大朝日岳


2015年(平成27年)8月5日(水曜日)  晴れ  弱風


1/2万5千 地形図上でのGPS軌跡
白色の点線は10秒間隔緯線10秒間の距離=約310m、経線10秒間の距離=約250m)、青色の線は1分間隔、水色の斜線は磁北線


 .

緯  度  .




38°18′00″











38°17′00″












38°16′00″

               138°          140°          140°           139°          139°
                  55′           56′            57′           58′            59′
 度               00″            00″            00″           00″           00″

この大朝日岳は、今回の東北遠征の中では飯豊本山に次いで距離が有るので、山小屋泊まりするか?、日帰りするか?で迷っていた。

と、云うのも、山小屋泊まりにすると 『寝袋・ガス・コンロ・食料・食器類・衣服等』 が増えるので、ザックの重量が重く成るからである。

実は先日からオバさんが重量のあるザックを背負うと肩が凄く痛く成るとの事で、数日前から肩に湿布薬を貼っていた。

それで今日は少し強行軍に成るが、早朝に出発して日帰りする事に決めた。








 この写真は 『古寺鉱泉駐車場』 を出発した4時半に写したものであるが、上空にはまだ月が見えていた。















 駐車場から200m位?進むと 『古寺鉱泉』 の建物があり、登山道は写真の橋を渡った所に続いていた。















 古寺鉱泉裏から山道に入ったが、最初は写真の様な尾根道だった。














 そんな尾根道を歩いていると、左側に見える稜線の上から太陽が顔を出し始めたが、

 その時刻は駐車場を出発して30分経過した、5時ジャストだった。














 上写真から2分ほど進むと、登山者カウンターが現われた。








登山者カウンターから5分ほど進むと、下写真の 『合体の樹』 が現れた。

左がヒメコマツ、右はブナ
反対側の状態






 更に登っていると、朝日が私達の後方から射し、登山道の前には私達の影が映し出されていた。


 そこで並んで影を撮ったのがこの写真ですが、どうです!?、二人とも抜群のスタイルでしょう!(笑)







その付近の登山道では下写真の花や木の実を見掛けた。

尚、以下の花名や木の実等の名称には自信は有りませんので、予め御承知置き下さい。

ウツギ
ガマズミ
コブシ








 駐車場を出発してちょうど1時間半した所(6時)で、写真の 『一服清水』 に到着した。


 ここでは登山者が水を汲んだり、写真の丸太に腰掛けて休んだりしていた。


 私達もこの場所で行動食を食べたりして、10分ほど休憩した。

















 この写真は一服清水から5分ほど登った所で撮影していたが、そこから見える空には雲一つ無く、そしてまだ月が見えていた。


 私はこの様な青空なら、紫外線を大量に浴びてまた口唇ヘルペスが出来たらいけない!と思い、

 顔や腕等に日焼け止めクリームをしっかりと塗り込んだ。













 GPS軌跡図にはスペースが無くて表示出来なかったが、この標識は一服清水から数分の所にあった、

 『日暮沢』 との分岐標識である。


 尚、GPS軌跡図では、一服清水の左側にある 『○』 の地点である。













 上の標識から10分ほど進むと、写真の様に異様な形をしたブナの大木があった。








その付近の登山道では、下写真の花を見掛けた。

シロバナハナニガナ
ミヤマコウゾリナ
ガクアジサイ






 一服清水から35分ほど登ると、写真の 『三沢清水』 に出た。


 ここには誰もいなかった。


 写真の様に、他の場所にある水源からホースで引き込んでいたが、

 何故か?ホースから水が勢い良く出たり、止まったりしていた。


 私はこの水を飲んでみましが、冷たくて結構美味しかったですよ〜!














 三沢清水の先からは、中小の岩の多い急坂になった。















 上の様な急坂を登っている途中の左側には、これから歩く事に成る稜線が見える所があった。















 また上写真付近の右側には、写真の景色が見える所があったが、山名等はサッパリ分らなかった








  小朝日岳
    ↓








 そしてこれが三沢清水から25分程で着いた、『古寺山=こでらやま=1501m』 の山頂で、

 写真の方達は駐車場で隣同士になった、静岡県在住の中年ご夫婦である。


 私達はこの山頂でザックを下ろし、10分ほど休憩した。
















 この温度計は古寺山の山頂から10分ほど進んだ所で写した、私のザックの後ろにぶら下げている温度計であるが、

 まだ7時35分と云うのに、もう33度近くに上がっていた。(フ〜ッ!)











