鳴子山 〜 白口岳


2006年6月18日  曇り後晴れ  微風


5月下旬から体調を崩していたオバさんが最近は大分調子を取り戻したようなので、今日は久し振りに一緒に山登りに行く事にした。

先週の日曜日は地元の山(高良山=312m)に自宅から歩いて登ったが、それは山登りと言うよりもオバさんの回復状態を見る為に散歩の延長のようなものだった。

九州地方は既に梅雨入りしているが、前日の天気予報では日曜日の九州北部地方は晴れ予報だったので、山登りに行く事にしたのである。

それでオバさんと前夜にサミット会議を開き、くじゅう連山の中でまだ登った事の無い 『鳴子山=なるこやま=1643m』 に登り、

まだ実物を見た事が無い 『オオヤマレンゲ』 の花を見に行こう!と意見の一致をみていた。



 登山口のある沢水の展望台に着いたのは9時20だったが、数十台分の広さがある駐車場はほぼ満車だった。

 去年の秋(10月)の紅葉シーズンには、この展望台の下の方に駐車してこの展望台駐車場を通り、

 白口岳〜稲星山〜久住山と歩き、南登山道を下る周回登山をした事があった。

 私達が身支度をしている時に、私達より少し前にマイクロバスで到着していた団体の方達が

 音楽を鳴らしてラジオ体操を始めた。 私もその音楽に合わせて少しだけ便乗体操をさせて貰った。

 駐車する前にその団体の中のお一人と会話していたが、その団体は私達が住む久留米市近くの

 山の会の方達で、会員の中には久留米市に住んでいる方もおられますよ!との事だった。



 その駐車場を歩き始めたのは9時35分だったが、写真のように私達の直ぐ前を2組の団体が歩いていた。

 去年の秋に登った時はこの駐車場を右折して、くたみ別れを通る 『表登山道』 を歩き、

 鉾立峠を経由して白口岳に登ったが、今回は駐車場を直進して稲星山に登る 『本山登山道』 を歩く事にした。

 この 『本山登山道』 は8年前に子供と一緒に登った事があった。 しかしその時の記憶としては、その前年位の

 台風の影響で登山道が崩壊していて大回りした事、後続の登山者が登山を断念して引き返した事、そして5m先が

 見えない凄い霧が発生し、その霧が晴れるまで稲星山の山頂で1時間近く避難していた事しか記憶に無く、

 『本山登山道』 の事は記憶に無かった。(それ以外の事はアルツハイマーの影響で全く記憶に無い・・・涙!)








