一ノ峯 二ノ峯 冠ヶ岳


2006年4月9日  晴  弱風


今日は何処の山を歩こうか?と、昨夜はオバさんと相談しながら呑んでいた。 今日、山歩きをしたい場所の候補は5ヶ所あった。

そして、まだ歩いた事の無い阿蘇南外輪山の一角を歩こう! と結論が出た時は、私はかなり酩酊していた。



 翌日は早朝に起きれるかな〜?と少し心配したが、今朝は二日酔いの症状も無く、予定通りに起きる事が出来た。

 昨夜の天気予報では今日は 『晴れ』 との予報だったが、空は薄い雲に覆われていて陽は射していなかった。

 日曜日早朝の筑後川沿いの道路は非常に空いていたので快調に飛ばしていたが、

 ふと耳納連山の方を見ると、写真のように朝霧が帯状になって山裾に長く棚引いていた。

 私は耳納連山でこのような光景を初めて見たので、車を停めて写真に撮った。











 そこから少し走った筑後川沿いの道路脇は写真のように、黄色の菜の花と白色のダイコンの花?が満開だった。











 その後の道路も空いていたので快調に飛ばす事ができ、途中では阿蘇の 『草千里』 を通った。

 去年、ミヤマキリシマの開花時期に 『草千里』 に来た時は修学旅行生などで賑わっていたが、

 今日は観光客も少なく、ひっそりとしていた。

 『烏帽子岳』 麓の 『草千里』 の馬乗り場では写真のように、幼児が1頭の馬に二人乗りして引き馬をしていた。

 私はこの光景を見ると、私の子供も小さい時にここを訪れる度に、馬に乗っていた事を懐かしく思い出す。









 その後は阿蘇パノラマラインからグリーンロードを通り、写真のような説明板のある地蔵峠の駐車場に着いた時は

 9時20分になっていた。 駐車場には既に10台近くの車が駐車していた。

 身支度をして歩き始めたのは9時30分だった。







駐車場から木造の階段や急坂等を5分ほど登ると、下写真のようなお地蔵様を祀ってある地蔵峠に着いた。

この地蔵峠は結構広く、また見晴らしも良い。 7年前にも子供と一緒にここから 『冠ヶ岳』 まで歩いた事があるので、この登山道を歩くのは2度目だが、

反対側への駒返峠まではまだ歩いた事が無いので、機会があれば歩いてみたいと思っている。


 尾根筋の広い登山道を15分ほど歩くと、またグリーンロードの上部に出る。 そこには駐車場は無いが、その道路の

 路肩にも登山者の車が10台ほど駐車していた。 その道路に出た時に写真のような女性とバッタリ出会った。

 道を尋ねて来られたので少し話をしてみたら驚いた。 頬かむりしてあるので年齢は良く分からなかったが、

 早朝に熊本市の水前寺公園を歩き始め、白水村にある 『一心行の大桜』 を見に行く途中との事で、ビックリ!した。

 ここまで既に4時間歩いて来たそうで、それはウルトラマラソンに備えての練習であるとの言葉に2度ビックリ!した。

 話を伺うと、そのウルトラマラソンは 『阿蘇カルデラ・ウルトラマラソン』 の名称で、50kmと100kmのコースがあり、

 近日中に開催されるらしい。 その方は50kmの方に出場予定との事だった。



 若い頃は日本全国の山に登っていました〜!と言われるので、失礼ですが今何歳ですか?とお尋ねした処、

 頬かむりを取って笑いながら71歳になります!との返事に3度目のビックリ!をさせられた。

 グリコのキャラメルより凄い人だった。(笑)

 そして軽やかな足取りでスタスタと歩いて行かれた。 ここから白水村の 『一心行の桜』 までは、まだ2時間近く掛かる

 のではなかろうか?  そして、その後も来た道をまた歩いて水前寺公園まで帰る訳である。

 去年、熊本市の 『金峰山』 に登った時に出会った年配の女性2人にもビックリ!させられたが、

 熊本には老若男女を問わず筋金入りの元気な方が多いので、本当に驚かされる。(怖い〜!・・・笑)









 グリーンロードからは写真のような階段を登る。 尚、写真のスマートな登山者はオバさんである。(笑)















