御前岳(1209m) 釈迦岳(1231m) 


2005年6月12日  曇り  微風


今日は私達が住む福岡県で最高峰の 『御前岳』 から、山頂部分は大分県になる 『釈迦岳』 まで縦走する事にした。

これらの山には5年前までは 『椿が鼻ハイランドパーク』 で行われる山開きに子供と一緒に良く参加していて、その帰りに今日の逆コースを登ったりしていた。

しかし、『御前岳』〜『釈迦ガ岳』 のコースで登るのは実に9年ぶりだった。

登山口のある 『杣の里渓流公園』 に着いたのは、自宅から1時間20分後、距離にしてちょうど50Kmだった。







 写真の様な標識の前に駐車し、出発したのが10時45分。














 標識後ろのコンクリート道路を登り始めると直ぐに、コンクリートの上に蔓を伸ばして花を咲かせている、

 『スイカズラ』 の花が目に付いた。













 コンクリート道路を100m程登った所に数十台駐車できる様な広い広場があり、

 登山者の車は本当はこの場所に駐車して登るようである。












 歩き始めると直ぐ、写真の様に葉が白くなっている 『マタタビ』 が多く目に付く。

 この白い葉は今の時期は直ぐ目に付くので、『マタタビ酒』 を作りたい人はこの時期に

 この白い葉のある場所を覚えておいて、秋に実を採ると良い。









 登山道は写真の様に小さな沢沿いを歩く様になっており、時々涼しい風が吹いて来て気持ちが良く、

 真夏時にこのルートを歩けば涼風がとても爽やかに感じるだろう。

 道は途中で5〜6回、沢を渡る。

 尚、登る途中の2ヶ所のT字路部分では左右に赤テープがあり、どちらに進めば良いか迷う所があった。

 2ヶ所とも両方向に少しだけ行ってみたが、どちらも迷わずに沢を横切る方向に進路を取った方が良い。











 登り始めてちょうど1時間で林道に出、そこには写真の様な標識があった。















 その林道脇の樹には写真の様に、小さい白い花を沢山つけた 『エゴノキ』 が咲いていた。















 上の標識から林道を100m位?下ると、新たな標識が現れた。















 そこからの登山道は写真の様に岩の多い所が多くなる。














 黄色の標識から15分弱で写真の様な場所に着くが、そこには立ち枯れした大きな樹や大きな岩がある。

 その岩部分からは見晴らしも良く、ポカリを飲んだりして小休憩をする。













 その後の登山道の両脇にはスズタケが多くなり、写真の様に筍が沢山生えていたが、大きく成り過ぎており

 採取する事はしなかった。(美味しいので残念だった!)













