大 船 山(1786m)


2010年(平成22年)1月23日(土曜日)   小雪   弱風


私達はくじゅう中岳の山頂直下にある 『御池=みいけ』 の凍結は数年前に見た事があったが、(その時の様子はこちらから

大船山の山頂直下にある 『御池=おいけ』 の凍結はまだ見た事が無かった。

『今冬には見たい!』 と思っていたので、私達は登るタイミングを狙っていた。

そうしたら 『1月23日〜24日に掛けて九州地方にも寒波が来る!』 との予報だったので 『御池は絶対に凍結するに違いない!』 と思い、早速見に出掛ける事にした。



今晩は長者原で車中泊し、大船山には明日の早朝から登る計画を立てた。

それで今日は夕方までに長者原に着けば良いだけなので、自宅で昼食を食べてからゆっくり出発した。



国道210号線で玖珠町の繁華街を抜けると、前方にピラミダルな山容をした山が見え始める。

その山には11年前(1999年1月)に子供と一緒に登った事があった。

           山頂
            ↓

 写真は210号線から国道387号線に入り、更に途中から四季彩ロードへと右折し、

 その道路の広くなった駐車可能場所から写したものだが、そこからだとその山はピラミッドのような形には見えない。

 ここを通り掛かった時刻は14時半位で、あと30分位で長者原に着いてしまう。

 そんなに早く長者原に着いても今日は何も予定が無いので、時間を持て余してしまう事になる。

 それで急遽開いたサミット会議で、『時間潰しにこの山に登ろう!』 とオバさんと意見が一致した。

 登山口は写真右側に見えている電柱部分の林道だが、入口に車両止めのチェーンが張ってあった。




 この四季彩ロードは昨年も数回通ったが、その時に山頂付近で工事車両が停まっているのを何回か見掛けていた。


 その時は 『何をしてるのかな〜?』 と思いながら通り過ぎていたが、写真のような舗装道路を造っていたようである。


 私達は 『登山道が雪融けでぬかるんでいるかも知れない?』 と思い、登山靴に履き替えスパッツまでしていた。


 しかし山頂まで写真のような舗装道路に成っていたので、登山靴に履き換える必要は全く無く、

 スニーカーのままで良かったのである。(それならそうと、入口部分に標識を立てて欲しかった・・・怒!)







 写真は山頂近くから眼下に見えていた、私達が駐車した場所の四季彩ロードを写したものである。


 尚、後方の山はくじゅう山群の中の1つである 『花牟礼山=はなむれやま=1170m』 等だと思うが?

 当時刻は小雪が降り始めたので景色が良く見えず、そしてかなり寒かった。











 山頂近くまで登った所には、写真のようなタラの芽があった。


 まだ写真のように堅い蕾だったが、このタラの芽は既に私が予約しましたので、他の人は採らないで下さい。(笑)











 写真が登り始めて15分で着いた、『小倉岳=おぐらだけ=770m』 の山頂である。


 この時も小雪が降り寒かったので、この写真を1枚撮ったら早々に下山する事にした。


 下山時は下り一辺倒なので駆け出しそうになり、時々ブレーキを掛けながら下りたが、それでも10分で下りた。






長者原に着いたのは16時頃だった?と思うが、心配していた道路の凍結部分は1ヶ所も無く、無事に着いた。(ホッ!、一応タイヤチェーンは積んでいたんだけどね!)



