宝満山(869m)



2005年1月16日


今日は毎年見に行っている 『難所ヶ滝』 を経由して 『宝満山』 に登る事にした。

私達は 『宝満山』 には毎年・各季節毎に登っているが、この時期は宝満山と三郡山のほぼ中間にある 『河原谷=ごうらだに』 の 『難所ヶ滝』 を経由して登る事にしている。



『難所ヶ滝』 は普通良く見る滝のように水が豪快に流れ落ちている訳では無く、平時は雨水が岩肌を滲み落ちる程度なので、直ぐ横を通ってもほとんど気付かない。

しかし積雪期だけはその雪融け水が大きなツララ状に凍って 『氷のカーテン=氷瀑』 に成るのである。

例年はもっと遅い時期に登っていると思っていたが、先日その関係のHPを訪れたらかなり出来ているとの情報で、少し早いのではと思ったが今日行く事にしたのである。



今朝も出発までに色々と雑用が生じ、思ったより自宅を出る時間が遅くなる。

今朝の天気予報では、今日の九州北部は大体曇りで、所により雨か雪との予想であった。

『宝満山』 に近づくと下写真(左右)の様に山頂付近はかなり雪雲が通過しており、頂上付近は雪だなー!と覚悟した。



登山口の 『昭和の森公園』 に着いたのは予定よりも1時間ほど遅れていて、上段の駐車場は満車に近く、既に100台位の車が駐車していた。

急いで身支度を始めたが雪がチラつき始めたので、カイロをポケットに入れた上に足用のカイロを靴下に貼り、その上からもう一枚厚手の靴下を履き、手袋も二重にして寒さに備えた。

私は歩き出せば直ぐ熱くなる体質なので上体の方は化学繊維の肌着とブラウスの2枚だけであるが、

寒がり屋のオバさんはフリースを着た上に雨具まで着込んで丸々と着膨れし、まるでタヌキの置物がザックを担いで歩いている様である。

少し恥ずかしくなった私は 『あの人とは何の関係もありません!』 と言う素振りで少し距離を置いて歩いていたが、オバさんが早足で追い付いて来るので仕方無しに一緒に歩いた。

麓から見た宝満山の山頂風景(1)
麓から見た宝満山の山頂風景(2)


昭和の森からは久しぶり(約1年ぶり)に登るが、歩き始めたら直ぐ工事現場に行き当たり、迂回路歩きになった。

迂回林道を歩き始めると下・左写真の様に大規模な砂防ダムの工事現場があった。

その林道を進んで行くと、歩く部分は綺麗に片付けてあるが道の両サイドには下・右写真の様に去年の台風でと思われる崩壊地が大小10ヶ所位あった。

砂防ダムの工事風景
林道横の崩壊現場(10ヶ所近く有った)


歩き始めて20分もしない内に私は熱くなり途中で少し汗を掻き始めたので、ブラウスの袖や胸のボタンを少しづつ外しながら歩いていた。

林道終点まで40分程掛かったが私はここでブラウスを脱いでザックに仕舞った。 オバさんもフリースを脱いでいた。 前後の登山者もここで1枚脱いでいる。

ここからは岩の多い山道に入る。 まだ雪は積もっていなかったが、下りて来る人達が多くなり、ほとんどの人がアイゼンを手にぶら下げている。

その中の一人の方に今年の氷瀑の出来具合を尋ねた。 そうすると、今年はまぁまぁの出来ですねー!と言う返事だった。

氷瀑に近くになると積雪が少しづつ多くなりそれが凍り付いて少し滑り始めた。

それで今シーズン始めてアイゼンを装着してみたがやはりアイゼンの効き目は絶大だった。



『難所ヶ滝』 は上段と下段の2つの氷瀑が有り、下段の氷瀑は今迄では一番良く出来ている様に感じたが誰もいなかった。(下・左写真)