 スズタケの中の登山道をしばらく歩くと、写真の様な階段やロープが張られた所が出てくる。

 そこを登り切った所が山頂だった。









 『御前岳』 の山頂部は直径10m?位の平らな裸地で、そこの木陰では親子(父と小学男児)が昼食中だった。

 山頂部からの展望は非常に良く、360度の展望である。

 写真の山頂標識の間の彼方には、阿蘇五岳が薄く写っている。

 この時の時刻は12時20分だったが、山頂標識に取り付けられている温度計は22度を指していた。

 尚、山頂標識には写真の様に1214mとあり、一部には1211mと記載された本もあるが、

 国土地理院発表の正式の標高は1209mである。








 写真は山頂から東の方向に見える、『釈迦岳(尖っている所)』 と 『展望台(普賢岳)』である。

 この後は一番奥に見える展望台まで縦走する予定である。

 山頂部では地図を広げて見える山々の山座同定をしながら、10分ほど休憩して 『釈迦岳』 へと向かった。











 『御前岳』 直下を一気に下った後はアップダウンも少なく、縦走路の両脇に沢山ある花木等を眺めながらの

 気持ち良い尾根歩きとなる。

 この写真は縦走路に大変多い 『ベニドウダンツツジ』 だが、開花にはまだ少し早かった。













 写真は 『シロドウダンツツジ』 だが、この樹も縦走路では沢山目に付いた。















 写真はそんな気持ちの良い縦走路の一部である。















 しかし、そんな縦走路には写真の様に去年の台風で倒されたと思われる大木が数ヶ所にあった。














 上のような縦走路を30分近く?歩いた所で前方が開けた所に出た。

 そこからは写真の様に 『釈迦岳』 と 『展望台』 が正面に見えた。













 上写真の少し先からは急激に下る。

 そして下った後は写真の様に、岩ばかりの登山道でロープを張った急激な登りが続く。










 そのロープ急坂の岩場を登り切った所が 『釈迦岳』 の山頂だった。

 山頂部は細長い尾根道の様な所にあって狭く、写真の様な山頂標識とお釈迦様の石像がある。

 尚、この山頂には1等三角点があり、見晴らしは大変良くて360度の展望だが、前方は絶壁で下を覘くと恐い。

 この山頂では1組(3人連れ)の方達が木陰で昼食中だった。

 この山頂では写真撮影を数枚しただけで、今日の最終目標地である展望台へと向かう。










 山頂部からの急坂を下りて、2〜3分もすると写真の様な分岐があった。

 私達は左折してマイクロウェーブ(展望台)へ向かう。














 上の分岐から3〜4分も歩くと、写真の様な建物下のコンクリート道路に出た。















 建物は国土交通省の管理するレーダー雨量観測局で、これで九州のほとんどをカバー出来るらしい。









 建物の周りは駐車場になっており20台近く駐車出来るだろう。 周りにはベンチが4〜5台設置してあり、

 中央には写真の様にこの展望台から見える主な山名を書いた説明図がある。

 その説明図に書いてある山名を列記しておくと左から順に、英彦山、五條殿山、両子山、由布岳、湧蓋山、

 久住山、傾山、祖母山、阿蘇山、渡神岳、酒呑童子山、八方ヶ岳、雲仙岳となっていた。

 今日は写真の様に雲の多い日で、雲仙岳だけが見えなかったが他の山は皆確認する事が出来た。

 尚、この展望台までは 『椿が鼻ハイランドパーク』 や 『杣の里渓流公園』 から舗装林道を通って車で来れる。

 足に自信は無いが、両山の山頂に立ちたい人や、快適な縦走路を花を見ながら山歩きを楽しみたい人には

 両山とも頂上直下の急坂はあるももの平坦な道が多く、片道1時間程度のここからの登山がお薦めです。






 この写真は説明図の正面(南東方向)で彼方に阿蘇五岳が、その左側には祖母山、傾山の頂上部が

 雲の上に少しだけ見えていた。

 尚、手前の山は 『酒呑童子山=しゅてんどうしやま』 である。







 この写真は東南東方向に見える九重連山であるが、山頂部を双眼鏡で見ると今の時期はミヤマキリシマが

 咲き誇っている事を知っている勢か、何故か山頂付近がピンク色に見えて仕方がなかった。

 九重連山のミヤマキリシマは今年は10年ぶりの当たり年で、凄い風景になっていると聞く。

 インターネットで見ると、ここ一週間程は連日の様に満開のミヤマキリシマの写真が紹介されていた。

 オバさんと、『多くの人出を覚悟で九重に登ってみようか! 10年後は生きているか分からないから?・・・』

 等と話す。(キットしぶとく生きているだろうな〜! そして・・・)

