団体だった。

 ツアー登山のようだったが100人前後?いたようである。

 人員の点呼等があっていたが、暫らくすると 『男池=おいけ』 の方に歩いて行き、後はとても静かになった。





私はガレ場を下りる時等に少し捻挫している左足首をかばって歩いていたので、途中から両足の大腿部も少し痛くなり始めていた。

それで 『風穴』 に着いたら、そこにもエアーサロンパスを吹き付けたりして手当てをしていた。

しかし今日の行程は大体の目安も付いたようだったので、今日は食後のコーヒーも飲んで無い事を思い出し、この 『風穴』 でコーヒーブレイクにする事にした。

オバさんがお湯を沸かしている間に私は 『風穴』 を覗いて見る事にした。

『風穴』 は何度も穴の上から覗いた事はあったが、中に入った事は無かったので私は初めて入ってみた。

中は真っ暗だったが適当に構えてシャッターを押したら、勝手にフラッシュが発光して中写真のようにちゃんと写っていた。(安かったけど中々性能の良いデジカメである)

下の右写真は去年の4月29日に写した 『風穴』 の入り口の様子である。 入り口付近も写真のように凍結していて、内部には数十cmの長さのツララがあるそうだ。

風穴の入り口
風穴の中
去年の4月29日の様子

               分岐5




 『風穴』 で約20ほど休憩してから帰路に着いた。

 写真の分岐標識は 『風穴』 を出発して5分弱で現われた、『大船山』 との分岐点である。

 この分岐では 『じろそキャンプ場』 へは 『岳麓寺』 の方向に進まなくてはいけない。







              分岐6


 上掲写真から3分も歩かない内にまた写真のような分岐標識が現われた。

 この分岐では 『じろそキャンプ場』 へは 『岳麓寺』 の方向ではなく、『上峠』 の方向に進まなくてはいけない。

 ここで写真を撮っているところに 『岳麓寺』 の方向から5〜6人のグループが溜め息を付きながら登ってみえた。

 その方達は 『じろそキャンプ場』 に帰るのに、この分岐点で勘違いして 『岳麓寺』 の方に進んでしまい、

 かなり下りた所で間違いに気付いて引き返して来た!との事だった。





 『上峠』 への道は写真のように細く、また岩部も多くてかなり歩き難く、道も分かり辛い。

 所々に赤テープ等の目印はあるのだが、私達でもどっちかな?と迷う所が何ヶ所もあった。

 まだ明るかったので正しい道は直ぐ分かったのだが、暗くなればかなり山慣れた人でも

 ヘッドランプの明かりだけでは迷いそうな道だった。 この道を歩く時は十分な装備が必要だろう。

 特に上掲写真から1時間位は道が悪くて分かり辛かった。

 それからこの道は下りが多いだろうと思っていたのだが、結構アップダウンがあった。

 しかし、『前岳〜高塚山』 のような急激なアップダウンは無かった。



 『雨堤』 に下り始めて最初の1時間位は道を見失わない方に気を使い、また捻挫した左足首が少し痛んで来たので

 周りの景色等を眺める余裕はあまり無かった。 このコースを紹介してある 『Green Walk』 の紹介記事にも

 書いてあるように、このコースはどちらのルートを登りに使うか迷うところである。

 私達は元気で気合いが入っている朝の内にアップダウンの激しい 『前岳〜高塚山』 を登ろうと思ったのだが、

 もう1つの理由は最近オバさんの膝の調子が少し悪いので、膝に多く負担の掛かる急激な下りを避ける為に

 『雨堤ルート』 を帰路に使ったのである。 しかしその判断は捻挫した私の為にも良かったようだった。

 1時間位して、下りになった辺りから少し周りを見る余裕も出て来たが、その付近の紅葉は写真のように綺麗だった。





 その辺りで地元の女性で (お姉さん) と (おばさん) を足して2で割ったような年齢の3人連れの女性と一緒になり、

 時々その女性達と会話しながら歩いていた。

 その方達は車2台で来て、1台の車を 『男池』 に置いてから 『黒嶽荘』 から登ったとの事だった。

 しかし、登山者が多いと分かっているので 『高塚山』 や 『天狗岩』 等には寄らずに麓部分の紅葉を見ながら

 歩いて来たとの事で、その方達はこのくじゅう連山を良く歩かれている様子だった。





              分岐7





 この写真は 『風穴』 を出発して約2時間で到着した、『カツラノモト』 と呼ばれる場所である。

 この標識を見ると、ここから 『上峠』 に行く道があるようだ。













 上掲の 『カツラノモト』 辺りから登山道は広くなってなだらかになった。

 そしてその付近の登山道には写真のように、かなり大きな山栗の殻が沢山落ちていた。








今回の山行ではほとんど花は見掛けなかった。 登る時もそうだったが、標高の高い所ではまったく花は見掛け無かった。

下りる時もこの付近まで来てから、ようやく下写真のような花や実を見掛けるようになった。

シラネセンキュウ
モミジハグマ?
ガマズミの実

              分岐1



 そして 『天狗別れ』 を出発してから約3時間で 『黒嶽荘』 前の登山口に着いた。

 風穴からの下山途中でも左足首やそれをかばっていた右脚等にも痛みが出たが、

 その都度エアーサロンパスを吹き掛けたので、その者達は何とか我慢してここまで持ち堪えてくれた。

 良く頑張ってくれたそれらの者達にはご褒美として、今晩は何時もより多くのエネルギーを与えようと思った。(笑)







 上掲写真の前に 『黒嶽荘』 の水場がある。

 そこには炭酸水が写真のように何本もの蛇口から出ていた。

 今日は暖かくて歩く時間も長かったので私は約1.5リットルの麦茶等を飲み、帰路の途中で無くなってしまった。

 それで私はこの炭酸水をゴクゴク飲んだ。 とても美味しかった!

 先週の山歩きでは風が冷たくて麦茶は250cc位しか飲まなかったのだが、

 同じ季節なのに気温や風の有無でこんなに水分摂取量が違うので少し驚いた。







 じろそキャンプ場の駐車場に帰り着いた時には、まだ十台近い車が駐車していた。

 時刻は16時45分だった。 朝は7時45分に出発していたので、ちょうど9時間の山歩きだった。

 その所要時間は前夜に私が予想した時間にピッタリだったので少し気分が良かった。

 朝、駐車する時にも気付いていたが、駐車した付近には写真のような花が咲いていた。 しかし名前は分らない。






結局、今日の山歩きでは期待していたような紅葉は見る事は出来ずに残念だった。

今日出会った方達と会話した限りでは、今年のくじゅう連山の紅葉では 『大船山の御池=おいけ』 と 『三俣山の大鍋・小鍋』 が双璧だろう!との声が多かった。

今年、私はそのどちらの紅葉とも見る機会が無くて、大変残念に思っている。



今日の山行をまとめると、

            (じろそキャンプ場)〜40分〜(白水分かれ)〜1時間25分〜(前岳山頂:休憩=15分)〜2時間5分〜(高塚山山頂)〜15分〜(天狗分れ)〜

                          20分〜(天狗岩)〜30分〜(天狗分れ:昼食15分)〜35分〜(風穴:休憩=20分)〜2時間20分〜(じろそキャンプ場)

             総所要時間(今回は昼食時間や休憩時間も含む)はちょうど9時間だった。

             万歩計は25460だったが、途中でベルトから外れていたのでもう少し多いのかも?知れない。








 自宅に帰る途中で写真のような夕焼けになったが、

 正面の空の下には 『湧蓋山=わいたざん=1500m』 がその端正な山容のシルエットを見せていた。








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