白口岳(1720m) 〜 久住山(1787m)


2005年10月30日  晴れ  強風(山頂付近)


今日はくじゅうに紅葉見物を兼ねた山歩きに行く事にした。

今年はくじゅうに紅葉登山に行こうと思って、私達は10日位前から新聞、テレビ、インターネット等で九重の紅葉情報に注意していた。

それらの最近の情報ではくじゅうはここ数日が紅葉のピークだろう!との事だったので、それで本日のくじゅう行きになったのである。

今朝は大変早起きしたので自宅を6時少し前には出発できた。 外はまだ真っ暗である。

日曜日早朝のこの時間帯はほとんど車は通っておらず、今日も気持ち良く飛ばす事が出来た。

昨日寝る前の天気予報では今日は快晴の予報だったが、空を見ると黒い雲が多くて星は見えず、少し心配になる。






 そして天気であれば目の前にくじゅう連山が見える筈の瀬の本高原に入っても、

 写真の様に雲が多くてくじゅう連山の山容は見えず、益々心配はふくらむ。








 沢水キャンプ場近くの交差点横の駐車場に着いたのは8時少し過ぎで、103kmを約2時間で走っていた。

 その駐車場には1台の車も駐車していなかった。 

 数年前にこの駐車場の上の方にも駐車場が出来たので、皆そこに駐車しているのだろう。

 尚、私達が駐車した交差点を直進すると、先日 『大船山』 に登った時の七里田温泉・今水登山口に行く。

 今日は日曜日で快晴が予想され、そして紅葉のピークを迎えるとあって相当の混雑が予想された。

 それで人が多い登山を余り好まない私達は、登る人が少なく、そしてまだ登っていないルートを探した。

 そして探し出したのが時間的にも少しハードかな?と思える今回のルートだった。

 登る時はまだ歩いた事の無い、沢水〜くたみ分かれ〜鉾立峠〜白口岳を、下りは以前に1度歩いた事がある南登山道を通るルートを予定していた。

上写真で言えば、右の方から登って稜線部を歩き、左の方に下りてくるルートになる。

その為に登山口と下山口の中間点にあたる、この場所に駐車したのである。



駐車場の直ぐ横にある写真の様な舗装道路を歩き始めたのは8時15分だったが、

その時には晴れ男である私の念力が通じたのか、空の雲はほとんど取れて写真の様な青空が多くなっていた。

ずっと以前に上の駐車場が出来ていない時に、この道を歩いた事があるがその時はまだ舗装されていなかった。

その道路を歩いていると登山者が乗った車が次々に私達を追い越していった。 そんな舗装道路の両脇には次の様な花が多く咲いていた。

ヨメナ(ノギク)
ヤマラッキョウ

私達が停めた駐車場から20分弱で下の様な展望台のある駐車場に着いた。 そこには既に20台位の車が駐車しており、身支度中の人が大勢いた。

この駐車場で稲星山方面と大船山方面に道が分かれているが、私達は前回時に稲星山への道は歩いているので、大船山方面への登山道に入った。


その登山道は下の写真の様に狭いが、『くたみ分かれ』 まではずっとコンクリートで舗装されていた。

そんな登山道脇には盛りを過ぎた 『ツクシアザミ』 や下写真の様な花が咲いていた。

コンクリの細い道
キクイモ?
カワラボウフウ?






 細いコンクリ道を25分ほど歩くと写真の様な 『くたみ分かれ』 に着いた。

 ここで 『納池公園』 から来た道と合流する。













 そこから先は舗装されていない山道に入るが、その登山道脇には花は少なく、

 写真の様な 『マムシグサ』 しか目に付かなかった。














 しかし、写真の様な標識の前後では、まだ開花前の 『オオマルバノテンニンソウ』 の群生地が多かった。













 その付近から登山道には大小の岩が多くなり、急坂の 『鍋割坂』 を通って行く。

 『鍋割坂』 までは紅葉している樹等はまったく見られなかったが、そこを過ぎた頃から時折紅葉し掛かった樹が

 目に付く様になって来た。







そして下の様な 『鍋割峠』 ではかなりの紅葉を見る事が出来た。

鍋割峠の標識
鍋割峠にあるお地蔵様
鍋割峠の紅葉と、そこから見えた白口岳







 『鍋割峠』 から15分弱歩くと、『佐渡窪』 と呼ばれる木道のある湿原に着いた。 

 そこは写真の様に一面のススキヶ原であったが、周りの山肌が紅葉していた。

 写真の山は大船山の山裾に当たる様だが?、その斜面が一番綺麗に紅葉していた。
















 この写真は 『鉾立峠』 に登る途中に写した 『佐渡窪』 の全景である。









『佐渡窪』 から30分程で下の写真の様な 『鉾立峠』 に着いた。 この 『鉾立峠』 から風が非常に強くなって寒く感じ、二人ともベストを着た。 ここで5分ほど休憩した。