 階段を登り切ると、そこは写真のように広くて気持ちの良い尾根筋の登山道だった。














 そんな登山道を10分ほど歩くと、道路脇に写真のような昔の境界標識があった。

 その標識には大正14年の文字と、当時の地名なのか? 『陣内錦野山西村』 の文字が刻まれていた。











 その境界標識から5分弱歩くと右側が少し開けていて、 枝に 『根子岳 眺望』 との標識がぶら下げてあったので、

 何だろう?と思ってそこから景色を眺めてみたところ、そこからは彼方に 『根子岳』 を遠望出来た。

 そこからの景色は写真のように実に見事で、恐らく日本三景(宮島、天橋立、松島)に次ぐものと思われるので

 皆様方も是非そこからの景色を堪能される事をお勧めします。(笑)












 その後の登山道は写真のような植林の中を通ったりする。















 植林の中の登山道を10分ほど歩き、少し開けた所に出ると左手に写真のように 『冠ヶ岳』 の山頂が見えた。















 その後の登山道の両サイドは写真のようにクマザサが多く見られるようになる。













 地蔵峠の駐車場から歩き始めて1時間で、写真のような 『冠ヶ岳』 への分岐標識のある広場に着いた。

 そこでは幼児を連れた10人弱の団体の方達が休憩中だった。

 その方達は 『冠ヶ岳』 へ登ったら帰る!との事だった。










 その後の登山道の一部には急坂のガレ場もあったが、登山道の要所要所には写真のような

 『たくま山の会』 の設置した道標があり、迷うような事は無いと思う。

 尚、写真で彼方に見えている山が 『俵山=1095m』 である。

 この場所からは俵山に向かう登山道に20人前後の団体の姿が見えていた。






これまでの登山道脇でも良く見掛けていたが、その後の登山道脇にも次の写真のようなアセビの花が満開だった。







 『冠ヶ岳』 への分岐点から30分で、写真のような 『一ノ峯』 への分岐点に着いた。

 直進すると 『俵山』 で、左折すると 『一ノ峯』 である。














 『一ノ峯』 への登山道は、写真のような植林とササの生い茂る細い道をグングン下って行く。









そんな登山道脇では下のようなの花を見掛けた。


クロモジ
ネコヤナギ?






 そんな登山道を20分ほど歩くと写真のように見通しの良い開けた草原に出た。

 奥に見える山が『一ノ峯=858m』 で、手前の山が 『二ノ峯=860m』 である。













 そんな草原の登山道ではフキノトウを見掛けたので、今晩の酒のツマミにと思って付近を少し捜したが

 どれも写真のようにトウが立っていて食べられるような物は1個も無かった。(今晩はツマミが無〜い・・・涙!)