 小朝日岳の麓まで進むと、写真の様に道が分岐していた。(GPS軌跡図では小朝日岳分岐(下側))


 そこには標識は無かったが、左折した道は小朝日岳山頂に行く様だったので、私達は直進した道を進んで行った。


 しかし、静岡のご夫婦は小朝日岳にも登る様で、その姿が上の方に見えていた。












 私達は小朝日岳の巻き道を進んでいたが、そこからは大朝日岳の右の方に連なる山々が見えていた。















 その巻き道を15分強進むと、写真の分岐標識が現れた。(GPS軌跡図では小朝日岳分岐(上側))














 上写真から数分進むと、右側の深い谷間に雪渓が見えていた。









その付近の登山道では、下写真の花等を見掛けた。

アキノキリンソウ
アカモノの実
オトギリソウ

      小朝日岳
         ↓








 更に10分ほど進んだ所にはシシウドの花が咲いていたが、写真は後方の景色である。







         大朝日岳  大朝日小屋
           ↓        ↓









 上写真の様な尾根道を更に5分ほど進むと、前方に大朝日岳等が綺麗に見えて来た。


 尚、この尾根道を歩いている時は涼風が吹いて来て、実に気持ちが良かったですね〜!











         大朝日岳
            ↓







 またその付近の尾根道には、写真の様なマツムシソウが咲いていた。








            小朝日岳
              ↓







 上写真の場所で振り返ると、写真の景色が見えていた。








           大朝日岳
             ↓







 今までの尾根道写真にも写っているが、尾根道の両側には写真の様なハイマツが多かった。








その様な尾根道では下写真の花が咲いていた。

ハクサンシャジン
キキョウとアキノキリンソウ
シロバナハナニガナ








 小朝日岳分岐(上側)から45分ほど進むと、登山道に 『銀玉水=ぎんぎょくすい』 の標識が現われた。









 上の標識から10mほど下りた所に銀玉水はあった。

 写真では良く分らないかも知れないが、水流にはかなりの勢いが有った。


 私はこの水を一口飲んだ時に、余りの美味しさに驚いた。

 オバさんに伝えると早速オバさんも飲んだが、やはり美味しいね〜!と驚いていた。

 私は方々の山で湧水等を飲んだ事があるが、ここの水ほど美味しい!と感じた水は無かった。

 何故?そんなに美味しく感じるのか?自分でも不思議だった。

 冷たい事は冷たかったが、ほど良い冷たさである。

 もしかしたらこの水には、人が口に含んだ時に美味しい!と感じるミネラル分を多く含んでいるのでは?と、

 思ったが、本当のところは如何なのだろう?

