仰 烏 帽 子 山(1302m)


2009年(平成21年)2月15日   晴れ   微風


今回は写真でしか見た事の無い 『福寿草』 に逢いに行く事にした。

この花には大分前から逢いたいと思っていたのだが、咲く場所が割と遠くの山中で、そして花季が2〜3月の積雪期と重なる為に中々実現できずにいた。

当地からその山に行くには、途中で779mの大通峠を越えねばならず、また登山口も標高が800m近くあるので、途中の道路凍結が怖いのである。

つい最近その山に登られた数人の方達のホームページを見ると、福寿草はもう満開に近いとの報告だった。

それで、その山の登山口までの道路情報をインターネット等で調べてみると、途中での道路凍結や道路崩壊等による通行規制も無かった。



仰烏帽子山には11年前(1998年)に子供と一緒に登った事があった。

その時は今回と同様に 『元井谷登山口』 から登る予定だったのだか、途中の林道が崩壊して工事中だった為に、急きょ大回りして 『椎葉谷登山口』 に行き、

その夜は登山口でキャンプして翌朝から登った。

その時に案内板等見て、この山には 『福寿草』 が咲く事を知った。

しかしその時は5月だった為に既に花期は過ぎていたし、そして当時の私は子供と一緒に九州百名山に登る事が主目的で、花には殆んど興味が無かった。



天気予報では15日の夜からまた寒波が来るとの事だったので、13日にオバさんと首脳会談を行い、14日は登山口に泊まり、15日の朝から登る事に決定した。

九州には 『福寿草』 の咲く山は少なく、また15日は日曜日の為に、当日はその山には九州中から沢山の登山者が押し寄せる事が予想された。

現在、『元井谷登山口』 には駐車場が無い為(大分下の方に駐車場?が工事中だった)、その登山口周辺で林道が広くなった路肩に駐車する事になる。

私達はそこには既に数台の車が駐車しているのでは?と予想していたのだが、到着した17時半には1台の車も無かったので、いささか拍子抜けの感じだった。

 左写真が当夜の宴会料理である。


 当夜は暗くなり始めた18時半頃から飲み始め、20時前位に宴会は終了した。


 その後、歯磨きしながら空を見上げたら、そこには普段見る数倍の大きさに光り輝く、無数の星が瞬いていた。


 歯磨き後はもう何もする事が無いので、20時頃には二人ともシュラフに潜り込んで寝てしまった。


 山に来ると、テレビも見らずに当世の幼稚園児より早く寝るので、健康に大変良いと思う。(笑)



夜の間に誰か来るかも知れないねー?等と話しながら寝たが、朝まで誰も来なかった。

最初の車が来たのは、周りはまだ真っ暗な6時10分頃だった。

私達は6時前から目覚めていたのだが、外は寒そうなので明るくなってから起きる事にしていた。

外がかなり明るくなった6時半頃に私達が車外に出てみると、その車の方は単独の中年男性で身支度中だった。

少し話してみると、福岡市にお住まいの方で深夜2時頃に自宅を出たとの事だったが、その方は7時前には出発して行った。

私達はお湯を沸かして、コーヒーとパンで朝食にしたが、食事中やその後の身支度中に4〜5台の車がやって来て、次々に出発して行った。

その中の或るグループの方達は、2〜3日前の熊日新聞に仰烏帽子山の福寿草が写真入りで大きく報道されたので、今日は大変混雑するのでは?と言っていた。






 私達が出発した時刻はちょうど7時半で、左写真はその時の 『元井谷登山口』 の様子だが、

 このカーブ部分には写真のようにまだ1台の車も無かった。








下のコース概念図は上掲写真の道路から少し登った所にある案内板の地図に、私が説明等を書き入れたものである。

コース概念図(緑色の点線が歩いたコースで、黄色は順路)