長者原でブラブラしていたらザックを担いだ青年と出会ったので、山から下りて来たのだろう?と思い、山頂部の積雪や凍結状態を訊こう!と声を掛けた。

そうしたらその青年は山には明日登るとの事で、登る山は私達と同じ 『大船山』 との事だった。

それでその青年とは 『明日、大船山の山頂で会いましょう!』 と言って分れたのだが、その彼と翌日に何回も出会って会話をし、

そして彼が凄い山歴の持ち主である!とは、その時は知る由も無かった。



 長者原では 『時間潰しをしよう!』 と思っていたビジターセンターが閉まっていたので、時間を持て余す事になった。

 それでベッドメーキングをし終えたら、オバさんは宴会の準備に取り掛かり、私は携帯で初場所の中継を見ていた。

 そして18時近くには 『おでん』 が煮えたので、初場所の中継を見ながら宴会に入った。

 写真が当夜の宴会料理である。

 簡単に説明すると、メイン料理は 『おでん』 で、その右横は 『キャベツ』 、

 他の皿は 『いかのぽっぽ焼き、きゅうり、トマト』 と 『魚の干物、スルメ』 である。

 飲み物はビールを仲良く1本ずつの他は、焼酎とウイスキーである。


大相撲では応援している地元出身(福岡県直方市)の大関 『魁皇』 が、豪快な上手投げで 『稀勢の里』 を投げ飛ばし、勝ち越しを決めたので私は拍手して喜んだ。

しかし、横綱 『朝青竜』 が大関 『日馬富士』 を下手投げで引っくり返し、14日目で優勝を決めてしまったので千秋楽を見る楽しみがかなり薄らいだ。

そして19時のNHKニュースでは、民主党・小沢幹事長の土地購入に関して、東京地検特捜部による任意の事情聴取等の報道を見ながら宴会をしていた。

そんな風にして写真の宴会料理が全て二人の胃袋の中に消えたのは19時半頃だった?と思う。



今夜はかなり冷えるとの予報だったので、私達はシュラフの中にインナーシーツを入れ、外にはシュラフカバーと3重にした。

そして使い捨てカイロを背中に張った上にダウンジャケットを着込み、更に足部分には湯タンポを入れてから私達がシュラフに潜り込んだのは20時頃だった?と思う。

当夜、私は少し飲み過ぎたようで?、シュラフの中に入っても暫らくはシャックリが止まらなかった。





2010年(平成22年)1月24日(日曜日)   快晴   弱風


今朝は6時ごろ起きた。

寝る前にあれほど寒さ対策をしていたのに、昨夜は夜半に寒く感じ、二人とも何度も目覚めた。

朝起きて車内の温度計を見たらマイナス4℃で、ペットボトル内の水はシャーベット状になっており、窓ガラスの結露は凍り付いていた。



 車内を整理してからお湯を沸かし、『ホットコーヒー、パン、果物』 で腹ごしらえをし、

 身支度を整えてから写真の長者原を出発した時刻は7時45分だった。


 尚、写真で階段下等の白い物は 『霜』 である。


 昨夜トイレに行った時に夜空を見上げたら満天の星空だったが、今朝もそれを引き継いで写真のような快晴だった。




コース概念図

     三俣山            星生山
       ↓               ↓




 写真は長者原の駐車場を出発して3分ほど経った、『タデ原』 の木道を歩いている時に写した前方の景色である。



 尚、三俣山の手前の低い山は、『指山=ゆびやま=1449m』 である。











 タデ原の木道を5分ほど進むと木道部は終わり、そこからは写真のような小径に入る。



 写真が小さくて案内標識の文字が見辛いと思うが、『雨ヶ池2.7km、坊がつる4.7km』 と書いてある。











 写真は出発して45分程で現れた、『指山観察路』 との分岐標識である。



 尚、写真の白い物は雪ではなく、霜である。











 今日は車内に取り付けている温度計を外して、ザックの横にぶら下げていた。



 写真は上掲写真地点で写したその温度計だが、写真のようにまだマイナス2℃を指していた。







泉水山                湧蓋山
  ↓                   ↓








 写真は出発してちょうど1時間で着いた 『雨ヶ池』 の少し手前にあるベンチのある所から

 眼下に見えていた 『長者原』 を写したものである。













                平治岳
                  ↓






 写真は上写真から5分ほど進んだ所で現れた、『雨ヶ池』 の木道である。













 写真は上の木道部分を少し過ぎた所で写したものだが、足跡等に溜まった水は写真のように凍っていた。



 この 『雨ヶ池』 付近は標高が1358m位なので、昨夜はかなり冷え込んだようである。













 写真も 『雨ヶ池』 付近で写したものだが、写真のように登山道が霜柱で5cm位盛り上がったまま凍っていた。















 上写真のような霜柱の登山道は、その後も20分ほど続いていた。












 『雨ヶ池』 から30分ほど歩くと、前方に 『坊ガツル』 のキャンプ場が見えて来た。


 この付近は日当たりが良いので、霜はかなり融けていた。


 尚、写真は太陽を道標で隠して写したものである。






                 北大船山  大船山
                   ↓      ↓





 上写真から5分程で 『大船林道』 に出たが、そこに設置してある道標の下には

 写真のような案内板が取り付けてあった。



 文字が見辛いと思うが 『坊ガツル避難小屋は建替工事の為、3月中旬まで使用出来ません』

 と書いてある。










                 法華院温泉       あせび小屋
                    ↓             ↓

 写真は掲写真からキャンプ場に向かっている時に写したものだが、

 大船林道を2台の軽ワゴン車が法華院温泉の方に走って行るのが見えた。


 写真では車が小さく写っていて見辛いと思うが、1台目は法華院温泉の直ぐ下に写っている

 白い車で、2台目はその20m位後方の黒っぽい車である。


 以前にキャタピラー車輪の車が走っているのを見掛けた事があったが、

 普通車が走っているのを私は初めて見たので写真に撮った。


 坊ガツル避難小屋が建替中なので、大船林道が普通車でも通れるように

 整備されたのだろう?と思った。

 多分、軽ワゴン車は法華院温泉に食料等の生活物資を運んでいるのだろう?