この付近ですれ違った登山者にお尋ねしたところ、この付近一帯は2週間前に野焼きが行われたとの事で、その野焼き跡の大地からは

ゼンマイとワラビがあっちこっちで顔を出し始めていた。 しかし、下写真のようにまだ小さかったので私は採らなかった。






 『一ノ峯』 の分岐標識から65分で写真のような 『一ノ峯』 の山頂に着いた。

 山頂では1組のご夫婦が食事中だった。

 尚、後方の山は 『俵山』 である。










 この写真は 『一ノ峯』 山頂から 『二ノ峯』 を写したものである。

 私達は奥の方にある 『一ノ峯』 に先に登り、帰路に 『二ノ峯』 に登る予定にしていた。

 『一ノ峯』 山頂からは360度の展望で、菊池平野などの広がりが綺麗に見えていた。

 この山頂では10分ほど風景や花の写真を撮り、『二ノ峯』 に向かった。












 『二ノ峯』 に向かう途中の登山道脇では野焼き跡に写真のような花の若葉?やゼンマイ、ワラビ等を多く見かけた。









『一ノ峯』 山頂から 『二ノ峯』 山頂までは花の写真を撮ったりしてゆっくり歩いたが、30分で着いた。 『二ノ峯』 山頂も360度の展望だった。

下の写真は 『二ノ峯』 の山頂標識と、『二ノ峯』 の山頂から写した先ほど登った 『一ノ峯』 である。 『二ノ峯』 の山頂では女性3人パーティが食事中だった。







 『二ノ峯』 の山頂では風景写真を撮っただけで、直ぐ出発した。

 昼食は写真の登山道を登ったピークにある、高圧線の鉄塔地で食べる予定にしていた。











 鉄塔に向かう登山道でも花や木の芽などの写真を撮りながらゆっくりと歩いたのだが、30分で着いた。

 早速、鉄塔部の平地に傘シートを敷き、昼食を食べる事にした。

 眼前には今登って来たばかりの 『一ノ峯』 と 『二ノ峯』 が見える鉄塔部で、

 お湯を沸かしてインスタント味噌汁をすすりながら弁当を食べた。






食後のコーヒーを飲みながらふと傍らの地面を見ると、名前は知らないがホタルに良く似た虫が、下・左写真のように2匹のオスがメスの背中の上で喧嘩をしていた。

どうなるのかな〜?と、私はコーヒーを飲みながら黙って見ていた。

しばらくの間はその近くで口や手足?を忙しく動かして喧嘩をしていたが、数分?でやっと決着が付いた。

勝った方はその場でメスと交尾を始めたのだが、面白い事に負けた方は遠くに逃げずに、右写真のように直ぐ横の葉の陰に身を隠したではないか!

私にはその仕草が非常にイジケテいるように見えて可笑しかったので、思わず声を出して笑った。

交尾する方も人目に付かない静かな所に行けば良さそうなものである。 しかし、それにしても負けた方はサッサと遠くに離れれば良いのに、近くに居る為にいやでも

目や耳に入り、それでイジケテているのだろうと思って、また笑った。(彼女の事を諦め切れないのだろうか? 直ぐ次の彼女を探しに行けば良いのにね〜!・・・笑)


その後は地面に注意しながらその付近を少し歩いてみると、方々で虫さん達が交尾中だった。 

中には左写真のように直ぐお隣同士で励んでいる虫さん達が何組もいた。

その虫さん達の様子は、私はその実態は良く知らないが週刊誌等で良く見聞きする、夏の夜の日比谷公園や福岡の大濠公園のアベックみたい?だった。(笑)


そんな虫さん達の大事な営みを観察(お邪魔?)しながら45分ほど昼食休憩したので、再び帰路に着いた。





 その後は55分程で写真のような 『冠ヶ岳』 の分岐標識に着いたが、まだ時間に余裕が有ったので

 ちょっと 『冠ヶ岳』 に登って来る事にした。

 もう登山者の姿も見えないので近くにザックをデポし、空身で登る事にした。












  『冠ヶ岳』 への登山道は良く整備されていた。

 写真は歩き始めて5分位したところで前方の 『冠ヶ岳』 の山頂を写したものである。








山頂の少し下の地点に下写真のような 『簡易トイレ』 の標識があったので、ちょっと写真を撮って来る事にした。

この 『簡易トイレ』 の標識はグリーンロードから階段を登って直ぐの所でも見掛けていたので、この付近の山域に何ヶ所もあるのではなかろうか?

簡易トイレは標識から30m位?下りた所にあった。 写真のように簡単な構造になっていて、穴が満タンになったらどうやら埋めて横に新しく作り直すようである。

右写真のように、現在のトイレの奥にはつい最近埋めたような跡があった。


『冠ヶ岳=1154m』 の山頂には分岐標識から20分弱で着いた。 この山頂からの展望も下写真のように結構良かった。

また 『冠ヶ岳』 は写真のように色々な周遊コースがあるようなので、体力、持ち時間、好みに応じた山歩きをすれば良いと思う。


『冠ヶ岳』 の山頂では風景写真を撮ったら直ぐに帰路に着いた。 そしてそこから1時間20分ほどで地蔵峠の駐車場に帰り着いた。



今日の山歩きをまとめると

         地蔵峠駐車場〜(20分)〜グリーンロード〜(40分)〜冠ヶ岳分岐〜(30分)〜一ノ峯分岐〜(65分)〜一ノ峯頂上〜(30分)〜二ノ峯頂上

                  〜(30分)〜鉄塔〜(30分)〜一ノ峯分岐〜(25分)〜冠ヶ岳分岐〜(20分)〜冠ヶ岳頂上〜(15分)〜冠ヶ岳分岐

                  〜(45分)〜グリーンロード〜(20分)〜地蔵峠駐車場 で、合計歩行時間は6時間10分で、万歩計は31825歩だった。

地蔵峠の駐車場に着いた時は4時半近くになっていた。



それから今回の山歩き中には方々で色々な花を見掛けていたが、それらの場所を特定すると最近は盗掘が多いと聞くし、

実際に私も方々の山で盗掘跡を見掛けるので、今回はそれらの花の場所を特定せずに、まとめて紹介する事にした。



私は今回の復路中に盗掘者を実際に目撃した。 その男性は年配の単独者だったが、その男性の提げたビニール袋の中に、花が透けて見えていたのである。

そんな登山者が現実にいる事を私は大変残念に思っている!