尚、ここまでの登山道では1組の御夫婦を追い越しただけで、外には誰にも会わなかった。 このルートを登る人は少ない様である。

『鉾立峠』
『鉾立峠』 の説明版
『鉾立峠』 から見た、三俣山と法華院温泉







 写真は 『鉾立峠』 から写した 『白口岳』 だが、写真の様に樹木はほとんど無い。














 その登山道はしばらくはそんなに坂道はないが、徐々に急坂になって行き、おまけに粘土質の黒土で滑り易く

 軍手をはめて草や木の根等を掴んで登って行った。














 そんな所の草の中には写真の様なリンドウの花が沢山咲いていたが、蕾のほうがまだ多かった。















 そんな急坂の左手の方には大船山が見えていたが、写真の様に中腹の紅葉が綺麗だった。














 この写真は右下の方に見えていた 『坊がつる』 だが、今日は7〜8張りのテントが見えていた。

 下の方を見ると私達と同じ登山道を10人前後の団体の方達が登って来ていた。












 この写真は3分の2位登った所で左側に見える岩である。 

 この写真では犬の様にも見えるが(オバさんは犬に見えたそうである)、私はその場で見た時は亀に見えた。

 それでこの岩には私が勝手に 『亀岩』 と名付けましたので、今後は皆さんもそう呼んで下さい。(笑)










 頂上近くになると写真の様な岩部分が多くなり、ロープを掴んで登って行く所が多くなる。

 そして、この付近から風が一層強くなり、帽子が吹き飛ばされそうになって、二人とも帽子留めをした。

 この付近で下りて来る単独行の男性2名に出会ったが、『白口岳』 頂上までに出会ったのは

 その2人だけだった。 悪路の勢か?このルートは利用者が少ない様である。










 写真の様な 『白口岳』 の頂上に着いたのは11時30分だった。

 後ろに見える山は先日私達が登った 『大船山』 である。

 尚、下写真も 『白口岳』 頂上から見えた風景だが、『中岳』 の山頂には20〜30人位の人達の姿が見えていた。







   稲星山       .
↓    .
   久住山           中岳
    ↓             ↓

『白口岳』 山頂では風が非常に強く、岩陰で行動食を摂り、5分位の休憩で 『稲星山』 に向かった。





 この標識は 『稲星山』 への途中にある 『稲星越』 だが、沢水の展望台駐車場にある登山届箱前の道を

 直進するとこの 『稲星越』 に辿り着く。

 尚、後ろに見えている山が先程までいた 『白口岳』 である。









 この写真は 『稲星山』 の山頂標識だが、後方の彼方に薄く 『由布岳』 と 『鶴見岳』 が見えている。

 尚、風はこの付近が一番強くて時々台風並みの風が吹き、この写真を撮る時も私は何度もよろけた。

 それから以前に子供と一緒にこの山に登った時は5m先も見えない程の霧が発生し、

 その霧が晴れるまでこの山頂下のお地蔵様の所で1時間近く避難していた事を思い出し、

 私はそのお地蔵様にお礼を言った。








 『稲星山』 から下りる時も風が非常に強く、二人とも身体を前に倒して、よろけながら歩いていた。

 この標識は 『稲星山』 と 『久住山』 の鞍部にある 『南登山道分岐』 だが、ここから 『中岳』 にも行ける。

 この分岐から南登山口に下りる南登山道があり、私達は 『久住山』 に登って来た後はこの場所まで戻り、

 南登山道を下りる予定である。










 この写真は上の標識から1つのピークを越え、『久住山』 の山頂が見えて来た所で写したものだが

 山頂部に沢山の人がいるのが見えて来た。

 しかし何故か?、風はこの辺りから弱くなってきた。









 この写真は 『久住山』 に向かう途中で下の方に見える、『久住山』 と 『中岳』 との分岐周辺の光景だが、

 写真の様に 『蟻の行列』 状態で登山者がずっと連なっていた。

 この登山ルートは 『長者原』 や 『牧ノ戸』 の登山口を始めとする色々な登山口からの登山者が集まるので大変多いのである。 

 この行列の光景を見て、今日は私達が歩いて来たルートを選んで良かったな〜♪ とオバさんと話す。












 『久住山』 の頂上は写真の様に、大勢の登山者で賑わっていた。

 その多くの人たちが昼食中で、あっちこっちから 『カンパーイ!』 の声が聞こえていた。













 これは 『久住山』 の山頂標識だが、標識の左側で直ぐ後ろの山が九州本土で1番高い 『中岳=1791m』 で

 その右後方に見えている山は 『大船山=1786m』 、標識の右側に見えている山は 『白口岳=1720m』 である。











 山頂標識に取り付けられている温度計を見てみると、10.5度だった。

 この山頂では 『白口岳』 や 『稲星山』 で吹いていた様な風はほとんど感じなかったが、

 それでも後方に写っている 『硫黄山』 の噴煙が棚引いているので、風は相当あったのだろう!

