蛤 岳(863m)


2011年(平成23年)1月27日  晴れ  微風


今日も近郊の山歩きに出掛ける事にした。

本当は少し遠くの高山に登りたい!のだが、登山口に行くまでの路面凍結が怖く、冬場はどうしても近くの低山歩きが多くなってしまうのである。



今日の山歩きは車で坂本峠まで行き、蛤岳に登り、そこから脊振山まで往復縦走する予定だった。

国道34号線から県道136号線に右折し、ゴルフ場(山水カントリークラブ)までは路面凍結も無く、順調に走行して来た。

しかしゴルフ場の少し先から雪が現れ、標高が少しずつ上がるに連れ、所々で路面凍結部分も出て来た。


 その後、途中の何ヶ所かにあった短い路面凍結部分は強引に突破して行ったが、

 前方に写真のような路面凍結部分が現れた。


 私は車から降りて前方の様子を見に行ったが、その先は更に積雪や路面凍結部分が多くなっていたので、

 これ以上の車走行は危険と判断し、その手前にあった広場に駐車する事にした。


 身支度をし、その駐車地を出発した時刻は9時15分だった。






 1台の車も通らない県道136号線を10分強登ると、写真の七曲峠に着いた。


 この七曲峠には 『石谷山』 や 『九千部山』 への登山口があり、私達もここから良く登っているが

 今日は1台の車も無かった。


 私達は七曲峠にある、写真の道標部分から九州自然歩道に入った。










 九州自然歩道を5分ほど登ると、写真のように植林が伐採されていて、

 そこの雪上にはまだ真新しいオガ屑が散乱し、前方からはチェーンソーの音が聞こえていた。












 5分ほど登ると植林地(国有林との事である)の中では、写真のようにチェーンソーによる間伐作業が行われていた。



 姿は見えなかったが、少し離れた所からもチェーンソーの音が聞こえていたので数人で作業をしているようだった。












 20分ほどで植林地を抜け、高圧線鉄塔のあるピークに出たが、そこは30cm位の積雪量で

 写真のような野ウサギの足跡が残っていた。













 上写真のピークから5分強下りると県道136号線と国道385号線との合流地点に出たが、

 そこには写真のような車止めと 『通行禁止』 の看板があった。











 上写真から国道385号線を5分ほど登った所が写真の坂本峠で、到着時刻はちょうど10時だった。



 当初の計画ではここ迄は車で来れると予想し 『坂本峠⇔蛤岳⇔脊振山』 の予定にしていたのだが、到着時刻を見て

 オバさんと緊急サミット会議を開き、今日は脊振山への縦走は諦め、蛤岳だけへ登る事に急遽変更した。







 坂本峠からはまた植林地の中を通る九州自然歩道に入った。

 植林地を10分程で抜けると、今度は雑木林になった。

 その雑木林に入ったとたん、写真のように樹の枝や笹が積雪の重みで垂れ下がり九州自然歩道を塞いでいた。

 この九州自然歩道は何十回も歩いているので、この後もこのような雑木林が断続的に現れる事は分かっている。

 それでこのまま九州自然歩道を進めば至る所で凄く苦労する事になるので、また緊急サミット会議を開いた結果、

 九州自然歩道歩きは中止して林道を歩いて行こう!との事になった。







 それで最初の方は九州自然歩道と並行して、数十m離れた所を通っている林道に出る事にした。


 写真がその林道だが、この林道は2つ上に掲載している坂本峠の写真で、右側の道を進んだ所に当たる。


 その林道上には1週間位前の物?と思える、一人が往復した靴跡が写真のように浅く成って残っていた。












 林道を10分ほど進むと、前方でキャタピラ付きダンプカーが写真のように土を落としているのが見えた。













 そこから100mほど進むと、林道の補修工事現場でショベルカーがキャタピラ付きダンプカーに土を積んでいた。



 それで合図をして作業を中断して貰い、私達は作業してあった方達に挨拶しながら急いで工事現場を通り過ぎた。











 林道は途中からずっと下っており、またその林道は作業する人達が車で登って来る為に除雪してあった。



 そんな林道を更に15分ほど下りると、写真のように車止めをした 『永山林道』 との分岐地点に出た。







上写真の分岐地点から始まる永山林道はずっと登っていて、5分ほど進んだ所からは林道上にも積雪が現れるようになった。

そうするとその雪上には下写真のように、昔の洗濯板(今の若い人は分からないだろうな〜?)みたいな模様のキャタピラ跡が連続してクッキリと残っており、

とても綺麗だった。

キャタピラ跡−1
キャタピラ跡−2
キャタピラ跡−3







 上写真のように洗濯板模様が続く永山林道を40分ほど進むと、写真の作業小屋が現れた。









その後の登山道にも下写真のような、タヌキやキツネ?や野ウサギや猪等の足跡が至る所にあった。

そんな林道を進んでいると、5m位先の林道脇で大きな猪が突然飛び上がり、一目散に逃げて行った。

それは本当に突然で、私は驚く暇もなかった。

『写真に撮ろう!』 とカメラを取りだした時はもう前方の薮の中に消えていた。(残念!)