上段の滝へは急坂部分にロープが張ってあり、登り専用路と下り専用路と別れているが今年はまったく混んでいなかった。

氷瀑シーズンはこの滝だけを見に来る人が大変多いのだが、多くの人達はもう少し後でと思っているのか?、今日は例年に比べて非常に少なかった。

そして上段の氷瀑は一昨年の方が左右の滝同士が連なって横幅が広くなり 『ミニ・ナイアガラの滝』 の様な感じで良く出来ていた記憶が有る。

今年はそれに比べると今一だなーと思った。(下・右写真)  皆、氷瀑との記念撮影や氷瀑の写真を撮っていた。

下段の氷瀑
上段の氷瀑


下の写真は上段の氷瀑を真下から写したものである。

ここで時計は12時25分になっており、歩き始めてから1時間35分が経過していた。

上段の氷瀑のアップ


『難所ヶ滝』 以降の登りは割りと急坂で、凍り付いた岩肌の連続を30分近く登ると縦走路に出た。

その縦走路を左に行けば 『三郡山』 方向で、右に行けば 『宝満山』 である。

縦走路は下・左写真の様に雪が積もっていたが、思っていた程の積雪では無く、せいぜい10cm程度だった。

縦走路の途中で少し入り込んだ所の見晴らし台から1月3日に登った 『大根地山』 が雪雲の隙間から霞んで見えていた。(下・右写真)

縦走路の様子
1月3日に登った大根地山


縦走路と林の間に下写真(左・右)の様に今回も数ヶ所で動物の足跡を見つけたが、足跡にも後から新雪が積もっていて何の足跡か判断出来なかった。

動物の足跡(1)
動物の足跡(2)


縦走路では下山する20〜30人の団体・2組を始めとする多くの人達とすれ違う。

その多くが私達ぐらい前後からかなりの年配者の方達ばかりである。 この様に山では中高年が幅を効かせており、私もその一人として心強く思った。

途中で下・左写真の様に 『仏頂山』 の祠の前を通り、登山の安全を祈る。(お賽銭は無し・・・ゴメンナサイ!)



『宝満山』 の頂上の少し下に有るキャンプ場に着いたのが13時25分で、縦走路の分岐からは35分近く掛かっていた。

キャンプ場に着くと下・右写真の様に20〜30人ほどの団体・2組が帰るところだった。

『宝満山』 は山と渓谷社の 『福岡県の山』 では九州一の登山者数を誇る山と紹介して有る通り、いつ登っても登山者が多いのだが、

今日は日曜日でもあり昼食の時間帯は凄かっただろうなー?と思った。



私達は今朝の出発時間が1時間ほど遅れた為に、皆が昼食を済ませて帰る時間に到着して、ラッキ〜♪と思った。

恐らくこの広場で昼食を取った人達の多くは雪の上にシート等を敷いて昼食を食べた筈である。 それが今は山小屋の周りに有るテーブルもほとんど空いている状態である。

しかし山小屋バルコニーのテーブルへはアイゼンを外してから上がらなくてはならず、面倒臭いので私達は山小屋横のテーブルで昼食を取る事にした。

宝満山への途中にある、仏頂山の祠
キャンプ場に着いた時の様子


一番奥のテーブルが空いており、そこに腰を降ろす。 今日の昼食はオバさんが既に家で一度作ってからタッパーに入れて持って来ている 『豚汁』 である。

それを鍋に移してからメリケン粉を薄く延ばした物を小さく千切って入れ、一緒に温めると出来上がるオバさん得意の 『ダゴ豚汁』 だった。

これは私も大好きで寒い時には身体が温まり、そしてダゴが入っている為に腹持ちも良く、我が家の冬季昼食・定番メニューの一つである。

横の山小屋の中にはまだ団体が大勢いるらしく、宴会して騒いだり笑ったりしている声がずっと聞こえていた。

昼食を食べ終わる少し前から下・右写真の様に雪になってきた。 それで私達は傘を差しながら食べたりコーヒーを飲んだりしていた。

そうすると前を通る何人もの人達が笑いながら 『風流な事をしてますね〜!』 と冷やかしながら通って行く。 私も笑いながら 『相合傘でどうですか〜?』 と挨拶を返す。