 前夜の天気予報ではくじゅう地方も快晴予想だったが、

 前方に見える筈のくじゅう連山は写真のように白い雲で覆われ、その全容を見る事は出来なかった。








今回はオバさんの体調を考慮してゆっくり歩く積もりだったのと前の団体から離れる為に、林道脇で見掛けた下写真のような花を撮影しながらゆっくり歩いていた。

スイカズラ
シモツケ







 駐車場から10分程歩くと写真のような標識があり登山道は林の中に入ったが、

 そこの少し広くなった林道脇にも1台の車が駐車していた。












 上写真から林の中に入り込んだが、3〜4分でまた写真のような林道に出た。

 林道には写真のように車止めがしてあり、これから先は一般車両の進入は出来ないようである。

 しかしこの少し手前に4〜5台は駐車出来るスペースがあった。













 それから暫らくの間は写真のような 『コガクウツギ』 を多く見掛けた。















 また薄暗い登山道では写真のように落ちていた、白い 『エゴノキの花』 が印象的だった。














 駐車場を歩き初めて1時間近くした所で、先程の団体の方達が休憩してあったので追い越した。

 その付近以降からは写真のように大小の岩ばかりの険しい場所が多くなって来た。

 そしてその付近では霧雨が少し降って来た。

 しかし、その霧雨は火照って汗を掻き始めていた私の身体には、気持ちが良い位だった。















 この写真はその付近から登山口の有る久住高原を写したものである。









上写真から30分ぐらい歩くと下写真のような 『ベニバナニシキウツギ』 の花を多く見掛けるようになった。

ベニバナニシキウツギの花
左写真のUP





 尚、この付近で福岡市や太宰府市に住み、私達と同年代の4人の方達と一緒になり、色々と話しながら登っていた。

 そのリーダーの方は最近もこのコースを登ったとの事だったので、私達はそのグループの後に付いて登る事にした。

 この付近からは時々薄日が射すようになり、今日は風が殆んど無いので私は沢山汗を掻き、

 2人ともポカリや麦茶をゴクゴク飲んでフゥ〜!フゥ〜!言いながら登っていた。






登り始めて2時間位すると、周囲には下写真のように 『ミヤマキリシマ』 や 『ドウダンツツジ』 を少しずつ見掛けるようになった。





 そして登り始めて2時間25分で写真のような 『稲星越=いなほしごえ』 と呼ばれる場所に着いた。

 時間はちょうど12時だった。

 『稲星越』 は 『稲星山』、『白口岳』、『中岳』 等を見渡せる鞍部で、そこでは20人前後の登山者が昼食中だった。

 私達も4人グループの方達と隣り合わせで昼食にする事にした。






 『稲星越』 からは少し遠くに、写真のように山頂部をピンク色に染めた 『平治岳』 も見えていた。

 その 『平治岳』 には私のネットフレンドである 『四国の釋護法さん御夫妻』 が前々日(16日)に登ってあり、

 その時の様子を 『満開のミヤマキリシマ』 の写真と共に送って頂いていた。

 その写真を見ると 『平治岳』 の 『ミヤマキリシマ』 は今が最盛期のようだった。

 今年は去年より 『ミヤマキリシマ』 の開花時期が少し遅れているような気がする。

 テレビニュース等を見ると今年は日照時間が少なくて野菜の成育が悪く、野菜価格が高騰しているらしいが、

 『ミヤマキリシマ』 の開花も日照時間や気温等に影響されるのだろうなー?と思った。





 去年のくじゅう連山の 『ミヤマキリシマ』 は10年ぶりの当たり年だったらしいが、今年は虫害で去年程では無いと聞いていた。

 しかし 『稲星越』 から見る限りでは今年も見事な咲きっぷりだった。

 そのように周りに見える満開の 『ミヤマキリシマ』 を眺めながらの昼食は、また格別に美味しく感じた。

 『稲星越』 で40分ほど昼食休憩してから、また4人グループの方達と一緒に 『鳴子山』 に向かう事にした。

 左写真は少し歩いた所で撮ったものだが、1番奥に見えている山が 『鳴子山』 である。










 『鳴子山』 に向かう登山道は狭く、また岩場が多いので登山者と擦れ違うのは結構大変だったが、

 その登山道の所々には写真のように 『ミヤマキリシマ』 が咲いていた。












 左写真は上写真で背後に見えている山のUP写真である。

 左が 『平治岳』 で、右が 『北大船山』 だが、

 どちらの山頂部も 『ミヤマキリシマ』 でピンクになっているのがお分かり頂けると思う。












 上写真から少し歩くと眼下に小さな池が見えて来た。

 私達は今迄に何回ともなくくじゅう連山に登ったが、この池を見たのは初めて?だった。

 4人連れのリーダーの方にお尋ねすると、『片が池』 と言う名称だった。

 もしかしたらこの池は 『稲星越〜鳴子山』 途中の登山道からしか見えないのではなかろうか?















 また途中では写真のようにまだ蕾の 『シャクナゲ』 があり、かなりの奥手で調子外れの花だな〜!と思った。(笑)









