英彦山周回(別所駐車場〜四王寺滝〜南岳〜中岳〜北西尾根〜野営場〜別所駐車場)


2012年(平成24年)2月24日(金曜日)  快晴  弱風


去年の冬に九州北部地方で突然有名になった氷瀑がある。

その氷瀑は英彦山の奥深い所にあって、冬期でも氷点下の気温が連日続いた後でないと見る事が出来ないので、『幻の滝』 と呼ばれていた。

去年、ネット情報等でその事を知った私達は 『今年の冬に見に行こう!』 と思い、去年の4月にその氷瀑の場所まで下見に行った。



今年に入りネット情報に注意していると、1月初旬からその氷瀑が大分出来上がっている!との情報をキャッチし始めた。

そして1月下旬にはNHKテレビを始め民放テレビ各社で、その見事に出来上がった氷瀑の映像を放映した。

その映像を見た私達は 『早速、見に行こう!』 と思い九州道路情報を見たが、久留米から英彦山に行く国道500号線が数ヶ所で積雪や路面凍結によって通行止や

チェーン規制等が行われていた為に車で行く事が出来なかった。



その後も私は毎日のように天気予報と道路情報を見ていたが中々通行止やチェーン規制が無くならず、またそれらの規制が一時的に無くなった時には

今度は天気が芳しくなく、中々英彦山に行く事が出来ないでいた。

そんな風にして3週間程が過ぎたが、ようやく2月23日になって国道500号線の雪による規制が全て無くなり、そして翌24日の天気予報が晴れマークだったので、

私達は23日の夕方から急遽英彦山行きの準備をし始めた。


 久留米から車で40分ほど走ると、国道500号線上から英彦山が見え始める。


 写真では霞んでいて良く見えないが、手前から3列目の山の左奥に英彦山の山頂が薄く写っている。


 肉眼では英彦山の山頂はかなりハッキリ見えていたのだが、山頂部にも白い雪は全く無かった。


 それで私は、『氷瀑はかなり融けているかも知れないな〜?』 と思った。







 写真は下の 『GPS軌跡』 で出発地の 『別所駐車場』 だが、私達がここに着いたのは9時35分で

 自宅から62kmの距離に1時間半を要していた。


 ここまで雪を見る事は全く無く、また交通規制は1ヶ所(土砂崩れ復旧工事の為の片側交互通行)だけだった。


 私達がここを出発した時刻は9時45分で、当時刻はこの広い駐車場には10台位しか車はなかった。





 1/25000地形図上でのGPS軌跡(途中で軌跡が切れている所があります)
緯線・経線とも10秒間隔(緯線10秒間の距離=約310m、経線10秒間の距離=約250m)、水色の斜線は磁北線

経度   .
緯度   .















33°29′00″











   130°                                      130°
    54′                                       55′
    00″           
                            00″ 






 写真は別所駐車場から5分強歩いた所にある、奉幣殿に登る石段だが、

 その石段の左側にある 『ミツマタ』 は写真のように蕾がかなり膨らんでいた。














 写真は上写真の石段を登った所にある英彦山神宮の 『奉幣殿』 に、安全登山を祈願するオバさんである。









上写真で右側に写っている石段を登ると直ぐ分岐標識があるが、四王寺滝へはそこから 『鬼杉や玉屋神社』 方面へ右折する。

右折した道を15分ほど進むと、登山道の右側に下写真・左のような岩がある。

殆んどの人は気付いて無いと思うが、その岩の裏面には右写真のような文字が彫ってあるので、まだ見た事の無い方は今度前を通った時にでも見てみて下さい。

左の文字は 『光』 だと思うが、右の文字は判らない。(来?)