下の花は登山道脇で良く見掛けたショウジョウバカマだが、写真のように色が異なるものがあった。


下の花はスミレだが、写真のように色や葉がすこしずつ違っていた。 スミレの種類は大変多いようなので、私には花名の区別はとても付かない。



下の花はハルリンドウ?だと思うが、色がとても清々しかった。 中には谷崎潤一郎の小説 『細雪』 に登場する、4姉妹を彷彿させるような花達もあった。


それから今日は5山あった候補の中で、この阿蘇南外輪山を選んだ理由の1つに 、もしかしたら 『オキナグサ』 と出合えるかも知れない?との期待があった。

ここ数日中に、ネットフレンドから私の掲示板に 『オキナグサ』 の花情報が数回届き、私も実際に見てみたい!との思いがあった。

先日から 『俵山』 で 『オキナグサ』 が咲いているとのお便りも頂いていたので、同じ山域のこの 『一ノ峯』 や 『二ノ峯』 にもある筈だと思っていたのである。

それで、この山域に入ってからは登山道を少し離れて野焼き跡を探したりしていたが、外側が目立たない保護色になっているので中々見付ける事が出来なかった。

その為か最初に見付けた時は、思わず 『アッタ〜!』 と、大きな声が出た程だった。 しかし1つ見付けると、次々に見付けるが出来た。

『オキナグサ』 は背が低く、また花が下を向いているので、写真を撮る為には低い体勢にならねばならず、そのお陰でズボン等が野焼きの灰で黒く汚れた。

『オキナグサ』 の花は最初は下を向いて咲いているが、花びらが大きく開くにつれて徐々に上を向いて行くのではないか?と思った。



   


                                        下 山 後


それから今日の山歩きで阿蘇南外輪山を選んだ理由の1つに、帰りに白水村にある 『一心行の大桜』 を見物したいとの思いがあった。

『一心行の大桜』 は、九州ではとても有名な桜である。 私は以前から1度は見たいと思っていたが、中々その機会が無かった。

『一心行の大桜』 の開花時期は観光バスも来て大変な人出と聞いていたので、見物者が少ないだろうと思われる夕方遅くに行こう!と思っていたのである。

しかし、その考えは甘かった。 その道路は夕方遅くになっても数km手前から 『一心行の大桜』 見物の車で渋滞していたのである。

今日は桜シーズンの最後の日曜日なので、同じ思いの人が多いようである。

大桜まであとどの位の距離があるのか?を、大桜を見終わって歩いて帰って来る人に尋ねてみたら、自分が来た時は渋滞の列はもっと酷かったですよ!と言われた。

停まっては少しだけノロノロと進む渋滞ぶりに私は忍耐の限度が来たので、道路の広くなっている路肩に駐車して歩く事にした。

そんな風にして歩いている人達は結構多かった。 次の花はそうして歩いている時に道端で見掛けた花達である。 スミレは群生している所もあった。








 15分ほど歩くと前方に駐車場が見えて来て、彼方にやっと 『一心行の大桜』 も見えて来た。



















 これは 『一心行の大桜』 の樹の下にある説明板である。













大桜の周りは下写真のように芝生が植えられて公園化していた。 大桜の周りは多くの人が見物していて、桜の花の数より人の方が多いのでは?と思う程だった。(笑)

大桜の1段下の場所には大きなテント村が出来ていて、そこも多くの人達で賑わっていた。

この大桜は確か去年?の台風で大きな枝が折れている為に、見る場所によってはいびつな形をしていた。

大桜の周りを一回りしたところで、6時で閉園になり、ライトアップはしていないとの放送があった。

私はその放送を聞き、これだけの人や車が一斉に帰り始めたらまた大渋滞になると思い、急いで帰ることにした。 しかし、歩いて帰る時でも車はまだ来ていた。

私はヤフードームにプロ野球の試合を見に行った時でも、試合終了と共にここに居る数万人の人達が一斉に動き出す事を思うと恐ろしくなり、いつも7〜8回で帰る。


今日は天気も良く、そして初めての 『オキナグサ』 や 『一心行の大桜』 も見れ、私は今日も1日気持ちの良い山歩きを楽しむ事が出来た。

読者の皆さん、山や野にはこれから色々な花が咲き、清々しい新緑の下を小鳥のさえずりを聴きながら歩ける、1年中で1番気持ちの良い山歩きの季節を迎えます。

可憐な山野草との出合いや素晴らしい景色等を求めて、あなたも弁当を持って山歩きに出掛けてみませんか?

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