しかしコーヒーを飲み終わる頃には雪も酷くなり風も出て来て、風流な事とは言っておられない状態になって来たので帰る事にした。

昼食を食べた場所と山小屋
帰り支度をしているオバさん


帰る途中で久しぶりに山頂に登る事にした。 こちらから山頂に登るには鎖場を3ヶ所通らなくてはいけないので、ザックとストックを岩陰にデポし、空身で行く事にした。

雪が降っているし、こんな時間でもあるので誰もいないだろう?と予想していたが、案の定山頂には誰もいなかった。
       かまど
山頂にある竈門神社の上宮でも又、お賽銭を一円もあげずにお参りしてしまった。(ゴメンナサイ!)

山頂にある、梵字が彫ってある岩
山頂にある、竈門神社の上宮


山頂は風が強くて寒いので、写真撮影とお参りをしたら直ぐに帰る事にした。

山頂に登る時の鎖場

鎖場を下りるオバさん


帰りは 『難所ヶ滝』 経由ではなく、ウサギ道を帰る事にした。 その頃は雪と風がかなり酷くなり、下・左写真の様な状態だった。

しかし時間が遅いので下山まで誰とも会わず、マイペースで歩け気持ちが良かった。

しかし標高が高い内は積雪が多くて何の問題も無かったが、標高が下がるに連れて積雪が少なくなってくると、

アイゼンの刃が泥まみれの枯葉を次々に突き刺し、直ぐに高下駄を履いて歩いている様な状態になって来る。

かといってアイゼンを外せば滑る様な坂道なので、仕方なくアイゼンを付けたまま歩く。 そうすると又直ぐに高下駄を履いた様な状態になる。

大体20〜30歩、歩けば高下駄を履いた状態になるので、その都度二人とも近くの岩や木の根等を蹴ってそれらを取り除くが、中々綺麗には取れない。

アイゼンを外すまでは歩く時間と岩等を蹴っている時間が同じ位であった様に思う。



そんな道中には下・右写真の様な風倒木が有って、迂回路は見当たらず上を跨ぐには高すぎ、下を潜るには低すぎると言った状態である。

二人ともなんとか下を潜って通り過ぎたがザックが木に当たるので、膝を地面に付ける様にして足を屈め、リンボーダンスの様な姿勢で通らなくてはならず

疲れがドッと出た。 コース管理者は早く何とかして欲しい。

下山時の様子
潜って通るのに疲れた風倒木


駐車上に着いた時は下写真の様に電気を点ける様な時間になっており、駐車場には近所の人が犬を散歩に連れて来ている車と私達の車の2台しかなかった。

所要時間は登りが2時間30分、下りが1時間40分で、万歩計は20302だった。

駐車場に着く少し前の状態


車を動かし始めると直ぐ雨がポツリポツリと降り始め、5分も経たない内に本格的な雨になって来た。

それでこの幸運は 『仏頂山』 にある祠と 『宝満山』 の山頂にある竈門神社の上宮にお参りしたお陰である!と私は思った。

そして竈門神社は縁結びだけでは無く、お天気にも効き目が有る事が分かり、感謝の意を込めてその方向に目礼をした。

しかし 『仏頂山』 や 『宝満山』 で一円のお賽銭もあげてない事を思い出し、『今度登った時に今回のお礼も一緒にするからねー!』 と心の中で言った。



しかし私は方々の神社や上宮等にこの様な約束をしている様な気がする。

そんな約束は余りにも数が多過ぎて私はその一つ一つは思い出せないが、向こうが覚えていて何時の日にか神様名義での請求書や督促状が届いたら、

その時にまとめて払おうと私は思っている。

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