 尚、中央の尖っている山が渡神岳で、その手前に建物等が見える所が 『椿が鼻ハイランドパーク』 である。

 展望台のベンチに腰掛けてお湯を沸かし、インスタント味噌汁をすすりながら昼食にする。 2時に近かった。


食後のコーヒーを飲みながら反対方向の景色を地図と見比べながら確認する。

この展望台で1時間以上ゆっくりしていたのだが、その間にここを訪れた車は3台(8人)だけで、今日は日曜日と言うのに思ったより少ない人出だった。






 帰りは6枚上写真の黄色い標識まで戻り、左折して林道登山口に下り始める。

 登山道は写真の様にスズタケの多い所を、急激に下って行く。








 展望台を出発してから30分で写真の様な林道登山口に下りた。

 ここまでは9年前にも下りた事があるが、その時はここで出合った親切な人の車で 『杣の里渓流公園』 まで

 送って貰い、歩いた事はなかった。

 そこのベンチには単独行の中年登山者が休んでいた。 その人と少し話してみた。

 その人も私達と同じコースを歩いて来て、黄色の標識から直接下りて来たとの事だった。

 ベンチ横にある案内図を見ると、蛇行する林道をショートカットして進む自然歩道があり、

 私達はその自然歩道を歩く事にしたが、その人は林道を歩いてみる!との事だったので、

 私は笑いながらどちらが早いか競争しましょう!と言って、別々の道を歩き始めた。


 自然歩道は急坂部分もあるが、沢沿いを歩ける気持ちの良い登山道だった。

 途中で3〜4度林道に出るが、また林の中の自然歩道に入る。

 さっき分かれた登山者の姿は舗装林道上には全然見えない。 登りの場合はそんなに時間は変わらないかも

 知れないが、下りの場合は断然ショートカットの自然歩道の方が早い筈である。

 それからガイド本によると、この沢の近くにはワサビ田があり、ワサビの栽培が行われている事を知っていた。

 沢沿いを下る途中で写真の様なワサビの葉に似たものがあったので、ワサビ田から逃げ出した物かな?と

 思ったが、葉を良く見るとワサビの葉とは違い、ガッカリ!だった。








 何度目かの林道との出合いで、写真の様に標識が倒れている所からは自然歩道は無くなり、

 舗装された林道歩きとなる。












 そんな林道脇には写真の様に綺麗な 『ヤマアジサイ』 が沢山あった。

 又、林道脇にはまだ 『ウド』 も沢山あったが、良く見るとカマキリが白い泡の様な卵を一杯産み付けており、

 そんな物は気持ちが悪く、綺麗なウドだけを少し採取した。








 そんな林道を40分位?歩いた所に写真の様に少し大きな滝(八滝の名称を記載の本もある)があった。

 しかし、今まで歩いて来た自然歩道脇の沢に幾つかあった小さな滝や、この滝にも滝の名称を書いた標識等は無い。

 それで、この滝には私が勝手に 『ごましおの滝』 と命名する事にした。

 ですから今後は皆さんもこの滝は 『ごましおの滝』 と呼んで下さい。(笑)

 これは冗談であるが、この様な滝等で名称の無いものに名称を付けたい場合は何処に申請するのだろうか?

 警察署とか税務署や消防署に申請しても受け付けて貰えない事は分かるが、所属市町村や国土交通省だと受け付けて貰えるのだろうか?

 どこが命名権を持っているのか知らないが、その命名権を入札により一定期間だけ売ったらどうだろうか?

 パスポートの様に有効期限を決めておき、期限が切れたら再度入札をし直す。

 公式地図等には当然載らないが、所属市町村の観光地図等には載せる。



自己満足や企業のPRだから高額を出す人もいるかも知れないし、整備費や清掃代位は出るかも知れない?

自分の名前や企業名を付けた場所が汚れたらイヤだから、その関係の人達が清掃等もするかも知れないな〜?等と思ったりした。

全国各地の景勝地で 『ごましおの丘』 とか 『ごましお展望台』 等と呼ばれたら愉快かも知れないな〜!等と思ったりもする。


 滝を後にしようとしていた時に、舗装林道を歩いた人がやって来た。 笑いながら 『罰金〜!』 等と話す。

 曲がりくねった林道の下りは、直線の自然歩道を歩くよりも3〜4割位は時間が掛かるのかも知れない?

 その滝からはその人と話しながら一緒に歩く。 その人も山好きで福岡市の人だった。

 10分位で写真の様な吊り橋に着いた。 小学生位の女の子が 『恐い〜!』 等と騒ぎながら下を見ていた。

 林道側からは入れない様に施錠がしてあり 『杣の里渓流公園』 に入場しないと渡れない様になっていた。

 ずっと以前に山登りに関係なく、子供を連れてここに遊びに来た時に私も渡った事があるが非常に高くて

 少し揺れ、下に吸い込まれそうな感じになり、高所恐怖症気味の私は泣き出しそうになった事があった。(笑)



 その吊り橋の少し下の林道下に写真の様に満開のヤマボウシの花が咲いていた。

 車に着いた時間は4時20分だった。

 今日の山歩きをまとめてみよう。

 登山口 〜(1時間)〜 林道 〜(35分)〜 御前岳山頂 〜(55分)〜 釈迦岳山頂

 〜(5分)〜 展望台 〜(30分)〜 林道登山口 〜(1時間)〜 登山口

 合計登山時間は4時間5分(昼食休憩は含まず)で、万歩計は19468だった。







 写真の橋は 『杣の里渓流公園』 から車で5分位下りて来た所に架かっている橋で、

 後方の山間に先程の青い吊り橋が小さく見えている。

 この橋は 『あいのひめはし=愛の姫橋』 と呼ばれ、女優の栗原小巻さんが命名したものである。

 尚、栗原小巻さんのお父さんがこの地、矢部村の出身である。







 帰路には写真の様な日向神(ひゅうがみ)ダムの横を通る。

 この日向神ダム近くにあるキャンプ場の案内板を見ながら、

 小学生時代に野球部の合宿がそのキャンプ場であった事を思い出した。 私は6番でセンターだった。

 小学生時代の私は他には陸上部のリレーの選手でもあり、第1走者だった。

 また音楽部にも所属し、合奏の部では九州大会でも優勝した事等、当時の事が次々と想い出されて来た。

 そして先生や友の事等を連鎖的に想い出し、何時の間にか遥か遠い過去の想い出となった小学生時代を懐かしんで

 私はしばし哀愁に浸り、少し込み上げて来るものを感じながら運転していた。


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