それから、この近くで擦れ違った中年の女性が訊ねもしないのに、『オオヤマレンゲは蕾だけで、まだ咲いていませんよ〜!』 とガッカリするような事を言った。

それは読み始めたばかりの推理小説の犯人を教えられたようなもので、期待感やワクワク!ドキドキ!感等の楽しみを奪われた私は少し憤慨しながら、

そして少しガックリしながら歩いていたが、その 『オオヤマレンゲ』 の樹は急激に下る狭い岩場脇に数本あった。

最初の樹には蕾だけしか無かったが、直ぐ横の樹の奥の方に下写真のように1輪だけ開花しているのを4人グループの方が見付けた。

私達は1輪だけしか開花していないその貴重な花を順番待ちをして写真に撮った。



4人グループのリーダーの方は私より5歳位?御年配の方であったが、その方も数十年の登山経験の中で初めてこの花を見たと喜んであった。

『オオヤマレンゲ』 は咲く場所が少なくて、又この時期にしか咲かないようである。

そしてその開花時期は梅雨時期と重なる。

その為に、梅雨時期は登山を避ける人が多いので、登山暦が結構長い人でも実際にこの花を見た人は少ないようである。

もちろん私達も初めてで、今日の大きな目的が1つ叶って、私もとても嬉しかった。

そして今回は特に1輪しか開花していなかった勢か、『オオヤマレンゲ』 を言い表す言葉で別名として良く使われるように、その花には 『山の貴婦人』 の気品を感じた。

しかし私の事を最も適切に言い表す言葉であると思われ、また私への別名として良く使われる 『山の貴公子』 と呼んでも良いのではないか?と、思ったりもした。(爆)



『オオヤマレンゲ』 の花は写真のようにまだ蕾のほうが断然多かったので、今年は6月一杯位の間は見頃が続くのではなかろうか?