 私がこの美味しさを他に例えれば、良く冷えた生ビールの美味しさに近い!と、言えるかもです。


 後刻、他の登山者に尋ねたところ、この銀玉水は日本の湧水で三本の指に入る!と言っていた。

 大朝日小屋の管理人さんも、小屋近くに金玉水があるが、自分で飲む水はここまで汲みに来ると言っていた。

 ちなみに先日、或る若い女性がこの銀玉水を汲んでいたら、後ろを大きな熊が通り過ぎて行ったそうである。











 また銀玉水の直ぐ前には、写真の様なトリカブトが咲いていた。















 銀玉水以降の登山道は、写真の様な石畳が暫らく続いていた。








その付近では下写真の花を見掛けた。

ミヤマリンドウ
ヨツバシオガマ
ハクサンフウロ






 上の様な花が咲いている登山道を10分近く登ると、登山道の横に写真の様に崩壊している場所があった。


 そしてそこには、荷揚げした資材はこの場所に置いて欲しい!との張り紙があった。







その後の登山道には、下写真の花が咲いていた。

ウサギギク
ニッコウキスゲ
イチヤクソウ

        大朝日岳
          ↓










 更に登ると、前方には写真の景色が見えていた。














          大朝日岳           大朝日小屋
            ↓                ↓



 これは上写真のピーク近くで写した物であるが、下りて来る単独男性が偶然に写っている。

 その単独男性は少し前に私達を追い越して行ったが、

 その時、お互いに挨拶だけはしていたので顔は憶えていた。

 その彼が慌てて下りて来て、バッテリーが落ちてませんでしたか?と、尋ねて来た。

 見ない!と答えると、駆ける様にして更に下りて行った。


 その後、私達がピークまで登ると、登山道と草叢の間に小さなバッテリーが落ちていた。

 その時、その男性はかなり下りていたので、私も追い掛けて走り、大声を出したら届いた。

 そのバッテリーは小さなビデオカメラ用のバッテリーで、手渡すと凄く喜んでいた。





その後はその男性と話しながら登って行ったが、米沢市在住で私より10歳近く若く、そして元自衛隊員で、何と!久留米市にも暫らく住んだ事がある!との事だった。

下・左写真はその男性の後ろ姿と大朝日小屋で、右写真は小屋の内部である。

男性と大朝日小屋
小屋の中






 私達は貴重品だけを持ち、他は山小屋の前にデポし、空身で大朝日岳を往復して来る事にした。


 大朝日岳・山頂への登山道は写真の様に細くて中小の岩が多かった。
















          おお
 そしてこれが 『大朝日岳山頂=1871m』 で、大朝日小屋からは10分強で到着した。
























 これは山頂標識上面にある方位盤で、

 主な山を書き出すと、



 北北東方向には、

      昨日登った月山を始め、

      岩手山、八幡平、鳥海山があり、



 南南東方向には、

      明日登る予定の磐梯山と

      3日後に登る予定の吾妻連峰が、



 南南西方向には

      最初に登った飯豊連峰があった。















                 鳥海山 月山
                  ↓   ↓









 これは北方向の眺望であるが、昨日登ったばかりの 『月山』 が雲の上に頭を出し、

 そしてその左奥には一昨日登った 『鳥海山』 の山頂がかすかに見えていた












            飯豊連峰
              ↓










 そして南南西方向の彼方には、東北遠征の最初に登った飯豊連峰が薄く見えていた。













    御影森山   大沢峰        平岩山
      ↓       ↓           ↓






 またこの山頂には、同じ古寺鉱泉から登っている人がいた。

 その人は、これから写真に写っている 『平岩山〜大沢峰〜御影森山』 と稜線を歩き、

 その後は 『朝日鉱泉』 に下りるとの事だった。


 後日、地図を見ると、この山域には他に幾つもの周回コースや縦走コースがあり、何時か

 またこの山域に挑戦する時が有れば、今度はそれらのコースを歩いてみたい!と思った。









 山頂では風景を眺めたり、写真を撮ったり、他の登山者と話をして20分位?いた様である。

 その後大朝日小屋に下りたら、ちょうど管理人さん(左端)が出ていたので、ちょっと質問をしてみた。

 この山小屋の近くにも熊は出ますか?と尋ねたところ良く出る!との事でつい先日も近くを通った!との事だった

 そんな事を話している内に、先日NHKが朝日連峰の取材に来た時の話題になった。

 その取材中には3度熊が現れ、その様子はバッチリ映像に収めたとの事で、

 8月30日朝の番組、『さわやか自然百景』 で放送される予定との事であった。

 尚、熊の通り道は殆んど決まっていて、また夏の暑い日等は雪渓の上に寝転んで涼んでいる!との事であった。


管理人さんからはそれ以外にも他に面白い話を幾つも聞いたが、それらを紹介すると長く成るのでここでは割愛する。






 下山時にも銀玉水に立ち寄り、また飲んだが、やはりとても美味しく感じた。


 それで今度は、持って来ている全部のペットボトルに銀玉水を汲んで行った。








 銀玉水から15分ほど下りた所で、写真の様に大きな荷物を背負って登って来る男性と出会った。

 彼が背負っている荷物は、登る時に見た崩壊地を修復する為の資材で、古寺鉱泉駐車場に置かれていた物だった。

 駐車場にブルーシートに包まれた物があるのは気付いていたが、私達はその前を素通りしていた。

 彼は崩壊地を修復する為の資材を、ボランティアとして運んでいた。(頭が下がりますね〜!)