 体感温度は温度計よりかなり低かったと思う。









 山頂部は人が多いし、先程の写真でも分かる様に続々と登山者が登って来ているので、

 私達は写真を撮ったら直ぐに引き返す事にした。

 山頂には5分もいなかったかも知れない。

 左の写真は元来た道を引き返す時に、見掛けた 『リンドウ』 だが、写真の様に蕾だけしかなかった。











 前掲した、『久住山』 と 『稲星山』 の鞍部である 『南登山道分岐』 まで戻り、南登山道を下り始めると

 直ぐ 『神明水』 の湧水があるが、左写真はその谷の紅葉の様子である。










 『南登山道分岐』 から5分ぐらい下りた所に、風の弱い平らな所があったので、そこで昼食にする事にした。

 時刻は1時15分になっていた。 お湯を沸かしインスタント味噌汁をすすりながら、

 写真の様に遠くに阿蘇五岳等の景色等を眺めながら弁当を食べる。

 今日もとても美味しい! 山に登って良かった〜♪ と思いながら食べていた。

 誰も通らない静かな南登山道でコーヒーを飲みながら40分近く休憩した。











 南登山道も他の登山道に比べると余り人が通らない様で、登山道は写真の様に草等が茂っていたり、

 道の細い所や急坂・岩部分も結構あった。








 下山途中で1ヶ所だけ迷う所があった。 道が2つに分かれていてどちらの道も踏み跡がハッキリしている。

 それで、下に行く道に入ったら段々道が細くなって、最後は行き止まりになった。

 私達みたいにその道に入り込む人も多い様である。 

 行き止まり付近で道を探していたら 『ミヤマキリシマ』 が綺麗に狂い咲きしているのを見つけ写真に撮る。

 そんな風に道に迷った時には私達は登山の鉄則である、ハッキリしている場所まで戻る!を実行する事にしている。

 5分ほど登り返してもう一方の道を進んだ。




そんな道の横には下の様に色付いた 『アセビ』 の花の蕾が沢山あった。 その外には 『リンドウ』 の蕾や黄色い花等を少し見掛けた。

アセビの花の蕾
リンドウの蕾と?の花







 この紅葉は何の葉か分からないが、登山道横の地面に1ヶ所だけにあった物で、

 色が綺麗だったので写真に撮った。













 そんな所で後ろを振り返ったら、谷筋の中腹が紅葉していたので写真に撮る。















 又、途中の登山道脇では写真の様な 『ユキザサ』 の実が沢山あった。















 これも登山道脇にあった 『ヤマモミジ』 の紅葉であるが、今日見た紅葉の中では1番綺麗な色だった。















 そんな所では登山道も、写真の様に落葉の葉で彩られていた。















 又、その付近の登山道には写真の様にドングリが沢山落ちていた。















 これは上のドングリの近所に落ちていた葉を拾って撮影した物であるが、紅葉しているのはコナラの葉だろう。












 この写真は 『本堂跡』 を少し過ぎた登山道の上段にあった物だが、酒・米・お菓子等の供え物があった。

 そしてその周りやその後の登山道脇には故意に竹を槍の様に尖らして斬り、長いピンクのリボンを結び付けた

 物を数十ヶ所で見掛けた。 何かを祀ってあって祈祷か行事があったのだろう? 少し気味が悪かった!