私達が5m位に近付くまで気付かなかった猪が居た場所は、風の当たらない日向部分だったので、多分あの猪は日向ぼっこをしながら居眠りしていたのでは?と思う。

ほんの数秒間しか見なかった猪だが、その猪は凄く肥えていた。

私は冬場の猪は餌が少ないだろうから痩せているのでは?と思っていたが、その猪は丸々と太っていた。



話は変わるが、最近の不景気の勢で私達は生活がとても苦しく、毎日は食べられない日々が続いているので、二人とも凄く痩せ細っている。

それで私は 『猪さんに餌を少し分けて欲しいな〜!』 と思った。(笑)

しかし今考えると、牙が無かったような?気がするのであの猪はメスで、もしかしたら妊娠していたのでは?とも思っている。

タヌキの足跡
イノシシの足跡




 写真は上の作業小屋から更に20分ほど進んだ所で現れた、蛤水道との分岐地点である。


 右側の林から出て来る道が九州自然歩道で、本当はそこから出て来る予定だった。


 写真にも写っているが、一人が往復した古い靴跡はこの地点の雪上にも残っていた。












 蛤水道の直ぐ横を通る林道を10分ほど登ると、写真のように蛤水道の上を渡って、山道に入る。









蛤岳への山道は急登部分が多く、また溝のようになった所も多い。

下写真はそんな山道の様子だが、至る所で積雪に因る倒木や枝が垂れ下がっていた。

しかし古い靴跡が残っていた為に自分でルートを開拓しないで良かったのでその点は気楽だったが、積雪が40〜50cm程もあり1歩1歩の歩行に時間が掛かった。

山道の景色−1
山道の景色−2
山道の景色−3

 そのようにして山道を30分弱登った所にも写真のような倒木があった。

 倒木の前までは靴跡が残っていたが、それ以降は靴跡が無かったので、その人はこの場所で引き返したようである。

 それで私はその人に付いて次のように考えた。

     1.これ迄の歩行に思っていた以上に時間が掛かって、時間切れになったのだろうか?

     2.深い雪中歩行の連続で酷く疲れたのだろうか?   3.それとも気力が萎えたのだろうか?

     4.或いは天気が悪くなって来たのでは?          5.もしかしたら急用の電話が入ったのかも?

 私はそんな事を思いながら、その倒木部分を右に巻き、腰近くまで雪に抜かりながら何とかそこを突破した。






 その倒木以降には靴跡が全く無かったので、自分でルートを開拓しながら登って行った。


 写真はそんな時に写したものだが、1歩1歩が写真のように膝上まで抜かっていたので、

 積雪は50〜60cm位あったと思う。










 上写真のような積雪の中を20分弱登ると、写真の蛤岳山頂に出た。



 この蛤岳は幾つもの登山口があるので、今迄に数人位はその登山口から

 登って来ているだろう!と私達は思っていた。



 しかし予想に反し山頂部には古い靴跡の1つも見当たらず、

 そこに有ったのは写真のような野ウサギの足跡だけだった。








蛤岳の山頂にある案内板等
山頂にある大岩の上には登れなかった(後方の白い所は有明海)






 写真も山頂で写したものだが、樹の下には長さが50cm位あるツララが出来ていた。














  私達は山頂部で写真のような豚汁を作って食べたが、とても美味しくまた身体も芯から温まった。



 当日は風が殆んど無かったので、日なた部分では温かく感じる程だった。








 昼食後は早速下山に掛かったが、下山時は私達が登る時に付けた真新しい足跡が残っていたので、

 そこを辿れば良く、割と楽にそして短時間で林道まで下りる事ができた。


 写真は永山林道を下山中に写したものだが、登る時にも同じ場所を写している。(キャタピラ跡−2の写真)