登山道の右側にある岩
その岩の裏に刻まれている文字







 上の岩から5分強進むと写真のような分岐標識が有るので、ここでは 『鬼杉』 方面に左折する。












 上の分岐標識から左折して10分弱進むと、左側に写真のような鳥居がある。



 そこを100m近く?登ると、岸壁に掘ってある大きな梵字を見る事が出来るが、

 私達はそこは以前に見学した事があったので、今回はパスした。








 上写真から更に5分ほど進むと、写真の 『衣ヶ池』 と呼ばれる場所に着いた。


 四王寺滝へはこの場所から左折である。


 去年、下見に来た時はこの場所には四王寺滝の案内等は何も無かったが、

 今年は写真のように立ち樹に巻いたピンクのリボンと 『四王寺滝・登山道入口』 の案内があった。





上掲写真から四王寺滝への登山道は倒木や大小の岩が多かった。

去年、その登山道を登った時は目印等は殆んど無かったが、今年は方々にテープやリボン等が有りまた踏み跡も濃かったので、今年は道を探すような事は無かった。

登っている途中で下山して来る数組の方達に出会ったので、氷瀑の様子を尋ねると 『氷瀑はまったく無く、水滴が少し落ちているだけです!』 との言葉に

私達はそれ以降少し気落ちしながら登って行った。

英彦山に来る時、国道500号線から見えた英彦山山頂に全く雪が無かったので、『 四王寺滝も少しは融けたかもしれないがまだ大部分は残っているだろう?』 、

それに5〜6日前のネット情報でも見事な氷瀑写真を見る事ができたので、『悪くともまだ少しは残っているだろう!?』 と私達は思っていた。



下・左写真が上掲写真から25分強で着いた 『四王寺滝』 の様子だが、途中で会った人が言った通りどこを探しても氷のかけらさえ見付ける事は出来なかった。

ほんの数日前にネットで見たあの見事な氷瀑が、まさかここまで見事に融けて無くなるとは私達は思いもしていなかった。

ここ数日、雨が降ったり気温の高い日が続いた事と、またこの滝は日当たりが良い為に、ほんの数日で一気に全体が融けてしまったようである。(驚!)



そう言う事で氷瀑の写真を皆様にお見せする事が出来ませんので、今回はインターネットの写真集でご勘弁下さい。(切腹してお詫び・・・イテテ)

私達が滝に着いた時は誰もいなかったので、私達は水が滴り落ちる滝を恨めしそうに眺めながら暫らく落ち込んでいた。(笑)



ところで去年までこの滝には名前が無く、皆も 『幻の滝』 と呼んでいた。

それが今年になって突然、この滝の事を 『四王寺滝』 と呼ぶようになっていた。

これは誰が決めたのだろう?

以前はこのような名前で呼んでいたと言う古い記録でも見付かったのだろうか?、それとも滝のある場所名なのだろうか?

もし両方とも違うなら、他の名前にした方が良いような気がする。



と、言うのも太宰府市に 『四王寺山』 と呼ばれている山があるからである。
                                                                             ふさわ
現在はその山に氷瀑があるとの情報は無いが、もし今後 『四王寺山』 で氷瀑が見付かれば、その滝こそ 『四王寺滝』 の名称が相応しい!と思うからである。

それに去年下見に行った時、この滝にはまだ名前が無いと聞いたので、その時に私が勝手に 『ごましお滝』 と命名していた。(登録しとけば良かったな〜・・・笑)

そう言う事ですので、もし出来れば今後この滝の事を 『ごましお滝』 に改名して頂ければ嬉しいですね〜。(笑)



尚、下・右写真は去年下見に行った時にそこで6年振りに偶然再会した方から写して貰った私達です。(どうです!、ヨン様とヘップバーンにそっくりでしょう!?・・・笑)