 そこから10分位歩くと有料道路である 『久住高原ロードパーク』 に突き当たった。

 正面には阿蘇五岳が見えていた。

 この南登山道ではとうとう1人の登山者の姿も見掛ける事は無かった。













 その有料道路のフェンス前には写真の様な 『オシロイバナ』 が一輪だけ咲いていた。













 登山道は有料道路下のトンネルを通って、向こう側に出る様になっている。

 有料道路の向こう側は放牧場になっており、その放牧場の中の道を写真の様に遥か彼方に

 『祖母山』 や 『傾山』 等を正面に見ながら歩いて行った。







 放牧場の中の道を5分程歩くとT字路が出て来た。

 くじゅう連山や周りの景色等を見渡して、直進すると 『南登山道口』 に行き、 左に曲がると私達が駐車した場所に

 近道と判断して左折する。 その道路の片側には有刺鉄線がずっと張り巡らされていた。

 その道を少し歩くと道の直ぐ横で草を食べていた黒牛が、写真の様に私達をニラミ付けたまま?動かない。

 500kgは有りそうな図体である。 ビー玉の様な目をまばたきもしないで私達をニラミ付けたままである。

 私はそんなに恐くなかったがオバさんが大変恐がるので、ちょうどその横に有刺鉄線が広く開いた部分が

 目に付いたので、ザックを有刺鉄線に引っ掛けながらもそこをくぐって有刺鉄線の向こう側に行った。








 しかし、有刺鉄線の中にも写真の様に少し離れているが黒牛の集団がいて、私達を見ている奴もいる。

 その牛がこちらに向かって着たら逃げ場がないなー!とヒャーッとしたが向かって来なかったのでホッ!とした。








 私達をニラミ付けていた牛がいた所を通り過ぎたら、有刺鉄線を張って無い部分があったので、

 そこから出て又舗装道路を歩き始めた。

 そうしたら又道の横に先程の奴よりもふた回り位大きい奴がいた。 体重は700〜800kg位ある様な大きさである。

 そいつも私達をニラミ付けていたが、その内に頭を上下に動かしながらこちらに歩いて来るではないか!

 私達は慌てて又有刺鉄線の中に逃げ込んだ。 角は切ってある様だがあんな奴に体当たりされたり

 踏み潰されたらひとたまりも無いだろう! この時は私も恐かった!! しかし、スペインの闘牛士はもっと大きくて

 鋭い角を持った気性の荒い牛を相手に良く戦うなー!、勇気があるなー!!と、改めて尊敬した。





 その後は舗装道路は歩かずに有刺鉄線の中を歩いた。 しかし写真の様に、有刺鉄線の横には踏み付け道が

 ずっと続いており、どうやら他の登山者も牛に脅されてこの道を歩いている様である。

 後からこの写真を見て思ったのであるが、写真の様にオバさんが赤いズボンをはいているので

 牛達はそれに興奮したのかも知れないなー?と思った。

 それで今後、この放牧場の中を歩く人は赤い色の物は着用しない事をお薦めします!(笑)





しかし、その有刺鉄線の中は花等の植物が多く、ヤマラッキョウや本山椒の樹等が多かった。 その外には次の様な花等を見る事が出来た。 

ママコナ
ゲンノショウコ
山椒の実





 放牧場の中を30程歩くと、車道に出た。 思った通り駐車している場所に近い所に出た。

 相変わらずイイ勘をしてるな〜! と、自画自賛してニンマリした。

 写真は車道から放牧場の出入り口を写したものである。







そこから先は舗装車道歩きになった。 車で帰る時にその歩いた道の距離を測ったら、その出口から駐車場所まで約2kmあった。

『南登山口』 に出るよりも1km近道だった。

その車道の両脇は山林なので、その林縁にあるムカゴを採りながらゆっくり歩いて行った。

ある所で下写真の様な実を見つけたので、ストックで巻き付いている枝を引き寄せてその実を採った。

知っている山ブドウや野ブドウとは違うが、写真の様にブドウの実に良く似ているので甘いかな〜?と思ってひと粒だけ口にしてみた。

そうしたら甘くとも何とも無いので吐き出したが、翌日その実をインターネットで調べてみたら 『アオツヅラフジ』 と言う名前で有毒とあり、ビックリ!した。

今のところ何とも無いが、今問題になっているアスベストの様に何年も経ってから症状が現れるかも知れず、少し心配である!

しかし、他のURLでは漢方薬に使われているとの説明があったので、そう心配する事はないだろう! それにもう十分生きたしね〜。(笑)

今回は幸い何とも無かったが、動物や鳥等には無害でも人間には有毒の物がある様なので、皆様もハッキリ知らない物はむやみに口に入れない方が無難です。

アオツヅラフジの実
アオツヅラフジの実のUP

駐車している所の少し手前の土手の中には次の写真の様な 『ウメバチソウ』 がかなり咲いていた。 しかしまだ蕾の方が多かった。

土手の斜面に咲いていた、ウメバチソ
ウメバチソウのUP

約2kmの車道を40分掛けて車に着いた。 時刻は5時少し前だった。



今日の山歩きをまとめてみると 車〜20分〜展望台駐車場〜25分〜くたみ分かれ〜45分〜鍋割峠〜15分〜佐渡窪〜30分〜鉾立峠〜65分〜

                    白口岳〜15分〜稲星越〜20分〜稲星山〜10分〜南登山道分岐〜25分〜久住山〜25分〜南登山道分岐〜90分〜

                    本堂跡〜25分〜有料道路〜30分〜放牧場出口〜40分〜車で、合計は8時間ジャスト、万歩計は33014だった。





 帰る前に今日登った久住山の方を見ながら、あの山を右の方から登ってあの山頂部を歩き

 左の方から下りて来たんだなー!と、少し感慨深かった。

 それで自分の両足を見ながら、今日はお前達も良く頑張ったので、

 今晩はいつもより少し多めにご褒美を上げねば成るまい!と、思ったのだった。(笑)





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