 左写真は登り始めて5分位の景色だが、写真のように大小の岩ばかりの涸れ沢の中や、沢に沿って登って行った。















 登り始めて30分位?すると、写真のようにロープが張られた立入禁止区域が現れた。












 その両側の斜面にはポツポツと小さな黄色い花が見えたが、早朝の為に?まだ開花していないようだった。


 左写真はそんな所でロープの直ぐ横にあった、1番開花している花である。


 私達は 『福寿草』 とは初の出逢いだったが、『思っていたより小さな花だねー!』 等と話していた。









 この道標は出発してちょうど1時間で着いた 『元井谷・仏石分岐』 である。


 『仏石=0.5km』 、『山頂=1.5km』 とあった。


 今日は時間があるので、私達はまず山頂に行き、下山時に仏石に行く事にしていた。







 その後は尾根筋の道を25分ほど歩くと、左写真のような 『展望台分岐』 に着いた。


 私達はまず山頂に登った後、この分岐まで戻り、仏石に向かう予定である。


 尚、4〜5日前に登った方の写真では、この付近の樹の枝には霧氷が付き、とても綺麗だった。


 もしかしたら今朝も見れるかも?と少し期待していたが、暖かい日が数日続いた為に霧氷は出来なかったようである。





下の写真は 『仰烏帽子山=のけえぼしやま=1302m』 の山頂と、そこからの景色である。

山頂からは360度の展望で、周りは写真のように雲海が掛かり、遠くの高い山が雲海から少しだけ姿を見せていた。

『元井谷登山口』 を私達より早く 出発した人達だけでも10人以上いたので、山頂には何人か居るだろう?と思っていたが、予想に反して誰も居なかった。

どうやら他の人達は 『元井谷・仏石分岐』 から 『福寿草』 の群生地がある 『仏石』 方面に直接向かわれたようである。

私達が山頂に居ると一人の同年代の男性が登って来た。

『椎葉谷登山口』 から直接山頂に登って来たとの事で、下山時に 『元井谷・仏石分岐』 から 『仏石』 を経由して下りるとの事だった。

その方と山の話をしたり、景色を眺めて風景写真を撮りながら、山頂で15分ほど休憩した。

尚、『仰烏帽子山』 の事を、普段私達は 『のけぼしやま』 と呼んでいるが、正式名称は 『のけえぼしやま』 との事である。


仰烏帽子山山頂

東南東の景色で、
       市房山(1721m)

南南東の景色で、
白髪岳(1417m)     .
↓           .


 山頂で15分ほど休憩してから、前掲写真の 『展望台分岐』 まで戻り、展望台の方に下りて行った。


 展望台はその分岐から2〜3分位?下りた、直ぐの所にあった。


 左写真がそこからの景色だが、そこは谷を見下ろす岩の上だったが、山頂ほどの展望は無かった。


 しかしそこには誰も居なかったので、私達はコーヒーを飲みながら行動食を食べ、この展望台で10分ほど休憩した。







 左写真は下山時の様子だが、この椎葉谷からの登山道は元井谷からの登山道に比べると、

 全体的に道標等が少なくて踏み跡も薄く、少し荒れていて歩き辛く感じた。


 『椎葉谷登山口』 からの方が山頂までの所要時間は少ないようだが、

 登山者は 『元井谷登山口』 からの方が多いのだろうか?










 この案内板が 『展望台』 から約25分で着いた、『椎葉谷・仏石分岐』 である。


 ここからは急斜面を九十九折りに登って行った。












 上の、『椎葉谷・仏石分岐』 から九十九折りの登山道を約20分登ると、左写真のような 『仏石』 に着いた。


 そこは30〜40人の登山者で賑わっていた。










 その場所には左写真のような福寿草の小群落があり、多くの人が写真を撮っていた。


 私と並んで写真を撮っていた方に、『私は今日初めて福寿草を見ましたー!』 等と話しながら写真を撮っていたが、

 その方はこの山に何度も見に来られたとの事で、『この先にもっと凄い群生地がありますよ!』 と教えてくれた。


 早速、私達はその場所に向かった。













 『仏石』 から更に15分ほど歩いた所にその群生地はあった。



 その群生地は南向きの開けた、縦=30〜40m位?、横=100m位?の斜面にあり、

 その斜面全体に左写真のような状態で福寿草が咲いていた。













その斜面一帯はどこも下写真のような状態だった。

そこは立入禁止の規制がされていないので私も少し歩き回ったが、花を踏み付けないように気を遣う程だった。


福寿草は写真のように満開状態で、どの花も陽の光を浴びて黄金色に輝いていた。

そこは私の思っていた以上の群生地で、私はそれらを見ながら 『これらの花が純金で出来ていたら良いなー!』 と思ったりもした。(笑)