当日の四王寺滝
去年の4月13日に、滝前で写して貰った私達

去年、この 『ごましおの滝(笑)』 で6年振りに偶然再会した方は英彦山に凄く詳しい方である。

それでその方に 『滝の上に行けますか?』 とお尋ねしたところ、『何とか行く事が出来ますので、案内しましょう!』 と、案内して貰った事があった。






 少し差し障りがあるので詳しくは紹介できないが、

 途中には写真のように 『四王寺滝』 をふた回り位小さくした滝もあった。













 また途中では崖のような所を立ち樹やスズタケを掴んでよじ登ったり、

 写真のように身長より高いスズタケが密集した所を掻き分けて進む所も多かった。








上写真のような所を30分近く?かなり苦労して登ると、やっと四王寺滝の上に出た。

下・左写真は四王寺滝・上流の景色で、右写真は四王寺滝の滝口(滝の落ち口)の様子である。

私達はこの場所に腰掛け、景色を眺めたり行動食を食べたりして暫らく休憩した。

四王寺滝の上流景色
四王寺滝の滝口
                  むすび
またその方からは、滝から 『産霊神社(行者堂)に行くルート』 や 『英彦山・南岳に直登するルート』 も教えて貰った。


 この写真からはまた当日(2月24日)に戻るが、滝の前で暫らく休憩した後、

 私達は去年教えて貰った 『英彦山・南岳へ直登するルート』 を登り始めた。


 少し登った所で滝を見ると、写真の様に滝の下部とその少し上に二重の虹が架かっていた。

 しかし後からこうして写真を見ると、更にその上にも短い虹が見えますね〜。


 この滝に虹が架かっている時に願い事をすればその願いは叶う!と言う伝説があります。

 ですから私も写真の虹を見ながら願い事をしましたので、きっと幸せに成ると思います。(笑)

 ちなみに、その伝説は私が虹を見ながら突然思い付いたものですが皆様も氷瀑期だけでは

 無く、他の季節にも 『ごましお滝』 に行って、この虹を見ながら願い事をしてみて下さい。(笑)

 尚、今後はこの虹の事を 『ごましお滝の、幸せの虹』 と呼んで下さいネ〜。(爆)









 滝から英彦山・南岳に直登するルートは最初からガレ場の急登で、

 途中には写真のように倒木に生えた、大きくて綺麗なサルノコシカケもあった。













 登り始めて10分位した所には写真のようなロープ場があったが、

 それ以降にも崖のような所を立ち樹やスズタケを掴んでよじ登るハードな場所が何ヶ所も出て来た。














 そんな急坂部分にも写真のように割と新しい鹿の糞が方々にあった。














 『四王寺滝』 から登り始めて30分位すると崖の多い所は終わり

 今度は写真のように身長より高いスズタケの中の道を進んで行った。








 英彦山神宮・上宮                        南岳
       ↓                             ↓







 上写真のようなスズタケ部分を5分程?で抜けると、左写真のような開けた場所に出た。



 そこからは中岳に建つ英彦山神宮・上宮と、南岳の山頂が写真のように見えていた。












     英彦山神宮・上宮
          ↓






 上写真から10分近く登った所の日陰部分には、今日初めて見る残雪があった。













 写真は更に5分ほど登った所から見えていた下方の景色である。



 遠方に高い山が見えていたが、山座同定しなかったので山名は分からない。








 その後は滑り易い草付きの急坂を小枝や草を掴みながら5分強登ると、

 写真のように岩や立ち樹に赤くペイントしてある、縦走路と合流する場所に出た。(その場所に分岐標識は無い)


 『四王寺滝』 からここまで何と!1時間5分も掛かっていた。

 結局ここまでこのルートでは道を探すような事は無かったが、危険と思われるような場所が多くあり、
       ひと
 現状では他人にお薦め出来るようなルートでは無い。






 上写真から左折して50mほど登った所が、左写真の 『英彦山・南岳山頂=1200m』 だった。


 山頂部では1組の中年御夫婦?らしき人達が昼食中だった。


 しかし、その人達が正式の夫婦であるかどうか?尋ねて確かめた訳では無いので私は断言できない。

                       はやり
 もしかしたらその二人は、巷で近頃流行の不倫同士かも知れないからネ〜?(爆)





