屏 山 (927m)


2005年1月30日


今日は古処山方面に行く事にした。

家を出る時は八丁峠から古処山に登り、私達の好きな屏山への縦走路を歩く積もりでいた。

しかし何時もの様にそこに到着する迄の車中でのサミット会議で、今までに登っていない登山口から登ろう!と言う事に決定した。

それで良く行く八丁峠を通り越し、林道・南嘉穂線に入り込む。



この南嘉穂線は、子供が小学生の頃までこの奥にある宮小路にナシとリンゴ狩りに毎年来ていたので良く知っている。

そしてその沿線に有る馬見山キャンプ場から馬見山へは以前登った事は有るが、その途中に有る登山口からはまだ登った事が無かった。

それでその登山口から宇土浦越に登り、まだ歩いたことの無い 『宇土浦越〜屏山』 間の縦走路を歩いてみようと言う事になったのである。

その区間を歩けば 『古処山〜屏山〜馬見山』 の縦走路は全部歩いた事になる。

何時かはその区間を歩かなくてはいけない!と思っていたので、思い立ったが吉日で今日決行する事にした。



今日も家を出るのが遅かったので、その登山口を歩き始めた時は11時20分になっていた。

標識前(下・左写真)の路肩に駐車して上に続く舗装道を歩き始めたが、そこから300m程歩いた所に下・右写真の様な標識が立っていた。

その標識の前には駐車場があり、そこには10台近く駐車出来そうである。 その標識から登山道に入り込んだ。

林道・南嘉穂線にある登山口
左の写真から300m程登った所にある標識


登山道は良く整備されており、宇土浦越に至るまでの杉林は今まで見た中では最高に間伐されていて、下・左写真の様にとても明るい。

その明るい杉林の中の登山道を歩き始めて10分位すると小さな沢が現われ、登山道は2度程その沢を渡渉した。

下・左写真の様に良く整備された杉林の中の登山道を30分位歩くと、左手に最終水場の標識(下・右写真)があった。

その標識から30mほど下りた所に冬場でも凍っていない水場があった。

良く間伐され、明るい杉林の中の登山道
縦走路(宇土浦越)から5分位下りた所に有る水場


その水場から10分も歩かぬ内に縦走路である宇土浦越(下写真の左右)に出た。

ここまでは急坂もほとんど無く、良く整備された登山道で、所要時間は約45分だった。

縦走路(宇土浦越)の風景
宇土浦越に有る案内板


私達は去年(2004年9月20日)、山の反対側(江川ダム方面)からこの宇土浦越に登り、宇土浦越〜馬見山間を歩いている。

今日はそれと反対方向で今までに歩いた事の無い、宇土浦越〜屏山間の縦走路を歩く事にした。

その縦走路を歩き始めると直ぐ下写真(左右)の様なやぶ椿のトンネルの中に入る。

縦走路の両脇は写真の様にやぶ椿が群生しており、その様な風景の中を数百メートル登って行く。

この山の反対斜面である 『古処山〜屏山』 間もこの様なやぶ椿密生地のトンネルの中を歩けるが、こちら側の方がやぶ椿の道は長いかも知れない?

やぶ椿のトンネルを歩ける縦走路
縦走路の両脇はやぶ椿の群生地である


その様な縦走路を20分?ほど歩き、やぶ椿の群生地を抜けると、下・左写真の様に所々に雪が見え始めた。

そして雪は段々多くなり、アイスバーン状態になってきた。(下・右写真)

宇土浦越から20分位で雪が見え始めた
雪は段々多くなってきた


そんな縦走路の両サイドに生えている樹には頂上に至るまで、下写真の様に名札が付けて有る樹が所々にあった。

しかしその中には、紐が切れて名札が樹から落ちていたり、ブリキ板が錆びて字が消え掛かり、良く読めない物が幾つかあった。

   たんなさわふたぎ       りょうぶ           ぶな          ねずみもち          しらき          ねじき

 