尚、殆んどの花が満開状態の為に下・右写真のような蕾は、岩の隙間や木陰部を良く探さないと見付からない程だった。




 その斜面の花の咲いていない場所では、大勢の登山者が昼食を食べたりして休憩していた。


 私達も岩の上に腰掛けて、コーヒーや行動食を食べたり、写真を撮ったりして暫らくその群生地で休んだ。


 左写真はその群生地を発つ時に写したのものだが、後から後から続々とこの群生地にやって来る人達は

 ザックを下ろしもせずに写真撮影に夢中だった。













 私達は再び仏石の場所まで戻ったが、そこにも多くの登山者が居て、写真撮影をしていた。


 尚、この時に仏石の頂上に写真のように二人の姿が見えた。


 その頂上から下りて来た人は中年の御夫婦だったが、その方達に 『危険な所がありましたか?』 と尋ねると、

 『そんなに怖い所はありませんでしたよ!』 との返事が返って来たので、早速私達も登ってみる事にした。











私達はザック等を岩の基部に置き空身で登ったが、岩全体の半分位にロープがあり、5分足らずで?簡単に登れた。

下写真は仏石の頂上で写したものである。

頂上に居られた仏様
頂上から下を写したもの




 仏石からは 『元井谷・仏石分岐』 まで戻り、そこからは往路と同じ道を下りた。


 登る時は朝早かった為か?、福寿草はまだ蕾んでいて余り目立たなかったが、

 復路ではその多くが開花していたので、案外多くの福寿草を見掛けた。








 左写真は 『元井谷登山口』 に到着して、出発時と殆んど同じ位置から撮影したものである。

 出発時はこのカーブ部分には1台の車も無かったが、到着時は写真のような状態だった。

 そこから見える林道の上方や下方の路肩にも、多くの車が駐車しているのが見えた。

 その後私達は車で林道を下りたが、その時に登山口からかなり下りた所にも沢山の車が駐車しているのを見掛けた。

 車のナンバーを見ると、九州各県の他に本州ナンバーの車も有ったので、

 今日は各地から大勢の山好き・花好きの人達が、この仰烏帽子山の福寿草に逢いに来たようである。





今日の山歩きをまとめると、

        元井谷登山口(7:30)〜1時間〜元井谷・仏石分岐(8:30)〜25分〜展望台分岐(8:55)〜15分〜仰烏帽子山山頂(9:10/9:25)〜

                        15分〜展望台(9:40/9:50)〜25分〜椎葉谷・仏石分岐(10:15)〜20分〜仏石(10:35/10:40)〜

                        15分〜福寿草群生地(10:55/11:45)〜15分〜仏石と岩登り(12:00/12:15)〜

                        10分〜元井谷・仏石分岐(12:25)〜55分〜元井谷登山口(13:10)で、万歩計は20433だった。



この記録を書いている17日の情報では、15日夜からの寒波の為にこの付近の山々は積雪したそうである。

今行けば雪の中から顔を出している、健気な福寿草や、山頂付近では奇麗な霧氷が見れるかも?知れない。

しかし、そうなると私達は途中の道路凍結が怖くて行けない。

それで今度行く時は、福寿草群生地と山頂付近だけに雪が降って欲しいと思う。(笑)



ところで、私は初めて縁起の良い福寿草に出逢った。

それで今、ジャンボ宝くじを買えば1等の 『福』 を引き当てたり、素敵な縁談話が舞い込む 『寿』 が来るかも?、と一人で秘かに期待しながらニッコリしているところです。(笑)

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