 英彦山神宮・上宮                       英彦山・北岳
    ↓                                 ↓






 南岳では上写真を1枚撮っただけで、中岳に向かった。



 写真は中岳に向かう途中で写した景色だが、南岳から下りる日陰部分には積雪が

 アイスバーン状態で残っていて、二人とも何回も滑りそうになったので慎重に下りて行った。














 写真は南岳から15分弱で着いた中岳の山頂で、時刻は12時35分だった。


 驚いた事に広場にも休憩小屋の中にも誰もいなかった。


 こんな事は初めてだったので、二人ともエー!と言いながら驚いていた。













 当日は写真のような快晴で、また風が殆んど無かったので結構暖かかった。



 それで私達は写真のテーブルで昼食を食べる事にした。












下写真が当日の昼食で、左写真はオバさんが今朝から自宅で調理したシチューをタッパに入れて持ち上がり、温め直しているところです。

右写真は今年になって入手したホットサンドメーカーです。 どちらも熱々で凄く美味しかったですね〜。(笑)

昼食に食べた、シチュー
昼食に食べた、ホットサンド

私達は45分ほど中岳山頂で昼食休憩をしたが、その間に中岳山頂を通過した登山者は中高年の御夫婦?らしき2組だけで、当日の中岳山頂はとても静かだった。

尚、山頂を通った御夫婦?らしき2組も、私はその人達に尋ねたり戸籍謄本や身分証明書を見せて貰った訳では無いので自信は無い。(もしかしたらその人達も不倫関係かも?・・・笑)




 とても静かだった中岳山頂で45分ほど昼食休憩した後は、

 私達はまだ歩いた事の無い 『北西尾根ルート』 で下山する事にしていた。



 写真は北西尾根ルートを歩き始めて3分程した所で写した景色だが、写真のような白骨樹が多かった。











 上写真から5分ほど下りた所では、写真のようにサルナシ?らしきツルを多く見掛けた。










更に3分ほど下りた所の岩場には下写真のようなハシゴが設置されていて、そこからは下方に県立青年の家の屋根が見えていた。

右写真はそのハシゴを下りるオバさんだが、ハシゴの右足が接地して無く、宙に浮いていたのでかなり不安定だった。

ハシゴ場
ハシゴを下りるオバさん







 ハシゴ場から5分強下りると、今度は写真のようなスズタケの中を通って行った。












 更に10分強下りた所には写真のように幹の途中が極端に太く成り、そして2回転して成長している樹もあった。



 北西尾根ルートは分かり辛いと聞いていたが、テープやリボンが沢山有り、また踏み跡も割合にハッキリしていたので

 迷うような所は無かった。






 ところで、この北西尾根ルートは何処に出るのだろう?と思っていたが、

 案の定、私達が思っていた写真の分岐標識のある場所に出た。


 この場所は今迄にバードラインで登り下りした時に、何回も通った所である。

 そこは十字路に成っていて、分岐標識には無いが上に行くハッキリした踏み跡が有るので、

 それが北西尾根ルートかも知れないね〜?と言っていた場所だった。

 機会があれば、次は北西尾根ルートで中岳に登ってみよう!と思った。









 上の分岐標識から5分ほど下りると、写真のような野鳥観察小屋があった。
















 更に10分強下りると野営場に出たが、そこではバンガローのメンテナンス工事が行われていた。









その後は自然歩道を通って一気に別所駐車場に下りた。 駐車場は朝より少し増え、20台近くが駐車していた。



今日の山歩きをまとめると、

          別所駐車場(9:45)〜奉幣殿(10:00)〜鬼杉・玉屋神社分岐(10:20)〜四王寺滝入口(10:35)〜四王寺滝(11:00/11:15)〜

          南岳(12:20)〜中岳(12:35/13:20)〜バードライン出合(13:55)〜英彦山野営場(14:10)〜別所駐車場(14:30)、

          総所要時間は4時間45分で、万歩計は15579だった。



去年から狙っていた 『四王寺滝』 の氷瀑見物は以上のような顛末により、残念ながら今年は見る事は叶わなかった。

来年も私達が車で行ける頃は氷瀑はまた跡形も無く消滅していると思われるので、『来年は厳寒日に電車やバスを利用して行こう!』 と思っているところです。

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