     あかがし        うりはだかえで       あおはだ         えごのき         やまぼうし         まゆみ


そんな雑木林の中を写真を撮りながら歩いていると、頂上近くの樹に下・左写真の様に方々の山で良く見掛ける 『福岡かんだ猿』 の標識があった。

『福岡かんだ猿』 の標識は日本各地の山に有るそうで、以前 『山と渓谷』 で話題になっていた記憶がある。

この様な標識で九州で良く見掛けるのは 『頂上まで5分、人吉かめさん』 と 『がんばれ中高年』 の標識であるが、この頃は余り見ない様な気がする。

私達がこの頃遠出しない勢も有るのだろう。

名札や標識のあった付近の積雪は多い所では30cm程あり、それもアイスバーン状態になっていて滑り易く、非常に歩き難い。

しかしもうすぐ山頂なのでアイゼンを着けるのが面倒臭く、一歩一歩に力を入れアイスバーンを踏み潰して歩いて行く。

方々の山で良く見掛ける標識
アイスバーン状態の登山道


山頂には13時20分に着いた。 宇土浦越からの縦走路歩きは1時間10分だった。

山頂には誰もいなかった。 しかし反対方向に新しい足跡が残っていたので、古処山から縦走してきた人達はもう帰ったのだろう。

山頂からの展望は北方向が150度ほど開けている。

眼下には嘉穂町、山田市等の筑豊地方の市街地と、その奥の方には福知山等が見え(下・右写真)、左手には宝満山や三郡山が見えていた。

 

屏山の山頂標識
山頂より北方向の展望


昼食は山頂に一つだけ有るベンチに腰掛けて食べる事にした。 今日の昼食は身体が温まり、私が大好きな 『ダゴ豚汁』 である。

その 『ダゴ豚汁』 を皆さんにお見せしようと鍋の蓋を取って写真撮影しようとしたら、オバさんから 『マッタ!』 が掛かった。

今日は野菜の種類が少し少なくて色合いが悪く 『ごましお家の食事 = 日本の食文化』 を世界の人達に見せる訳にはいかない!との事である。

そう言う事で、オバさんも日本の食文化を担う主婦の一人としてプライドが有るだろう?と思い、蓋を取っての撮影を控えた。

今後オバさんの撮影許可が出た時には 『ごましお家の豪華絢爛食事』 を公開しようと思っていますので、次の機会に 『乞う ご期待!』 です。
                                                                                  たま
しかし味の方は柚子胡椒がピリッ!と効いて身体も温まり、この山行記を読む方達にもご馳走したい程、美味でした。(・・・ゴマスリ!・・・偶にはネッ!!)



今日の山頂はどう言う訳かまったくの無風状態である。 食後のコーヒーを飲みながら二人して景色等を楽しむ。

周りには誰もいないので、私は久しぶりに音楽を楽しむ事にした。 今日の曲 = 冬景色、雪山賛歌、北の国から、冬の稲妻、津軽のふるさと、etc.

山頂に1時間半近くいたがその間誰も来ず、少し寒くなってきたので帰る事にした。

ダゴ豚汁の調理風景
食後のコーヒー風景(デザートは自家製干し柿)


帰り道はアイスバーンで滑る事が分かっている。

アイゼンは持って来ているが、今日は良い機会なので或る実験をしてしてみる事にした。



或る実験とはずっと以前にテレビで紹介していた、靴にストッキングを巻き付ける方法である。

その方法を何時の日にか実験しよう!と以前から思っていたが、先日それを思い出した時にこの冬に実験すべく、オバさんの使い古しのパンストをザックに入れていた。



そのパンストを取り出し、靴に4〜5重巻きにして固く結び、アイスバーンの坂道を恐る恐る歩き始めた。

最初は腰を引きストックを雪に突き刺してから一歩一歩進んでいたが、滑らない。

慣れてきたので普通の歩き方で歩いてみたが、ほとんど滑らずに順調だった。 オバさんも滑らない!と言っている。

それで本当に効き目があるのか?、片方のパンストを外して少し歩いてみるが、そちらの足は滑る。 それで、パンストは確かに効き目が有る事が分かった。

テレビでは縄でも良いとの事だったので、冬季はそれらをザックの中に忍ばせて置く事はお勧めです。 小さくて軽く、かさ張りません。

但し、接地部分がかなり泥まみれに成りますので、外した時にそれを仕舞うビニール袋は必携です。



今日もとうとう誰にも会わずに車まで帰り着き、車にタッチして万歩計を見ると17337で、登りの所要時間は2時間、下りが1時間35分だった。

今日の山歩きでは、以前より少し気になっていた 『古処山〜屏山〜馬見山』 間の未歩行部分を歩き、これで縦走路は全部を歩いた事になった。

そしてテレビで紹介していたストッキングの効き目も分かった。

そう言う事で、今日は胸の片隅に少し引っ掛かっていた物が同時に2つも取れ、スッキリした気持ちになった。

それで今晩の酒は何時にも増して美味く飲めるだろう!、そして今夜は何時にも増して爆睡できるだろう!、と思いながら気分良く帰路に就いた。

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