 彼とはその場で暫らく立ち話をしていたが、彼が言うには登山道の崩壊する大きな原因は、

 ゴムキャップを被せていないストックで穴を開ける為だと言い、そして私達のゴムキャップを被せているストックを見て

 『皆がその様にして呉れるといいんですけどね〜!』 と嘆いていた。


それから彼は、冬はマタギの一員として山に入り、毎年2〜3頭の熊を仕留めている!との事だった。

私達は熊避けとして、山岳雑誌や市町村等が発行するパンフレットにも書いてある様に、二人ともザックの後ろには熊ベルを付け、ストックには小さな鈴を付けていた。

それを見て彼は、それらの物はしない方が良い!、熊は自分が食事をしている時等に人間が近づくと、『それ以上は近ずくな!』 との警告音である 『ウ〜〜〜!』 との

低い唸り声を出す!と言うのである。

しかしベルや鈴等を鳴らしていると、その警告音がその人に聴こえない為に熊に近付き過ぎ、怒った熊が人を襲う!と彼は言う。


また人間は五感がすっかり退化してしまったが、熊は五感が非常に発達しているので、ベルや鈴を鳴らさなくても人間が近付いて来るのは大分前から分っている!、

そして更に彼が言うには、熊に襲われた人に後から聞くと、ベルや鈴で熊の警告音が聴こえなかった人が殆んど!との事であった。

それで私が、山岳誌や市町村のパンフレットにはベルや鈴を付ける様に書いてあるが?と尋ねると、あれはそう書かないとその関係企業が困るからだ!と答えた。

そして最後に彼は、『熊の習性を知り尽くしたマタギが言う事を信用して下さい!』 と言って登って行った。

私はその言葉を聴いて、山岳誌やパンフレットに書いてある事と、彼の言葉のどちらを信じて良いのか?分からない様になり、大きな音がする熊ベルだけを外した。


大朝日岳  大朝日小屋
 ↓     ↓






 マタギの彼と出会ってから40分ほど下りた所に、後方が見える場所があった。


 この写真はそこから写したものであるが、ここを最後に大朝日岳も大朝日小屋も

 見えなく成ってしまった。


 私は言葉には出さなかったが、『サラバ!、大朝日岳!』 と別れを告げた。









それ以降の登山道では、下の花等を見掛けた。

ツルリンドウ
ハリブキ

ツルリンドウの実?
ナナカマド
ミヤマホツツジ

その後は下の水場で少し休憩しながら下りて行った。

三沢清水
一服清水








 その後の下山中には下から見上げると、写真の様に幹から凄い数の枝が張り出している大木を見掛けた。








駐車場の入口まで下りると、マタギの彼が背負っていた荷上げ資材置き場があった。

荷上げ資材置き場
資材荷上げ協力のお願い

古寺鉱泉駐車場に戻ると、まだ沢山の車が停まっていた。

戻った時の古寺鉱泉駐車場
駐車場の一角にある水場



 今日の山歩きをまとめると、

      駐車場(4:30)〜一服清水(6:00〜6:10)〜三沢清水(6:45〜6:50)〜古寺山(7:15〜7:25)〜

      小朝日岳下(7:50)〜小朝日岳上(8:05)〜銀玉水(8:55〜9:00)〜山小屋(9:35〜9:45)〜

      山頂(9:55〜10:15)〜山小屋(10:25〜10:45)〜銀玉水(10:10〜10:15)〜古寺山(12:45)〜

      三沢清水(13:05〜13:15)〜一服清水(14:00〜14:05)〜駐車場(15:20)、

      所要時間は10時間50分、GPSの積算距離は18km、万歩計は39650だった。





 大朝日岳から下山後は 『道の駅・おおえ』 まで行き、そこで野菜や果物等を買い、近くの温泉を教えて貰った。

 写真が 『舟唄温泉・柏陵荘』 であるが、ここは200円/1人と安い勢か?入浴客が多かった。

 またここの露天風呂は大きくて、室内よりも露天風呂の方が入浴客が多かった。

 私が入浴している時も、その殆んどが同年代の常連さんで、その人達は露天風呂に入って皆で世間話をしていた。

 その話題の中には 『熊』 や 『猪』 や 『アユ』 等の単語が出て来るので、狩猟や川釣りの話をしているのは大体分る

 のだが、その会話は皆方言なので、何故笑ったのか等?話の内容は全く理解できなかった。









 温泉で近くのスーパーマーケットを教えて貰い、そこで色々な買い物をしてから

 また写真の 『道の駅・おおえ』 に戻った。(この写真は翌朝に撮影したもの)







このあとは8月6日の 『磐梯山』 に続きます。

inserted by FC2 system