脊振山(1055m)


2005年9月11日  曇り  微風


今日は久しぶりに山に行く事にした。 が、昨夜寝る時までは山に行く予定等はまったく無かった。

と、言うのも昨夜の天気予報でも明日の当地方の天気は、朝から昼頃までは雨で、午後からも50%の確率で雨でしょう!と言っていたからである。

それで明朝は遅く起きればいいや!と思い、飲みながら世界柔道選手権等のテレビ放送を深夜遅くまで見ていたのである。

しかし翌朝9時半頃に目が覚めるとカーテンの色がやけに明るい。

窓を開けて空を見ると雨は降っておらず、雲は多いが雲の隙間からは薄日まで射しているではないか! 目覚め早々からムッ!と来た。



私はもう2ヶ月近く山には登っていない。 7月17日に 『天山』 に登って熱中症に成って以来、山にはご無沙汰である。 

それで夏の日差しが少しでも弱くなったら山に行こうと思って、以前から行くチャンスを伺っていたのである。

早速テレビで天気予報を見ると、今日は雨は降らず曇りでしょう!と天気予報士は昨夜の天気予報が外れて大勢の人に多大な迷惑を掛けた事を

別に申し訳なく思っている様子もなく、平気な顔をして今日の天気予報を言っているではないか!、またムッ!と来た。(昨夜の人とは別の人だったけどネ!)



たった8時間位の間に天気予報が大きく変わっていたのである。 気象庁は一体何をしているのだろうか! 天気予報士は一体何を見ているのだろうか!

台風が近くにあって進路がハッキリしない等の要素があれば、短時間の内に天気予報が大きく変わっても仕方がないと思うが、

数日前に台風14号は日本を通り過ぎ、現在台風は近くには無いのである。

昨日は土曜日でもあり、週休2日制の関係で気象庁の大半の職員が休んでいて、詳細な天気予測をしなかったのだろうか?



まぁそんな事はさて置き、雨が降らなければ絶好の登山日和であり、早速オバさんと山行きの相談に入る。

オバさんは突然の事で山行きの準備等は何もしておらず、迷惑そうな顔である。 しかし最後はオバさんも山行きを渋々承知してくれた。

遅い朝食を摂り、押入れの中に直し込んでいた登山道具を取り出す。 気が焦っているので、良く確かめもせずに次々とザックの中に詰め込んだ。

しかしオバさんの雑用が済んで、家を出発出来たのは11時近くだった。 車を動かし始めたのは良いが、登る山をまだ決めていなかった。



家を出てから最初のT字路を何も考えずに曲がりやすい左方向にハンドルを切ったが、この方向には脊振山脈があり、その山脈の中には沢山の山がある。

そしてその1つ1つの山には幾つもの登山口があって、どの登山口より登るかによっ所要時間も大きく変わってくる。

それで今日アタックする山を決めるべく、車内でオバさんと早速サミット会議に入った。



現在の時間、登山口に着く迄の所要時間、登下山に要する時間等を考慮に入れて、脊振山脈にある幾つかの山名と登山口が候補に出た。

それらを色々な角度から検討の末、私の体調も考えて今日は脊振山(せふりさん)に田中登山口から登ろうと言う事に決定した(まずは一安心、ホッ!)