 登る時にあった綺麗なキャタピラ跡の上には写真のように車の通った跡が残っていて、橋の先でUターンしていた。

 多分、林道の管理者が車止めを開けて登って来たのだろう?と思う。





 写真はその後、永山林道を過ぎた所から下方に見えていた道の駅 『吉野ヶ里』 を

 写したものだが、その後方には有明海と雲仙普賢岳が薄く写っている。


 その後、植林の間伐作業をしている所に近づくと、そこではまだチェーンソーの音がしていた。

 作業する人の姿は手前にある薮で登山道からは見えなかった。

 しかし少し前方に見えている樹の先端が少し揺れていたので、もしかしたらその樹を伐採して

 いるのかも知れない?と思い、私はその場に立ち止り少し様子を見る事にした。

 そうしたらその樹がバリ!バリ!バリ!と周りの枝を折りながらドッ!と

 私達の5m位先に倒れて来たのである。

 私の第六感が当たったので、その時はビックリ!しただけで済んだが、

 伐採する樹を登山道側に倒す場合は、本当に十分注意して欲しいものである。(怒!)




今日の山歩きをまとめると、

         駐車地(9:15)〜坂本峠(10:00)〜永山林道分岐(10:40)〜蛤水道分岐(11:35)〜山道入口(11:45)〜蛤岳山頂(12:25/13:05)

                   〜山道入口(13:30)〜永山林道分岐(14:10)〜坂本峠(14:50)〜駐車地(15:35)で、

         総所要時間は6時間20分、万歩計は29148だった。



 無事に駐車地に戻り、県道136号線を下りていると前方のカーブ部分で写真のように1台の車が

 アイスバーンの為にスリップして立ち往生していた。

 早速オバさんと二人で掛け寄ると、かなり高齢の男性運転手さんが一人で困り果ててあった。

 この車を動かさない限り私達も下りれない事になるので、オバさんと二人で後ろや前から押して動かそうとしたが、

 タイヤがスリップして全く動かない。

 それで近くに融雪剤が置いてないか?少し探しに行ったが、こんな時に限って近くには融雪剤が無いのである。

 そんな事で20分位経過した時に、上から林業関係者?の軽トラック(4WD車)が下りて来た。



その車にはスコップが積んであったので近くの土を掘って来て、スリップ部分に撒いてから皆で押したらやっと動いた。

その軽トラックの人によると、七曲峠の上の県道136号線には雪で動けなくなった車が1台、道路脇に放置してあるそうである。

この山行記を書いている今日(28日)は曇りで気温が低く、現在積もっている雪はそう簡単に融けそうも無い。

その上に当日の天気予報では、明日(29日)から31日に掛けて九州北部では雪が降り、山間部では大雪の可能性がある!との事である。
                                           ひと
それで、その放置してある車は今後どうするのだろうか?等と、私達は他人事ながら心配すると同時に、もし私達が遠方の山中でそのような状態になったら

凄く面倒な事になる!ので、やはり冬場は遠くの山には行くまい!等と話しながら帰宅した。



そんな事で何とか明るい内に自宅に辿り着いた私達だったが、何と!今度は私達に災難が待っていた。

先日から玄関ドアの鍵が少し固かったのだが、少し力を入れると鍵は廻っていた。

それでそのままにしていたのだが、その日は鍵を差し込んで廻そうとしても鍵が全く廻らない。

ドアの取っ手を握りガタガタさせてから力を入れて何回も廻したり、オバさんの鍵で廻そうとしてもダメである。

そんな事をドアの前で10分ほど何度も繰り返していたが、全く廻らない。

私達は凄く焦った。



それで今度廻らなかったら 『鍵の110番を呼んで開けて貰おう!』 とオバさんと決めてから、最後に私がドアの取っ手を握ってドア全体を強くガタガタさせている内に

オバさんが鍵を廻してみたら、偶然にも鍵が廻った。

それで何とか玄関内に入れたが、その時は本当に二人ともホッ!とした。

その後に私は鍵の部分を分解してみたが、何が悪かったのか?分からなかった。

それで各部分を良く清掃した後に回転部分や摩擦部分にグリースを塗ってから元通りに組み立てると、その後はスムーズに鍵が廻るようになった。

そう言う事で、現在は簡単に鍵が開閉できるようになりましたが、鍵が固くなったまま放置していると家の中に入れなくなるかも?知れませんので、皆様も注意されて下さい。



この様にこの日も色々な事があったが、無事に下山でき、そして何とか家の中に入れた事を祝して、入浴後に二人で何回も乾杯を繰り返したのだった。(笑)

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