坊ガツルキャンプ場に着くと、そこには下写真のようなテントが5張りあった。

左の4テントとは少し離れた所に張ってある、右写真テントの単独男性がテントの外に出ていたので少し会話してみた。

『大船山は昨日の朝は真っ白でしたよ!』 と、デジカメ写真の画像を見せて貰ったが、『昨日中にその白色は全部消えた!』 との事だった。

そして昨夜の坊ガツルはマイナス7℃まで気温が下がったが、テント内はマイナス4℃だったそうである。

それからメーカー名は忘れたが、写真のテントはスウェーデン製で冬仕様との事だった。

緑色テントの後方は法華院温泉
後方の山は三俣山







 坊ガツルキャンプ場内には写真のようなゴムマットが敷かれ、避難小屋の工事車両が通る道が現場まで通じていた。












 写真が避難小屋の建替工事現場である。


 後方の建物が近く解体される旧避難小屋で、新しい避難小屋はその直ぐ前に建てられていた。


 こうして見比べてみると、新避難小屋は旧避難小屋よりかなり狭いようである。












 坊ガツルから20分ほど登ると、登山道には写真のような積雪が現れ始めた。














 写真は登山道脇の土手部分の霜柱を写した物であるが、霜柱の長さは10cm位あり、

 足で踏むとジャキジャキ!と小気味良い音を立てて崩れた。








その後標高が高くなって来ると、日陰部分では下・左写真のように10cm位の高さの硬い霜柱の登山道が続いていた。

そこの霜柱は硬く凍っていて私達が上を歩いても潰れる事は全く無かった。

それでその一部をめくってみると、右写真のように硬い霜柱の下には、更に厚さが5cm位の氷層があった。

10cm位ある霜柱の登山道
霜柱部分とその下の氷層
     北大船山
       ↓




 坊ガツルから上写真のような登山道を1時間10分ほど登ると、『段原=だんばる』 と呼ばれる写真の場所に出た。



 この場所は北大船山と大船山との尾根上にある縦走路の鞍部だが、日当たりが良いので雪等は全く無かった。











 段原から大船山に少し進むと、樹木の下は写真のようにまだ10cm位の雪が残っていて凍結部も多かった。



 しかし、もしかしたら?と期待していた、霧氷のトンネルが全く無かったので少し残念だった。







段原から20分強で下写真の 『大船山=たいせんざん=1786m』 山頂に着いた。

私達が山頂に着いた時は既に10人近い登山者がいて、記念撮影をしたり昼食を食べたりしていた。

下写真は大船山の山頂から写したものだが、右写真で三俣山の下の平原が 『坊ガツル』 である。


南西方向の景色で遠くに阿蘇五岳

   西方向の景色で
   稲星山  中岳     星生山        三俣山   湧蓋山
  ↓    ↓       ↓           ↓     ↓

今回の山行の主目的である、御池(おいけ)は下・右写真のように完全に凍結していた。

北東方向の景色で
                由布岳  鶴見岳     高崎山?
              ↓   ↓         ↓

南東方向の眼下に見える、『御池』


山頂で暫らく風景写真を撮ってから私達は 『御池』 に下り、そこで 『熱いコーンスープ 、 ホットドッグ、果物』 で昼食にした。

昼食後に私は御池を一周してから御池の中央部まで行ってみたが、氷は相当厚いようで私が乗ってもミシッ!と言う音もしなかった。(私はスマートだからネ〜・・・笑)