 途中でホカホカ弁当を買ったりして、写真の様に脊振山頂にある2つのレーダードームが正面に見えて

 来たのは12時に近かった。 このレーダードームは写真の反対側からになるが、自宅からも見る事が出来る。

 脊振山脈は福岡県筑紫野市と佐賀県基山町の境にある 『基山=405m』 を東端とし、

 福岡県二丈町と佐賀県七山村の境にある 『十坊山=とんぼやま=535m』 を西端とする約60Kmに及ぶ山脈で、

 その稜線は福岡県と佐賀県との県境になっている。

 その稜線には主な山名だけでも東から 基山〜権現山〜九千部山〜石谷山〜脊振山〜金山〜井原山〜

 雷山〜羽金山〜女岳〜浮岳〜十坊山 等が連なる。

 そしてその尾根を結ぶ登山道を 『カモシカ山行』 と称し、山中で数泊しながら縦走する人達もいる様である。


 今日登る 『脊振山』 はこの脊振山脈の最高峰に当り、標高は1055mである。

 山頂には航空自衛隊のレーダードームが設置され、福岡県側からも佐賀県側からも立派な車道があり、

 山頂近くには駐車場やトイレも完備されていてドライブで訪れる人達が大変多い。

 道路が広くなりガードレールで区別された場所に駐車し、身支度をする。

 私はここ2ヶ月程山に行かなかったので、その間に登山道具の手入れをしていた。 ザックは綺麗に洗った。

 登山靴も水洗いし、防水スプレーと靴クリームを塗り、靴紐も新しい物に取り替えていたので新品同様になり、

 履くのが少し勿体ない様な気がした。 左写真の様な田中登山口を出発した時は既に12時を少し過ぎていた。



登り始めて少し行った所には次の様な花が咲いていた。

ミズヒキ
ケキツネノボタン?








 しばらく行くと登山道は写真の様な杉林の中に入る。









杉林を抜け、雑木林に入ると登山道脇では次の様な花を見る事ができた。

ガンクビソウ
ツルボ
ヤマジノホトトギス





 登山道は沢と平行して歩く事が多く、水の流れる音を聞きながら歩く。

 そして何度か写真の様な沢を横切る。

 その度に顔等を洗う。 冷たくて気持ちが良い。













 歩き始めて30分位で写真の様な杉の大木の多い場所に出た。














 そこを過ぎた所では写真の様に先日の台風14号で倒れたのか、倒木が登山道を塞いでいた。

 軍手をはめてそれらの倒木を折ったり引っ張ったりして片付けた。











 そこから更に少し行った登山道には、写真の様にかなり大きな樹が倒れていた。

 そして倒れた跡の穴には写真の様に水がかなり溜まっていた。

 私が若い時であれば 『エイヤー!』 と、一声の気合と共に一気に立て直してやる所であるが

 ギックリ腰が心配になり、思い留まって通り過ぎた(若返りたいな〜!)






そんな所を過ぎると、次の様な花が咲いていた。

ミヤマタニソバ?
ヤマホロシ?


更に進みと、次の花が咲いていた。

ツリフネソウの群落
ツリフネソウのUP






 ツリフネソウの群落の直ぐ上は車道で、登山道は写真の様に車道の向こう側に続いている。

 ここまで来るのに、既に50分も掛かっていた。













 そこから先は山頂直下の駐車場まで、写真の様な石の階段になる。

 この様な階段を脇に咲いている花を撮影しながら15分程掛けてゆっくり登る。








その階段の両サイドには 『ツリフネソウ』 や 『ヤマジノホトトギス』 等の他にも次の様な花が咲いていた。

ヒヨドリバナ?
??