尚、私は 『鳴子山』 の 『オオヤマレンゲ』 は割合有名なので、その付近一帯に沢山咲き乱れているとばかり思っていたが、その樹はあまり多くは見掛けなかった。

しかし後で他の登山者の方に聞いてみたところでは、その付近の高い岩等に登って見ると、最盛期にはかなりの花を見る事が出来ますよ!との事だった。

オオヤマレンゲの蕾ー1
オオヤマレンゲの蕾ー2
1輪だけ開花していたオオヤマレンゲ







 この写真が 『鳴子山=なるこやま=1643m』 の山頂だが、『稲星越』 から約30分掛かっていた。

  『鳴子山』 の山頂は狭くて日陰も何も無くて暑いので、風景を少し眺め写真を数枚撮ったら直ぐ下りる事にした。









 この写真は 『鳴子山』 の山頂から撮った登山口方面である。

 私は4人グループの方達の後に付いて登っていたので気付かなかったのだが 『本山登山道』 の途中で

 『稲星越』 に出る道とは別に、直接この 『鳴子山』 に登る道の分岐点があるらしい。

 山頂で風景を見ている時に、写真の尾根を登り下りしている人を見掛けたので、どうやらその道のようである。

 『稲星越』 から 『鳴子山』 の往路時に、途中で私達が追い越した団体の方達と擦れ違ったので、

 その登山道の様子を聞くと、道は狭くて岩場が多かった!と言ってあった。




この後は 『白口岳』 に登り 『鉾立峠』 を経由して下山する予定なので、昼食を食べた 『稲星越』 までは同じ道で戻った。

そのお陰で復路でも又 『オオヤマレンゲ』 を見る事が出来たが、後から良く考えるとザックは 『稲星越』 にデポして、空身でピストンすれば良かったな〜!と思った。

『鳴子山』 から 『稲星越』 までの復路も、往路と同じく約30分掛かり、『稲星越』 から 『白口岳』 へは約20分掛かった。

下写真は 『鳴子山』 〜 『白口岳』 の登山道で見掛けた花達である。

コケモモ
マイズルソウ と ミヤマキリシマ
コバノガマズミ


ノギラン
?1
?2







 この写真は 『白口岳』 の山頂に着く少し前に写した 『白口岳』 の山頂付近と 『中岳』 の様子である。

 どちらの山にも写真のようにかなりの 『ミヤマキリシマ』 が満開だった。













 この写真は 『白口岳』 の山頂から写した、先程登った 『鳴子山』 方面を写したものである。

 1番左の山が 『鳴子山』 で、『オオヤマレンゲ』 はその手前の鞍部付近に咲いていた。













 この写真は 『白口岳=しろくちだけ=1720m』 の山頂だが、後方の山は 『平治岳』 である。

 この 『白口岳』 には去年の秋にも登っているので、風景写真を数枚撮ったら直ぐ 『鋒立峠』 に下りる事にした。













 この写真は 『鋒立峠』 に下りる途中で写した 『坊がつる』 だが、

 現在の時刻の勢もあるかも知れないが、1つのテントも見えなかった。













 この写真の岩は去年の秋に 『鋒立峠』 から 『白口岳』 に登る時に、私が勝手に名付けた 『亀岩』 だが

 まだ崩れずに健在だった。













 しかしその 『亀岩』 も上の場所から少し下がった位置から見ると、今度は私には 『鳥』 のように見えた。

 このように岩は見る角度によって色々な形に見えるので、名前を付けるのも難しいものだな〜!と思った。













 『白口岳』 からの下山道は最初は岩場が多いが、

 途中からは粘土質の黒土が多くなり、そこでは写真のように滑った跡が方々にあった。













 この写真は下る途中に写した 『鋒立峠』 のベンチで休む人達だが、

 あの中には上写真の黒土部分で滑り、お尻が泥んこの人が数人いる筈である。(笑)













 この写真は 『鋒立峠』 に着いてから写した 『三俣山』 だが、

 その麓に小さく赤い屋根が見えるのが 『法華院温泉山荘』 の屋根である。













 この写真は 『鋒立峠』 で上写真と反対方向を写したものだが、下に見えるのは 『佐渡窪』 の湿原である。

 そのコースは去年の秋に沢水キャンプ場から登る時に歩いたが、下山時は初めてである。








下の花達は 『鋒立峠』〜『登山口』 までの下山時に見掛けた花々だが、今の時期の山中では場所によって、遅咲きの春花と早咲きの夏花を同時に見れるようである。

ノアザミ
ナルコユリ
ヤマアジサイ


ウマノアシガタ
ニガナ
ケキツネノボタン


ヒメジョオン
ヤマツツジ
?3








 この写真のように、純白の 『ネジキ』 の花も咲いていた。















 又、登山道脇にはこの写真のように熟れた 『キイチゴ』 も結構多く、私はそれらを食べながら歩いていた。









下写真は今回の山行中に方々で良く見掛けた 『ドウダンツツジ』 だが、写真のように色々な色があった。








 この写真は駐車場に着く少し前に登山道から写したくじゅう山群だが、

 久住山、中岳、稲星山、鳴子山、白口岳等が見えていた。








駐車場に着いたのは4時25分だったが、もう数台の車しか残っていなかった。



今日の山行をまとめると、

        (登山口)〜2時間25分〜(稲星越)〜30分〜(鳴子山)〜30分〜(稲星越)〜20分〜(白口岳)〜45分〜(鋒立峠)〜25分〜(佐渡窪)〜15分

              〜(鍋割峠)〜35分〜(くたみ別れ)〜25分〜(登山口)で、合計所要時間(昼食休憩は含まず)は6時間10分で、万歩計は22437だった。



今の時期は陽が長いので明るい内に自宅に帰り着いた。 入浴後にオバさんと乾杯したが、オバさんも 『ビールがとても美味しい!』 と言ってグイ!グイ!飲んでいた。

今回はオバさんにとっては体調を崩して以来、約1ヶ月ぶりの山登りだったが、帰宅後も手足が少し凝っている!と言っている位で、とても元気だった。

体調を崩している間は 『ビールが苦くて美味しくない!』 と言って全く飲んでいなかったが、この様子であればもう大丈夫だろう!

オバさんは 『身体が頑丈!』 だけが取り柄で、これまでは風邪をひいた時位しか病院には縁がなかった。

しかしやはり人間は男女を問わず、『寄る年波には勝てない!』 ようだが、『何と言っても健康が1番!』 ですので読者の皆様方も御身体には十分注意されて下さい。



それからオバさんも私と同様に、自分の体調をはかるバロメーターが、ビールを飲んで美味しく感じるかどうか?のようである。

今回は割りとハードな山行だった。 しかしオバさんはそんなに疲れた様子もなく下山した。

そして晩酌時には以前のように 『今日も元気だ!ビールが旨い!』 状態だったので、どうやらオバさんの体調は元に戻ったようで私も安心した。

しかし、今後は私一人で飲んでいた時に比べて倍以上の速さで無くなるかも知れない?ビールの事が、私は心配になり始めたのだった。(笑)

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