昼食を食べた場所から写したもの
対岸から写したもので、後方は大船山山頂
御池中央部の凍結状態

御池のほとりで40分ほど昼食休憩後に山頂に戻ると、昨夕に長者原で会話した青年が登って来ていた。

私達は彼から記念写真を撮って貰ったりしてから、下山する事にした。



オバさんは大船山山頂までアイゼンをしないで登って来たが、下山時は凍結部が怖かったのでアイゼンを付けた。

私は今日も 『スパイク長靴』 のテストをしていたが、積雪部も凍結部もすこぶる快調だった。



下写真は下山時に立ち寄った、『段原』 近くにある避難小屋の様子である。

この避難小屋は何故か?、写真のように 『立ち入り禁止』 の看板が入口にあった。

大船山の避難小屋
避難小屋の内部

私達はその後も風景写真等を撮りながらゆっくり下山していたら、途中で先程の青年から追い越されてしまった。


 その後、坊ガツルの避難小屋の建替現場まで下りると、今度は写真のようにショベルカーを使って作業をしていた。


 作業員の方達は今朝会話した私達を覚えてくれていたようで、私達が近づくと笑顔で話し掛けてくれた。


 そして私が尋ねた新避難小屋の広さ等を教えてくれた。


 ちなみに新避難小屋の広さは54平米との事である。





その後、坊ガツルの水場に水の補給に行ったら、先ほど私達を追い越して行った青年が休んでいた。

そこで彼と少し会話してみると、驚いた事に彼は隣町に住み、そして私達の住む直ぐ近くに勤務していた。

     大船山              立中山
       ↓                 ↓






 私達は彼より先に坊ガツルを後にしたが、写真は坊ガツルが見えなくなる直前に写したものである。














 写真はその後の登山道の様子だが、今朝は霜柱がガチガチ!に凍っていた登山道は、

 この日の快晴で霜柱が融け、登山道の多くの場所が写真のようにぬかるんでいて歩き辛かった。









 私達が雨ヶ池近くまで下りると、先程の青年が追い付いて来た。


 それからは3人で会話しながら、長者原まで1時間近く一緒に下山した。


 歩きながら彼の山歴を聞いて私達は驚いた。


 彼は或る大学で山岳部の部長を務め、そしてヒマラヤには3度行った事があるとの事だった。


 ネパールでも数ヶ月間アルバイトをしながら、ヒマラヤに行っていたそうである。


その内の1度は、エベレスト山頂まであと200m地点まで登ったが、そこで荒天になり撤退したとの事だった。

その時に標高が高くなると一眼レフカメラのシャッターは凍り付いて使い物にならなかったが、使い捨てカメラはそんな時でもシャッターが切れたので重宝した!とか、

山頂近くでは4回息をしてから1歩進んでいた!等と、彼は笑いながら話してくれた。

その他にも日本アルプスや八ヶ岳等の話をしながら1時間近くも彼と一緒に下りていたが、私は山の話に夢中になり彼の写真を1枚も撮っていない事に気付いたのは、

この山行記を書いている時だった。



それからエベレスト登山時の写真は、現在はCDに落として保管しているが、まだ自分のホームページは開設していないとの事だった。

それで私は彼に 『是非ホームページを開設して、その時の写真や体験をインターネットで公開して欲しい!、見たい人は私以外にも沢山いる筈だ!』 と話した。

そして私のホームページとE−メールアドレスを彼に伝え、『自分のホームページを開設したら連絡して欲しい!』 と話した。

そう云う事で、彼がホームページを開設したら連絡が入る事になっていますので、山好きの皆様も楽しみにしてもう暫らくお待ち下さい。



それからこれは余談になりますが、彼はまだ独身で現在花嫁募集中との事ですので、この山行記を読んでいる方で、

     1.独身女性で健康で山好き  = 絶対条件

     2.若くて優しくて子供好き    = 必要条件

     3.スマートで綺麗         = 十分条件 (この条件は自称でも構いません・・・笑)

     4.ジジババ抜きで持参金付き = 結構条件 (笑)

等の条件がなるべく多い方で、彼(好青年です!)に興味の有る方はごましお山荘にご一報下さい。(この度、ごましお山荘では結婚紹介業も始めました・・・笑)


 長者原のタデ原まで下りて写真の木道を歩いていると、木道の広くなった場所で二人の若い女性が山に向かって、

 動作を合わせながら手足をゆっくり動かしていた。


 それで私が 『それは太極拳?』 と尋ねると、『イイエ!違います、気功です!』 との答えが返って来た。


 そこを少し通り過ぎてから後ろを振り返ると、彼女達はまた気功を始めていたので、

 私が笑いながら 『ハ〜イ!、こっちを向いて〜!』 と言って写したのがこの写真です。




            三俣山     硫黄山の噴煙   星生山
              ↓             ↓     ↓





 この写真はその後、木道の上から硫黄山の噴煙等を写したものです。



 今日は少し風が有ったが寒くは感じず、そして1日中写真のような快晴の山日和だった。



 私達は今回の主目的だった 『御池の凍結』 を見る事が出来たので、満足しながら下山した。











今日の山歩きをまとめると

           長者原(7:45)〜1時間10分〜雨ヶ池(8:55)〜45分〜坊ガツル(9:40/9:50)〜1時間10分〜段原(11:00/11:05)〜

                          20分〜大船山山頂&御池(11:25/12:25)〜20分〜段原(12:45)〜55分〜坊ガツル(13:40/13:55)〜

                      1時間50分〜長者原(15:45)で、万歩計は33507だった。



最後に、今回の場所と殆んど同じ場所から以前に写した、紅葉し始めた御池の写真がありましたので、下に今回の写真と並べて掲載します。

紅葉し始めた、御池(2005年10月9日)
凍結した、御池(2010年1月24日)

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