 階段を登りきった所は写真の様な駐車場で、今日は貸切バスも停まっていた。













 駐車場の直ぐ左横は写真の様な広場で、キャンプ場にもなっている。

 ここで昼食の予定であるが、その前に久しぶりに脊振山頂に登って来る事にした。

 写真の東屋に荷物を置き、空身で山頂に向かう。







広場の中を通る時に広場の周りを見渡してみると、広場の一角は次の様なお花畑になっていた。 早速、写真に撮る。

ゲンノショウコの群生
ゲンノショウコのUP




 そんな広場の片隅を歩いていると、写真の様なてんとう虫さん達の姿を見つけた。

 これはてんとう虫さん達にとっては子孫を残す大切な営みである。

 そして、ここに至るまでにはオスの並々ならぬ奮闘や努力があったであろう事を考えると

 私はお邪魔してはいけないと思い、写真を1枚だけ写して急いでその場を離れた。









 駐車場を挟み上記広場の反対側は航空自衛隊の基地になっている。

 奥の方に見えるレーダードームが、最初の脊振山遠望写真で右の方に見えるドームである。

 いつもは警備員が立っているが今日は見えない。

 良い機会だからドーム等を見てこようかな〜?と思ったが鉄砲で撃たれたら痛いので、止める事にした。











 脊振山の山頂は、上の門の直ぐ横から自衛隊其地の敷地に隣接した、

 写真の様な石段を10分程登った所にある。








そんな石段の両脇にも次の様な花が咲いていた。

ツクシアザミ
ヤマシロギク? or イワギク?
ツユクサ






 花や風景等の写真を撮りながらゆっくり登ると、そこには写真の様な鳥居と脊振神社の上宮がある。

 そこでは子供の兄弟が鳥居の上に小石を乗せようと、何回も小石を投げている最中だった。













 これが脊振山の山頂標識で、直ぐ後ろには航空自衛隊の防空レーダードームがあり、常に低音の唸り声を発している。

 尚、このドームが最初の脊振山遠望写真で左の方に見えるドームである。








この山頂標識の直ぐ真下や近くには次の様な花が咲いていた。

しかし、いずれの花も1株ずつである。 私はこれらの花は野の花では無く、園芸品種ではないか?と、思った。

この脊振山は頂上直下まで車道が完備している関係で、脊振山頂まで殆んどの人が簡単に登って来る事が出来る。

そして脊振神社・上宮の前等にはその様な人達からの献花が多い。 下に掲載の花はその様な人達が自宅の庭等に咲いている花をこの山頂に移植し、

それが根付いたのでは?と、私は思った。 一応花名を記載していますが、いずれの花名にも自信はありません。

尚、当サイトに 『九州 花との出合い』 を設けている関係で、私が野草等に大変詳しいと誤解されるといけませんので、ここで一言添えて置きたいと思います。

私は花や野草等に詳しい訳ではありません! ただ、調べたり一覧表等を作るのが好きなだけですから誤解の無い様にお願いします。

今回掲載している花の名前を含め、今までに掲載した花名にもほとんど自信はありませんので、間違い等に気付かれた方はご一報頂ければ大変嬉しく思います。

マツバボタン?
クリスマスローズ?
子供の頃、家の庭で見た様な気がする?

山頂部からの展望は当日は次の様なものでした。 天気が良ければ福岡市街地や博多湾等が見えるが、この日はそちらの方向は雲が多く、望む事は出来なかった。

東の方向で、眼下に脊振ダム等が見えた
南の方向で、自衛隊其地のドーム等が見えた
南西方向で、佐賀市街地や有明海等が見えた

脊振神社の上宮付近で風景写真等を撮っていると、中高年のご婦人の方達が登ってみえた。

そして私に 『ここに祀ってあるのは神様でしょうか? それとも仏様でしょうか? それによって拝み方が違いますので・・・』 と尋ねて来られた。

私は神様である事は知っていたが 『私は生き仏様ですから、あちらを拝むより私にお賽銭を上げて拝んだ方がより御利益が有りますヨ!』 と言って
 
手の平を上に向け、両手を揃えて目の前に差し出した。 そうするとしばらくの間、ご婦人達の爆笑が続いていた。

私達が10分程、山頂部にいただけでも20〜30人の老若男女が登って来た。 しかし、登山者は誰も登って来なかった。

風景写真や花の写真等を撮り終えたので、ザックを置いていた東屋に戻り、昼食を食べる事にした。 時間は既に2時を過ぎていた。

誰も来ない静かな広場でゆっくりと昼食を取り、食後のコーヒーを飲もうと思ったら、今朝急いで準備した勢でカップを忘れていた。

周りに竹があれば竹カップを作ろうと思い、周りを見渡したが竹等は見当たらない。 ザックの中を覘くとそこに有るのは、飲み干した空のペットボトルだけだった。

さて、ここで読者の皆様に問題です。 私達はこの後無事にコーヒーを飲みましたが、どうしたのでしょうか? 考えてみて下さい。(正解?は最後にあります)






 この案内板はキャンプ場の中にあった物ですが、皆さんも機会が有ればここを訪れてみて下さい。 

 尚、私は子供が小学生の時に車で駐車場まで登り、この広場にテントを張ってキャンプをした事もあります。











 コーヒーも飲み終わり、キャンプ場や広場をブラブラとしていたら驚いた事に

 先程のてんとう虫さん達は先刻と同じ場所に同じ体勢でまだ居るではないか! 

 先程見てからもう1時間近くも経っている。 驚いた!(これ以上のコメントは、あえて無し!!)







3時になったので帰る事にしたが、駐車場に停まっていた貸切バスの運転手さんに会ったので問い掛けてみた。

貸切バスで来ていたのは北九州市から来た登山教室の方達18名で、今朝6時半に北九州市を出発して8時半から三瀬峠を歩き始め、

三瀬峠〜金山〜脊振山 を縦走し、脊振山には3時半に到着予定との事であった。 

全行程は約14kmとの事であるが、参加者の中には登山の初心者の方もおられるとの事である。

私達はその全行程を通して歩いた事は無い。 しかし部分的にほとんど歩いているので大体の事は知っているが、金山付近には特にアップダウンがかなり有る。

そんなハードな縦走計画に初心者の方が良く参加したなー! 北九州の人達は健脚揃いの方達ばかりだなー! と少し心配しながらも感心して話を聞いていた。

運転手さんと手を振って別れ、下山に掛かったが下山時も登山道周辺の植物等を撮影しながらゆっくり歩く。 

そんな下山時には次の様な木の実が目に付いた。

カヤの実(良い香りがして食べれます)
トチの実(食べれます)







 沢近くでは私達が近付くと沢蟹が石の隙間に隠れたので、枯れ枝でつつき出して記念写真を撮ってあげた。












 又、沢横にはマタタビの木もあり、下にはマタタビの実が沢山落ちていた。

 写真は4u位の広さの中で拾い集めた物ですが、

 私はマタタビ酒は以前に造った物がまだかなり残っているので拾う事はしなかった。

 近くにはヤマボウシの赤く熟れた実も落ちていた。






登山口に駐車していた車に着いた時は、4時を少し過ぎていた。 


今日の山歩きをまとめると、登りが 田中登山口〜(25分)〜大杉〜(35分)〜車道〜(15分)〜駐車場〜(10分)〜山頂 で、

                 下山時は 駐車場〜(1時間)〜田中登山口 で、万歩計は10306だった。


このコースは今までに何回か歩いているので、前の記録と比較してみると所要時間は登下山とも其々約2倍掛かっていた。

今回は約2ヶ月ぶりの山行だったので、足慣らしと思ってとにかくゆっくり歩いた。

そして前回の山行が炎天下に草原の山(天山)に登って体調を崩したので、今回は樹林帯の中を歩ける山を選んだ。

この田中登山口から脊振山頂までの登山道は、そのほとんどを沢沿いの木陰の中を沢の涼風を受けて歩けますので、特に夏場はお薦めのコ−スです。

その他のコースとしては山頂の駐車場まで車で登り、そこから蛤岳(4.1km=片道約2時間)や、金山(6.3km=片道約3時間半)への縦走コースもあります。

両コースとも九州自然歩道になっていますので、登山道は良く整備されています。

車に着いて、後片付け等をしている時に先程山頂の駐車場にいた貸切バスが下りて行ったので、全員予定通りに無事縦走したのだろう!(ヨカッタ!、ヨカッタ!)



それから9月11日は衆議院選挙の日だった。 私達は山からの帰りに投票する予定で、家を出る時に投票所への入場券を持って出ていた。

そして山からの帰りに投票所に立ち寄り、ちゃんと国民の権利を行使して来ましたので、その辺りを御心配の方はご安心下さい。(誰も心配して無いと思うけどネ)




 ところで、昼食後のコーヒーカップ問題の解答?は写真の通りです。

 空ペットボトルの中央付近にある、段が付いている所をナイフで切り、コーヒーカップ代わりにして飲みました。

 見事に正解でご希望の方には厳正なる抽選の上、この使用済み特製コーヒーカップを差し上げます。(ご希望の方はご連絡下さい)

 不正解の方は罰として、ご当地の特産品(食べ物に限る・・・しかし生きた牛や豚等は困ります)を、ごましお山荘に送って下さい。






私は久しぶりに山に行きましたが、やっぱり山はイイですねー。 爽やかな汗を掻き、新鮮で美味しい空気を吸い、可憐な野の花や気持ちの良い景色等を眺める事が出来て、

私は心身共にリフレッシュ出来ました。

これからは秋山のベストシーズンに入ります。 皆様もどうぞ山歩きを楽しまれて下さい。





それから蛇足になるかも知れませんが、現在私は山中や麓等で見掛ける 『山の果実、木の実、山菜』 の一覧表を作成中です。

それらの知識が増えれば、皆様の山歩きの楽しみが1つ増えるのでは?・・・と思っています。

近日中に出来上がると思いますので、完成したらお知らせします。 ご期待下さい。

inserted by FC2 system